夢中文庫

隠しごとは禁止で。~腹が立つけどやっぱり好き~

  • 作家ひなの琴莉
  • イラスト中田恵
  • 販売日2015/11/25
  • 販売価格300円

会社の先輩・杉浦とは4年間身体の関係がある真苗。『好きだ』と一度も言われたことがなく、ずっと好きな気持ちを秘めていた。結婚適齢期でもありこんな関係を続けていいのか悩んでいる。でも、離れられない……。そんなある日、杉浦は突然副社長に就任する。杉浦は、ただの先輩ではなく会社の社長の息子であったのだ。婚約者まで登場し、真苗は『裏切られた、関わりたくない』と絶望的な気持ちになった。しかし、真苗は杉浦の秘書として働くことになってしまった。「どうして社長の息子だと言ってくれなかったの!?」素直になれず、冷たくする真苗を杉浦は強引に――。

プロローグ
「あっあっ、あぁ、あぁんっ、あっ……、ああっ!」
 抵抗することも忘れて喘ぎ続ける。
 大好きな人のベッドの上で、大好きな人に抱かれていると思うと、自分の立場を忘れて抑えきれなくなってしまった。
 杉浦(すぎうら)には、婚約者がいるのに。
 このままだと母親と同じ愛人として生きることになってしまう。
 それだけは避けたかったのに――。
 杉浦のことが好きでたまらない。
 遊ばれ続けるだけの人生でもいい。
 そばにいたい――。
 杉浦の肌に触れることができて幸せ――。
 杉浦の好きなところがいっぱいある。
 たとえば、甘くて優しい声。長い指。首筋のホクロ。
 男らしいところ。正義感が強いところ。面倒見がいいところ。
 こんなにも好きなのに、心は通じ合っていない。
 ただ、抱かれるだけ。
 腹が立つのに……すごく、好きだ。
 離れたいのに、離れられない。
 この4年間、ずっと悩んでいた。
 愛してもらえなくても、いいから、そばにいてもいい?

「はぁ……んっ、あああぁ……あんっ……」
 寝室と居間だけの部屋にひとり暮らしの真苗(まなえ)は、隣人に喘ぎ声が聞こえぬように自らの腕を口に当てつつ、快楽を噛みしめる。
 杉浦の大きな手のひらが、真苗の豊満な胸を包み込んで、円を描くように動かすと、堪(こら)えきれず甘い声が唇から漏れた。
 さきほどシャワーをふたりで浴びて一度バスルームで愛し合ったばかりだ。お互いに生まれたままの姿で、体温を感じつつ抱き合う。
 真苗の背中まである毛先にパーマが当てられた髪の毛は、まだ湿っておりひとつにまとめた状態だ。
 眉間にしわを寄せている真苗の大きめの二重の瞼(まぶた)は閉じられており、長いまつ毛が揺れている。
 杉浦は真苗の胸を持ち上げるように掴むと、赤く膨れた頂にある実を美味しそうに舐めた。
「いやっ……っ、あんっ……、んっ」
 ねっとりと絡みついてくる。気持ちがよくてうっとりしてしまう。
 甘美な刺激を与えられるたびに、ぽっちゃり体型の真苗は身体をぴくぴくと震わせる。
(大好き……。勇晴(ゆうせい)の触れ方も、愛撫の仕方も大好き……)
 杉浦に与えられる快楽を噛み締めていると、太腿に手が伸びてきた。
 内腿を撫でると脚の付け根まで上がってくる。
 繊毛(せんもう)をかき分けると秘裂を指で広げて、指の先で隠れていた粒を見つけ出すと、くりくりと、くすぐった。
 蜜壺はすぐに潤ってしまう。
「ああっ……、いいっ、気持ちいいよ……」
 杉浦は喘いで喜んでいる真苗の顔を見ると乳頭を甘噛する。
 少し強めの刺激がたまらない。
 蜜壺に杉浦の中指が進んで行くと、浅いところで抜き差しを繰り返す。
 くちゅ、くちゅと卑猥(ひわい)な音が耳に届くと真苗は顔が熱くなった。
 何度聞いても慣れない。
 自分から奏でられている音だと思うと羞恥心が湧く。
 細身だけれどしっかりと筋肉がついている杉浦の腕の中に抱きしめられ、蜜壺をかき混ぜられる。
「あっ、あっ、あんっ、ああっ、そこ、気持ち、いい……っ」
「真苗、ここ好きだもんな……」
 杉浦は真苗の耳元で甘く囁くと、耳たぶにキスをした。
「もう、いやぁ……。我慢できないよ。勇晴ので……して?」
「自分からお願いするなんて、真苗はえろい」
 嬉しそうに言うと杉浦は真苗の上に来て、楽しそうに見下ろす。
 どの角度から見ても杉浦はいい男だ。
 凛々しい眉毛と綺麗な二重。
 男らしいのに可愛い系でもある。
 真苗はこの美男子に何度も見つめられているのに慣れない。
 膝を持って脚を開かれると、蜜壺からはとろりと熱いものが溢れてきた。
 杉浦の大きくそそり立ったものが、真苗の中へ入ってくる。
 真苗の横に手をついて、ゆっくりと腰を動かした。
 杉浦の腕に触れて存在を確かめる。
 奥を突かれると真苗はとろけてしまいそうになった。腰が抜けてしまいそう。
「あんっ……、ああっ、ああっ……。あっ。いい……」
 好きな人に抱かれる幸せを噛み締める。
 でも、両想いの相手に抱かれると、もっと気持ちがいいのかもしれない。
 身体は愛されても心は愛されず、どこかに隙間がある気がする。
 その隙間から大切なものが落ちている気がした。
 もっと、もっと、そばにいたい。
 ずっと近くにいたい。
 素直に言えたらいいのに。言えない。

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