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さきに結婚しちゃいましたっ!

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  • 作家あゆざき悠
  • イラスト繭果あこ
  • 販売日2017/04/11
  • 販売価格500円

「俺と結婚してください!」大学卒業と同時に五十嵐璃乃はイトコの柊にプロポーズされた。これほど優秀な男はいないと周りに勧められ、なんとなく入籍してしまった璃乃。優秀な伴侶を手にしたものの、ハイスペックすぎる彼の前で、璃乃は何もできない自分に自信をなくし、惨めな気分になってしまう……。その上、柊狙いのライバルはいっぱい!? あの子も? その子も? 彼女も?? 気付かないうちに嫉妬心を募らせるが、うまく柊に伝えられない璃乃。なぜ彼が自分を選んだのかわからない。まっすぐに柊を見れないのにも関わらず、彼の溺愛は続き……!? この結婚は間違いだったのか……それとも……?

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第一章:結婚しました
 三月中旬の日曜日、歩行者天国の通りに面したカフェテラスに対照的な二人の女性が座っていた。この日は気温も高く暖かいと言われているが、テラス席でお茶を楽しむには少々早いだろう。
 俯(うつむ)いて座っている女性は、子供の頃に女の子が遊んだお人形のような顔立ちをしている。長いストレートの黒髪、黒くて大きな瞳に頬紅を差したような薄ピンク色の頬は可愛らしい。
 その彼女の向かい側に座り、腕を組んでいる女性は可愛らしいというよりは美人という言葉が似合うだろう。少々吊り上がったきつめの瞳、ショートボブの髪形は前下がりで仕事のできるキャリアウーマン風だ。そんな対照的な二人の前にキルティング生地のカバーを付けたティーポットが二つ運ばれてきた。
 一つはアップルシナモンティーで人形のような可愛らしい顔の女性の前に、もう一つはダージリンのストレートティー、こちらはキャリアウーマン風の女性の前に置かれた。店員がテーブルを離れると、キャリアウーマン風の女性が口を開いた。
「メールだけじゃ意味がわからないんだけど。どういうこと? 璃乃(りの)」
 可愛らしい人形のような顔立ちで、少しだけ泣きそうになった彼女は五十嵐(いがらし)璃乃だ。
「ごめん、実加(みか)ちゃん」
 キャリアウーマン風の女性は藤枝(ふじえだ)実加で璃乃とは高校以来の友人だ。
「昨日、卒業式で会ったわよね? その時は何も言っていなかったじゃない。それなのに突然メールで──」
「わ、私もよくわからないんだもん」
 実加の強い口調に押されつつ、璃乃は唇を尖らせる。
「まぁいいわ。何があったのか、話しなさいよ。璃乃は卒業パーティーを欠席したよね?」
 大学の卒業式後、同級生たちと卒業パーティーを開いたらしい。璃乃は欠席し、実加は出席していた。
「うん、実加ちゃんは楽しかった?」
「楽しかったわよって、私のことはどうでもいいの。あんたは、どこで何をしていたの?」
 実加は苛立ちを露わに璃乃に詰め寄った。
「うん、卒業の報告をしに本家に行ったの。両親と一緒に──」
「うわぁ、さすが五十嵐コンツェルンは違うわね」
 実加の言葉に璃乃は苦笑を浮かべながら、昨日のことを振り返った。
 紫紺(しこん)の袴と淡い紫の振袖を合わせ、璃乃は大学の卒業式に出席した。卒業式を終えると、大学の傍に迎えに来た両親と一緒に車で五十嵐家の本家に向かった。
 現在、本家には璃乃の祖父母二人と住み込みのお手伝いさんが二人、暮らしている。立派な日本家屋には庭園があり、落ち着いた雰囲気と貫禄がある。
 庭園を見渡せる和室に案内され、璃乃は祖父母に挨拶をした。
「本日、無事に大学を卒業しました。今までありがとうございました」
 璃乃は五十嵐家の中で異例な経歴を持っていた。本来、五十嵐家の人間は寄付金を納めている学校に行くべきだとされたが、璃乃は中学までは公立中学で高校も指定された学校に受からず、女子高に進学した。大学も五十嵐家が寄付金を入れている学校には学力が足りず、家から近い女子大に通って卒業を迎えた。
「璃乃、学校は楽しかったかい?」
 祖父が優しく尋ね、璃乃は苦笑を浮かべた。璃乃の通っていた女子大は二流と言われていたが、資格試験の取得に向けたカリキュラムが特に多い。資格試験が通らないと単位が貰えないこともあり、璃乃は学生生活の中で一番苦労したと言ってもいい。
「お祖父様、友人にはとても恵まれて過ごしました」
 璃乃は勉強が辛かったとは言わずに、友人と楽しく過ごしたと報告するだけだ。
 その時、縁側に面した廊下から大きな足音が響いてきた。すぐに襖が勢いよく開けられ、璃乃は目を丸くしていた。

ご意見・ご感想

編集部

未来への岐路……
それは突然嵐のようにやってきて、
冷静に考える暇を与えないくせに、人生を大きく変えていく……
そして、この結婚は――――

五十嵐一族が援助している学校に入れなかったということで、
「落ちこぼれ」のレッテルを付けられてしまった五十嵐璃乃ちゃん……
そんな彼女も、資格がたくさん取れる学校に入り、一生懸命に勉強し、
卒業後はブライダル関係の仕事に就きたい!と思っていた……
そこに突然現れたのが、五十嵐一族の名星!五十嵐柊!!

久しぶりに会ったイトコの柊さんは状況の呑み込めない璃乃ちゃんに
突然結婚を迫り!?!?
周りが盛り上がってしまっているのを見て、璃乃ちゃんもついつい
了承してしまいます(・・;))))))

優等生の柊さんと落ちこぼれの璃乃ちゃん…
一緒に外を歩いても、同じ職場に通うようになっても、
二人の距離は縮まるどころか開いていくばかり……
自分と柊さんの間にある壁に後ろめたさを感じる璃乃ちゃんは
彼に心を開くことができなくて……

結婚から始まる甘々☆ラブ!に、果たしてなるのか!?
食事のときに向かい合わないよう席をずらして座ったり、
定期的に背後に立ってわざわざ大きなため息を吐くような
冷めきった夫婦間になってしまうのか!?
後者はありませんので、安心してお楽しみ下さいっっっヽ(`▽´)/

2017年4月11日 10:01 AM

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