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恋を奪われた年下カレのリベンジ溺愛

  • 作家藍川せりか
  • イラスト駒城ミチヲ
  • 販売日2017/11/24
  • 販売価格300円

結婚して半年、バツがついた。この人とどんな困難も乗り越えると誓ったけれど、一緒に暮らしてわかった「相手の嫌なところ」。そんなわけで寿退社した会社に独身として戻った由香里。皆に歓迎されたけれど離婚話を抉られるのはまだキツい。しかも、かつて直属の後輩だった加瀬くんが由香里の先輩になり嫌味を言われる始末。復職お祝いの席で年下男子に慰めてほしい、なんて言ったらまさかの加瀬くんが食いついてきて!?僕が慰めてあげると言い出した彼に驚く由香里は、うっかり誘惑に乗ってしまった。何度も体を重ね、甘く強引に溶かされる。冷静な加瀬くんの情熱的な責めに全てを委ねたくなる由香里、臆病な心に彼の本音が優しく響いて……

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 女性の人生の中で結婚とは、とても大きなイベントであり、とても大切なもの。
 ヴァージンロードを歩く花嫁は、幸せに満ちて眩しいほど輝き、これ以上ないというほど美しい。それは今まで生きてきて本当によかったと思える尊い瞬間。
 愛し愛された男性と、これからの未来を歩んでいくと誓い合う──。
 でもそれは終わりではなく、始まり。
 新たにスタートする二人の生活は、思い描いているような甘くて幸せな日々ばかりではなく、もっとシビアで頭を悩ませるようなことも出てくると思う。
 それでも、隣にいるこの男性と数々の問題を乗り越えていけると信じていた。
 信じていたのだけれど……。
 二十九歳の春に結婚した私たちは、秋が始まる前に別々の道を歩むことを決断して離婚した。
「おかえりなさい、早かったですね」
 早崎(はやさき)由香里(ゆかり)、三十歳。バツイチ、子なし。
 数年付き合った彼氏と結婚して半年のスピード離婚をして、寿退職した職場に復職。
 そして直属の後輩だった加瀬(かせ)謙吾(けんご)(二十六歳)に、再会早々面と向かって嫌味を言われている。
「……どういう意味、デスカ」
「そのままの意味です。これからもよろしくお願いしますね、早崎さん」
 数ヵ月前までは違う苗字だったのに、その苗字で呼ばれることに慣れないうちに元に戻ってしまった。
 長ければ長いほどダメージがもっと大きかっただろうけれど、短かったから傷は浅いものだ。むしろ、あの苗字で呼ばれても振り返ることはない。
 それよりも……。寿退社したこの会社にわざわざ復帰しなくてもよかったのでは、と思ったのだけど、就職難のこの時代、就職活動をするのは大変だ。
 しかも微妙な年齢なため、結婚や出産を控えていてすぐ辞めるのではないかと思われて採用されにくいんじゃないかと怖気づいてしまってエントリーできず。(こちらとしては、離婚したところなので、全くするつもりはないのだけど)
 どうしようかと悩んでいる間に、離婚したことが周囲にバレて、以前に勤めていた会社の人たちの耳に入り、「戻っておいで」と言ってもらえた。
 どの面下げて……とも思ったけど、待遇面でも以前と変わらず受け入れてもらえるということだったので、お言葉に甘えることにした。
……この先、ずっと一人かもしれないし、いろいろな面で手厚いこの会社に戻ることはメリットの方が多い。
 しかし、意外なデメリットが。
「今日から僕のもとで働いていただきます。以前は先輩でしたけど、これからは僕の後輩になりますので、あしからず」
「……ハイ」
 まさか加瀬くんのアシスタントになるとは……。
 今までは彼をこき使っていたというのに、立場が逆転してしまった。
 あまり納得していないような返事をする私を一瞥して、加瀬くんはさっそく業務へと入る。
 仕事をしていなかった半年を取り戻すべく、変更があった業務内容を勉強するために、私は与えられたデスク(加瀬くんの隣)についた。
 それにしても……。
 私がいないうちに、結構大がかりな異動があったようで、この部署に知っているメンツが少なくなっていた。
 気の知れた同僚たちは新しいプロジェクトのため、別の部署に行ってしまったみたい。なので、いちいち「前もこの会社にいたのですが……」と前置きして、離婚して戻ってきた旨を説明する羽目になってしまい、そのたびに小さなジャブをくらってヒットポイントがじわじわと減っていっている。
 前のメンバーは、全員結婚式に参加してくれていたからな──。
 あの輝かしい瞬間を見届けてくれていたのに、今こうして結婚生活にピリオドを打ってここにいるのが申し訳ないので、いなくてよかったのかもしれないけど。

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