夢中文庫

王太子殿下と伯爵令嬢の秘めやかな恋愛事情

asahiyurine08_s
  • 作家朝陽ゆりね
  • イラスト弓槻みあ
  • 販売日2016/04/27
  • 販売価格600円

「わたくしを殿下の恋人の一人に加えてくださいませ!」優雅で華やかな社交界デビュー…の筈が、およそ淑女にふさわしくない爆弾発言で周囲をかたまらせてしまった伯爵令嬢フリーシア。親孝行で優しい一面よりも奇想天外な言動が目立ってばかりだが、王太子ランティスはそんな彼女を気に入って――いいだろう、君を私の交際相手に加える――その日から王宮で駆け引きのような恋が始まる。二十四時間ランティスの手練手管に振り回されっぱなしのフリーシアだが、その心に芽生えた気持ちは…? 愛と思惑と笑いに満ちたロードレス王国で巻き起こる、スラップスティック・ラブコメディ!!

第一章 殿下に告白を!
──ティルビオス伯爵家、フリーシア・ティルビオスの部屋にて。
 フリーシア・ティルビオスは光のように輝く金髪と、淡いすみれ色の瞳をした誰が見ても可愛いと称賛される美貌の伯爵令嬢である。外見ほどに華やかな性格であったならば、おそらくこれからデビューする社交界で主役になれるだろう。しかしながら、天は二物を与えなかった。これほどの美少女であるにもかかわらず、本人は祖国に多い外見と異なることに落ちこみ、そして己の出生において気後れしてしまう、とてもおとなしく、内向きな性格だった。併せて、とんでもなく不器用で、どんくさいというエッセンス付き。さらに伯爵夫妻がなんとも呆れるほどに過保護に育ててしまったため、頭は悪くないけれど、世間の事情に疎いという折り紙付きの箱入り娘であった。
 ちなみに、祖国であるこの国、ロードレス王国は、黒髪に緑眼が主流派である。
「本当にお美しいですわねぇ」
 ティルビオス家に仕える使用人たちはフリーシアの髪をお約束のごとくに褒める。特に髪をセットするときは必ずだ。そのたびにフリーシアの心はどんよりする。そればかりか雨まで降ってきそうな勢いだ。もちろんそれは髪の色のことで、自分も黒髪のほうがよかったのに、というものだった。何事も、隣の芝生は青いってなものである。
「褒めなくていいのよ」
 素直な気持ちは言えないので、ちょっぴりひねって変化球で返事をしてみる。
「いいえぇ。まるで天使のような輝きでございますわよ」
 これもいつものことであるが、フリーシアは悪いと思いながらも胸のうちで悪態をついた。
 天使って、見たこともないくせに──と。
 口に出して言えないとわかってはいるが、つぶやかずにはいられない。それでも彼女たちが本気で褒めてくれていることは知っている。だからけっして言わない。せっかく褒めてくれる者を傷つけるようなことをしてはいけないと思っている。
「キラキラと光の結晶みたいで、とても麗しいですわ。それに、すみれ色の瞳も珍しくていらっしゃる。これも、宝石みたいで見入ってしまいますわよ」
「……ありがとう」
 最後はうなだれながら礼を言っておしまいだった。これをほとんど毎日繰り返している。フリーシアは鏡に映る自分自身をどんよりした気持ちで見つめた。
 先にも述べたように、ここロードレス王国は黒髪の人種である。瞳の色においては多くが緑眼。濃淡による差が若干あり、青に近い緑の者もいれば、黄色に近い緑の者もいる。さりとて概(おおむ)ねこの色彩であった。
 それに対し、フリーシアは豪華な金髪にすみれ色の瞳であり、これは近隣国の一つ、サントリア王国の人種の特徴であった。つまりフリーシアは異国人の血を引いているのだ。
(仕方がないわ。外見を嫌がってもどうにもならないもの。そんなことよりも、このどんくさい私を大切に育ててくださったお父さまやお母さまに恩返しをしないと。それに亡くなった両親を思い、感謝しなさいといつも言われているから、容姿のことで落ちこんでいたら私が生みの親に不満があるように取られちゃう。それだけは避けなきゃ)
 毎々(まいまい)このような思いで小さな不満を押しとどめるフリーシアであった。

ご意見・ご感想

編集部

おしとやかで可愛らしい……眉目麗しいフリーシア、きっといろいろな困難が
待ち受けているでしょう、けれど晴れて成人したのだから生涯の伴侶をしっかりと
支え、乗り越えてゆくのですよ……

いやいやいやいや、そんな定型文では収まらないのが
(↑全力褒め言葉です、モチロンヽ(^◇^*)/)

本作品!!!
大好きなお兄様のために頑張る!
頑張るために考えて考えて……思いついたアイデアがまた独創的で(笑)

でも素直なんです、まっすぐなの、とっても。
だから王太子様が溺愛しちゃうんです!
王太子様だけじゃない、フリーシアを取り囲む個性豊かな人達みんな、
振り回されながら&巻き込まれながらフリーシアを愛し支えてくれます。

幸せと笑いと色香に満ちた恋愛事情(///∇//)
読み応え充分\(^^\)(/^^)/

お楽しみ下さいませ♪

2016年4月28日 10:17 AM

オススメ書籍

aimirui05

愛玩人形の婚約 ~兄弟から愛されて~

著者逢見るい
イラスト琴稀りん

美術教師の寧々は、学園の若き理事長である悠斗と婚約している。しかしそれは、実家の借金を肩代わりしてもらうための愛の無い婚約だった。「お前はまるで愛玩人形だな。お願い許してと口走りながら、こんなに濡らして感じているじゃないか」――。寧々のカラダをサディスティックに弄ぶ悠斗。それは寧々が心の奥に隠した秘密への復讐だった。なぜなら寧々が本当に恋していたのは、悠斗の弟であり、学園の生徒でもある隼翔だったから――。生まれて初めて好きになった人は婚約者の弟、しかも教え子。禁断の恋に引き裂かれる心とは裏腹に、寧々のカラダは強引な愛撫に正直に反応してしまう。一方、隼翔は兄の婚約者とも知らずに寧々への想いをぶつけてきて――!?

この作品の詳細はこちら