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【桜井真琴ベストセレクション】悦びその手に堕ちる、魅惑の美姫たち

  • 作家桜井真琴
  • イラスト炎かりよ
  • 販売日2016/10/25
  • 販売価格600円

ん?そんな声出すなんて実は愉しんでるんでしょ――
編集者、バドミントンプレイヤー、アナウンサー、医者……
選んだ道でトップを目指す才色兼備の女性たち。
夢を追いかけてきたから、今更こんなところで躓いていられないの、私の邪魔をしないで!
仕事熱心な彼女たちは恋愛に見向きもしない。だから男性にどう見られているか無頓着。
そんな彼女たちを狙う男性はたくさんいて……。用意周到で濃厚な罠が張られていると気づかない彼女たちは、その罠にいつの間にか飛び込んでしまう。
彼女たちを見つめ続けてきた男性にとって、狂愛を与えるのはお手のもの。ケダモノと化した彼らに敵わない!
甘いトラップに掛かった彼女たちが刺激に震える4編収録。

「ふうん。彩ちゃんって、意外と色っぽいブラジャーつけてるねぇ。黒なんて」
 春野(はるの)彩(あや)はブラウスの胸元を手で押さえ、神崎(かんざき)をにらんだ。コーヒーカップをテーブルに置いたとき前屈みになったから覗かれたのだろう。
 神崎はヒヒッと薄気味悪く笑うと、彩の煎れたコーヒーをうまそうにすすった。
「でもさぁ、窮屈でしょ。そんなの付けて。僕の前ではノーブラでいいよ」
「……はい」
 彩は冷ややかに返事をする。いっときだってこの不快な男と一緒の部屋に居たくなかった。足早に書斎から出て行こうとしたときだ。
「おっと。どこ行くの? ノーブラでいいっていったじゃない。早く外しなよ」
 神崎はソファに腰掛けたままニヤリと笑い、股間のモノをさすっている。
(この変態!)
 彩は胸奥で吐き捨てた。寝癖のついたぼさぼさ頭にメタボ気味の体型。厚底眼鏡に、煙草のヤニがついたのだろう、黄ばんだ前歯。
 これでまだ三十歳。彩よりたった四つ上とはとても思えない。ひとまわりはゆうに離れていそうな雰囲気なのに、しゃべり方は甘ったるくて、気持ち悪さが倍増する。
(今日だけ……今日だけよ)
 彩は細フレームの眼鏡を指で押し上げると、いっそう厳しい顔をして、ジャケットの前ボタンに指をかける。
 細身のグレーのパンツスーツを着た彩の身体に、神崎のねっとりした視線が絡まってくる。彩は気にしないようにして、ジャケットを脱いで足元に落とした。
 白いブラウスに浮き出たふたつのふくらみをじっくりと眺められる。高校を卒業してから急激に成長したバストは、彩にとってコンプレックスの塊(かたまり)だ。
 仕事先でも会社のなかでも、男たちが大きくせり出したバストにいやらしい視線を投げかけてくることがある。真面目そうな雰囲気と巨乳のギャップがそそる、と酔った同僚にからかわれたこともあった。
 そんなときにも彩は顔色ひとつ変えず、顔を赤らめることもせずに、ひたすら普段通りに接したから、いつの間にか「真面目すぎておもしろくない」というレッテルを貼られた。
 そんな日々だから、いやらしい視線は慣れっこだった。ところが、こんなに無遠慮にジロジロと見つめられると、さすがの彩も頬を赤く染めてしまう。
(いやだ……こんなの……)
 彩は下げた手でスカートの生地を握りしめて、耐えた。
「す、すごいな……何カップゥ?」
 神崎の声が上ずっている。もしかして、この人、童貞なんじゃないだろうか。モテないから、きっと、こんなふうに女性を蔑(さげす)むのだ。
「ねぇぇ、答えてくれないのぉ」
 何度でも、ねちねち聞いてきそうだ。答えるしかなかった。
「え……Fカップ……です」
 眼鏡の奥で、目頭が熱くなる。
「えふぅ? そんなにあるんだ、ほお」
 神崎が感心したような顔をしたかと思うと、タオルで額の汗をぬぐいながら目を細めて舌なめずりをした。
 早く脱げと、目が切実に訴えている。
(いいわ、脱ぐから……好きなようにすればいい)
 覚悟は決めたのだ。
 今日だけ、このメタボの玩具になると。
 両指を白ブラウスの前ボタンにかける。ぷち……と小さな音がして、ボタンがはずれ、白い胸元が露わになっていく。
(なんで……なんでこんなことに……)

ご意見・ご感想

編集部

わ、わたしどうしてこんなことに――

そう思った時には既に魔の手に堕ちています。
しかも、無意識に……自ら望んで。

清純で前向き、目標に向かって脇目もふらず進む女性たち。
その姿はキラキラと輝いていて。

……となると、男性が放っておくわけもなく。

  編集者
  バドミントンプレイヤー
  アナウンサー
  医者

それぞれの道でトップに上り詰める女性達へ向けられる妖しく執拗な、
そして歪みを感じる愛。

信じられない、受け入れられない……そんな状況に陥った女性たちが、

しかし――
抗いようのない快感に侵食されてゆく圧倒的な描写を、
乱れる呼吸が感じられるような臨場感を、

じっくり深く深く――お楽しみ下さいませ……!

2016年10月25日 5:40 PM

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