夢中文庫

すき?×スキ!?×好き!×∞

ayuzakiharuka04_s
  • 作家あゆざき悠
  • イラスト中田恵
  • 販売日2016/7/19
  • 販売価格400円

高校の入学式、彼と目が合ったひまりは突然の告白をされる。「好きだよ、付き合って」でも引っ越してきたばかりのひまりは、彼の腕に腕を絡めた騒がしい感じの女子に睨まれたくなくて返事をしなかった。それなのに、その日から彼は顔を合わせる度に「好きだよ、付き合って」と。必ず、彼の隣には女の子がいて、腕を絡めているのに。好きってどういう意味? 友達として付き合ってっていうこと? 就職しても彼は変わらない。会えば必ず好きって言ってくるあまり、ストーカー疑惑まで浮上してしまう。ひまりが彼の「好き」を挨拶のように感じ始めた頃、ひまりに想いを寄せているという上司が現れて――不器用な二人のじれったい遠回りラブ。

第一章:ハーレムな男
 少しお洒落なイタリアンレストランは、女性客やカップルでほぼ満席だった。
「やっぱり、予約していてよかったね。飲み物はみんな、受け取ったかな?」
 それぞれが細長いシャンパングラスを掲げ、女性ばかり六人が集まっている席だ。どの女性も薄化粧で派手さはない。
「では、改めまして今後もよろしくお願いします。乾杯!」
 一人の女性がグラスを掲げ、六人はクスクスと笑いながら乾杯をした。
 彼女たちは晴れて職場の仲間となった。駅前にある地方銀行の銀行員たちだ。彼女たちの業務は窓口担当で、そのうちの二人──今野(こんの)ひまりと浅岡(あさおか)美奈(みな)は四月に入社したばかりだ。
 二人は研修を終え、先週の月曜日からこの支店に配属されてきた。金曜日の今日、退社時間後に窓口業務の先輩たちに誘われてこの店に来た。
「すごく訊きたいことがあるんだよねぇ。特に、今野さんには」
「はぁ」
 ひまりは心当たりはあるが、視線を伏せてしまう。どこに行ってもひまりはこの質問の餌食だ。
「昼と夕方に現れるカレとはどういう関係? なかなかのイケメンだし、笑顔が可愛い男性だと思うんだけど?」
「そうですね」
 ひまりはやっぱりと思いながら、はぁっと溜息を洩らしたくなる。
「彼の名前はですね、原口(はらぐち)一哉(かずや)と言いまして」
 美奈が口を開き、先輩たちの視線が美奈に向けられた。
「ちょっと待って。今野さんと浅岡さんってどういう関係?」
 別の先輩が口を開き、ひまりは美奈を見つめた。
「美奈とは高校の時の同級生で、その原口くんと美奈は幼馴染みです。私、高校生の時にこっちに引っ越してきて、誰も友達がいなくて」
 ひまりはうまく説明ができなかった。自分のルーツ的なものを話すのが苦手なのだ。
「偶然、私とひまりが同じクラスになったんです。出席番号が近くて、しかも原口が」
「え? そのイケメンくんも同じ高校なの?」
 先輩が驚き、二人は同時に頷いた。
「高校の入学式の時、原口くんと美奈とその友人たちが盛り上がっていて怖かったんです。一人ぼっちで友達ができるか不安の中、やたらと盛り上がるその集団をつい見ちゃったんですよ」
 ひまりは肩を竦(すく)め、言葉にした。
「あぁ、わかる。あるよねぇ? 同じ中学出身の子たちですごく盛り上がっている集団って」
 先輩たちはうんうんと頷きながら続きを促した。
「そこで原口と目が合っちゃったんですよ。ひまりは──」
「ふんふん、それで?」
 ひまりは自分からは言い出しにくく、視線を伏せた。
「原口がどうやらひまりに一目惚れしたらしいんです。まぁ、あいつが言うには、運命を感じたらしいんですけどね。その直後、目が合って怯えているひまりの真ん前に突き進んだかと思えば、好きです! 付き合ってくださいと言ったわけですよ」

ご意見・ご感想

編集部

転勤族のお家の子って、学生時代は苦労するんだよなぁ(-д-;)
恋愛以前に、人間関係に気を遣わざるを得ないひまりちゃんの生い立ちを
思うといたたまれない……

で・も!その痛みを自力で克服してゆくひまりちゃんの強さ&優しい社会人の
先輩方にじんわりすることうけあいです!!

ひまりちゃんとあらゆる意味で正反対(が過ぎる(笑))な彼、
そんなに好きって連呼したら信用してもらえないよね……とか思いつつ、
読んでいるうち、いつの間にか彼のナチュラルで真っ直ぐな魅力のとりこに
なっちゃいます♪

男性とどうこうなっちゃうかも!? な打算が一切ないひまりちゃんの
ふと見せる素の表情(下着もね☆)、その全てを全身で受け止める彼の
あったかくて素敵で……実はド!!!な物語、お楽しみ下さい(*^▽^)/

2016年7月19日 4:32 PM

オススメ書籍

mitokei08_muchu

はしたないけどピュアなんです!~王女様の騎士(予定)は一筋縄ではいきません~

著者水戸けい
イラストにそぶた

「メグ・ティーチの夫として次期国王になれるのは、カストフ・ザミレ。あなただけ」出会ったころからずっと想い続けていた騎士が、自分の近衛兵へ志願してくれた!想いが通じ合ったと喜んだ王妃メグは、私を手に入れて選定試験に奮起して!と、カストフの部屋へ忍び込む。けれど生真面目な彼にいさめられて肝心な所でウヤムヤに?どうしてそんな風に笑うの?私のために選定に参加してくれたのよ、ね?不安に駆られるメグをよそに、隣国の陰謀が渦巻いたりエリート騎士の激しいアプローチに巻き込まれたり…!?私の騎士は、カストフ以外にいないのよ!子どものころの約束は有効なんだからね!!強気に言いつつ、不安に揺れるメグの恋の行方は?

YAHOO!JAPANブックストアで購入
BookLiveで購入

この作品の詳細はこちら