夢中文庫

信じる愛、結び尽す 闇の花5 ~祠☆闘士シリーズ~

  • 作家朝陽ゆりね
  • イラストもなか知弘
  • 販売日2015/12/08
  • 販売価格700円

「突然だが、田神が退職する」三係長の金本が突然告げた田神涼の辞職。警視庁捜査一課の優秀かつ熱血刑事なだけに、周囲は動揺し理由を知りたがった。恋人相田透子の除霊の仕事を手伝いたい、もっと深くあちらの世界を知りたいという純粋な思いだったが、涼の大学時代の親友にある疑いがかけられ――。自らの誇りを賭けて親友の無実を証明しようと試みるが、黒幕に術者の影が…。涼の身を案じる式神の様子に不安を覚える透子。なにを賭しても絶対に離れない、神から与えられた全てを以て護っていく──胸が張り裂けそう。涼──愛してる…。“水の闘士”透子と“水の祠”涼、人を救い、自らを救う戦いのクライマックス!

~プロローグ~
 田神たがみ涼りょうはその顔に困惑を浮かべながら、ソファに凭れかかってテレビを見ていた。今日は絶対に呼び出されない非番だったが、同棲中の恋人である相田あいだ透子とうこがどうしても外せない仕事があると外出してしまったため、仕方なく一人で寛いでいた──まではいいのだが、式神の一人が抱きついて離れないのだ。
 除霊師の透子には多くの式神がいるが、人型をした者は子供の姿をした三人だけだった。そのうちの二人は同じ顔をしている。この二人はやたら透子に懐いていて、姿を見せるといつも透子の傍にいた。が、三人目はなぜか涼に懐いていた。さらに楽器が好きなようで、嬉しそうに横笛を披露する。涼は酔っ払うと、時々その笛の音に合わせて鼻歌交じりに歌ってみせるのだが、そうすると非常に喜び、ますます傍から離れようとしなかった。
 テレビもつまらなくなり、スイッチを切ると、抱きついていた式神が無邪気な笑みを浮かべて横笛を見せた。
「歌えってのか?」
 うんうんと頷く。途端に涼の顔に苦笑が浮かぶ。
「だけど、お前の吹く曲は古いじゃねぇの。ロックとかにしてくれよ」
 ロック? とでも言いたいのか、式神は可愛らしく首を傾げた。
「わかんねぇよなぁ。はは」
 笑うと式神を抱っこしたまま寝室に行き、オーディオにCDをセットした。間もなく派手な音楽がスピーカーから流れ始める。式神は面食らったように、ぽかんと口を開けてその音を聞いている。涼がおかしそうにケタケタと声を立てて笑った。
「聴く分にはジャズが好きだけど、歌うならこれぐらいがいいんだよ。派手なほうが歌いやすい。でもお前にはちょっとビートが利きすぎて刺激的かもな。じゃ、こっちは?」
 次に流れてきたのは有名な外国のバンドの曲だった。それでも式神はオーディオを見ている。涼は音楽に合わせて歌い出した。酔っ払っている時とは違い、しっかりと音階を掴んで滑らかに歌っている。式神は目を輝かせて涼を見つめた。
「懐かしいなぁ。こいつはよく歌ったんだ。歌詞も忘れてねぇし。十年以上も昔の話だってのに、ホント、懐かしい──」
 そう言ってCDケースを手に取り、視線を落とした。
 式神は涼の顔が急に神妙になり、次いで悲しそうな目をしている様子を不思議そうな顔をして見つめていた。
下天の夢は儚く
 風呂からあがった透子を涼が待っていた。
「ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

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