夢中文庫

逃げ腰恋愛~ひねくれ女子を救う紳士な彼~

  • 作家朝陽ゆりね
  • イラストヤミ香
  • 販売日2016/08/31
  • 販売価格300円

誰でもしてるのにこわい?それって――
由美子は幼なじみの真紀と和馬の結婚式に出席。素直に祝えない。由美子もずっと和馬のことが好きだったのだ。真紀に「和馬が好き」と相談された十四歳の頃からその気持ちはしまってある。いや、そんな綺麗なものじゃない。自ら土俵を降りてしまっただけ。
結婚式の翌日も心のダメージが残っていたが仕事は頑張らなくては!雑用も懸命にこなす由美子。同じ会社の営業マン沖野はその姿を見守っていて……。
由美子を好きだと言う沖野、無理にその先の関係を求めたりしないが会社で沖野に彼女がいると耳にした由美子は混乱してしまい――
年齢=彼氏いない歴のひねくれた由美子を紳士的な沖野は甘く溶かせるのか?

素直な気持ちで、真紀(まき)は美人だし、きれいだと思う。一生に一度の晴れ舞台。花嫁が美しくないはずがない。見惚れるくらい輝いていた。
 真紀はずっと寄り添い続けた和馬(かずま)と、今日、結ばれた。二月という寒い冬の中で、熱い愛を神に誓って夫婦になった。
 ホテルのガーデンチャペルでの誓いの後は場所を披露宴会場に移し、出席者たちの喝采を浴びて幸せそうに笑っている。
 もちろん私もその喝采を送る一人。笑みを絶やさないように頑張っている。だけど実は沈んでいた。心は闇の中、みたいな……。
 ひな壇に座る二人は小学生の時からの親友だった。幼なじみ。二人とも、大切な友達。ただ一つ、同じ人を好きになってしまったということ以外、なんの問題もない気の合う仲間だった。
──私、和馬のことが好きなんだよなぁ。
 十四歳の時、真紀にそう言われ、ドキッとした。だけどどうしても「私も!」とは言えなかった。
──どこがいいの? あんなサッカーオタク。
 出た言葉は意地悪なものだと、今でも、自分でも、そう思う。
──一生懸命なトコ。
 そんなこと、言われなくてもわかってる。とっくに認めてる。だって、私も和馬が好きだもの。
 心の中で本心を呟きつつ、実際には「へぇ~」なんてわざとらしい感心の言葉を吐き出していた。
 小学、中学と同じだったけど、和馬はスポーツの強い高校に推薦で進学した。真紀はけっこう勉強ができたのでレベルの高い学校に行けたはずなのに、彼を追いかけて同じ学校を受験した。私は偏差値と相談し、担任が薦める学校に進んだ。二人とは違う世界、違う高校生活を始めたものの、家が近いために二人が仲良く帰ってくる姿を何度も見かけた。そのたびに思ったものだった。
 羨ましい──と。
 本気でそう思った。見かけるたびに羨ましくて、悔しくて、自己嫌悪に陥った。あの時「私もよ」「私も好き」ってどうして言えなかったのだろう。だけど、やっぱり、あの時の私には、和馬を追いかける勇気はなかった。夢であるプロサッカー選手になるためにまっしぐらな和馬では、ごく普通の恋愛はできないって思ったから。つまり、私の想いは単なる恋で、和馬の夢を支えられるような立派なものではなかったのだ。私には真紀のような選択はできなかったのだから、二人を羨み、真紀に嫉妬する資格なんてない。
 あの、真紀の言葉を聞いた時、私は自ら土俵を降りたのだから。
 祝うしかないよね。うぅん、よかったって思う気持ちもいっぱいあるよ。けど──。
 そんなことを考える。
 真紀の恋は本物で、純粋で、とてもじゃないけど、壊せなかった。親友だし。だけどあの時、「私も!」と言っていたら、真紀はどうしただろう? 私たちはどうなっていただろう?

ご意見・ご感想

編集部

幼なじみが偶数だったら上手くいったのかな?しかも男女の人数同じで…
そんなふうに都合のイイ妄想をしちゃいます、
一人だけ寂しい思いをしている姿を見てしまうと切なくて…

三人の幼なじみのうち、二人だけが幸せになってしまって
由美子は苦しみます、ひねくれます。
本当は真っ直ぐな心を持っている素敵な女性だからこそ、
素直になれない自分がイヤになって。

でもちゃんと頑張っているから、その姿を見守ってくれている男性はいるんです!
ほら、すぐ近くに!!(←力説)

心も身体もガードが堅い由美子と、
紳士的な振る舞いで容赦なく\(^▽^)/由美子に愛を示す沖野さん、
二人の気持ちは重なり合うのか!?
色とりどりの柔らかな花の香りが感じられる優しいLOVEストーリー、
どうぞお楽しみ下さいませ♪

2016年8月31日 2:17 PM

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