夢中文庫

幼馴染を落とそうとして、逆にあわわってなってます。

  • 作家ひなの琴莉
  • イラスト繭果あこ
  • 販売日2016/11/30
  • 販売価格300円

「初めての相手が、本当に俺で後悔しないか?」真面目が取り柄の地味なOL由花子は、医療事務をしている。同じ病院で理学療法士として働く諒太は、由花子の年下の幼なじみ。そして片思い相手でもある。年上だし、ビジュアル的にも自分が不釣り合いなのはわかっている。でも……好きでたまらない。でも、告白して振られたら幼なじみの関係も崩壊してしまう! 揺れる恋心。好きの一言がなかなか言えない由花子は、諒太に「年下の男の子を好きになった」と相談すると、返ってきた答えは驚くものだった。「体で落とすしかないんじゃない?」恋愛偏差値が低いアラサー由花子は、体で落とそうとして奮闘するがなかなかうまくいかず……?

プロローグ
──両想いになるにはどうしたらいいかな?
──体で落とすしかないんじゃない?
──エローく迫るしかないだろ?
 三十路の誕生日……。
 私は、正座をしながらお願いをする。それはもう、必死だったの。
「諒太(りようた)、お願い。わ、私と……」
「由花子(ゆかこ)と?」
「エッチしてください」
 諒太は、固まって何も言わない。まるで時間が止まってしまったみたいだ。
 やっぱり、断られてしまうだろうか。
 幼馴染が突然、エッチしてくださいなんて言ったらひくよね。私はこの場にいることが辛くなり、立ち上がろうと思った。
「……三十路だから脱処女しなきゃって、焦ってんのか?」
「え……」
 焦ってるとかじゃなくて、諒太に好きになってもらいたいから。でも、このタイミングで好きなんて言っても、進展はしないだろう。これは、もしかしたら抱いてくれるチャンスなのかも……。
「諒太、お願いします」
 すがるような瞳で諒太を見ると、諒太は耳を真っ赤にした。そして、咳(せき)払いをする。
「初めての相手が、本当に俺で後悔しないか?」
「うん」
 妙に真剣な瞳で見つめられる。一点の曇もございません。そんな気持ちで諒太を見つめると、諒太も床に降りてきた。
 この痛みに耐えたら、諒太が私に恋をしてくれるかな……。不安と期待が入り混じり泣きそうになったが、耐える。
 何度、体を重ねたら……いい?
 私のこと……好きになってくれますか?
第一章 体で落とすしかない!?
「ふぅ、あと二日か」
 職場に向かおうと部屋を出る時に、ふと目に入ったカレンダーを見て呟(つぶや)いた。十一月十八日は私の三十路の誕生日だ。誕生日当日に私はとある作戦を決行しようと考えている。人生最大の挑戦と言うと、大げさに聞こえるかもしれないけど、それほどの大きなことなのだ。想像するだけで胸が張り裂けそう!
 ありきたりな表現かもしれないけれど、口から心臓が飛び出しそうっていうのは、まさにこんな感情なんだと思う。
 部屋を出てリビングを通り過ぎると、お母さんが部屋の掃除をしていた。
「いってきます」
「気をつけてね」
 お母さんの声に見送られて、玄関に行く。靴を履いて、姿見鏡に映る自分を見て小さなため息をついた。
「……相変わらず、地味」
 百五十八センチ。体重四十五キロ。黒髪で真っ直ぐストレート……というかオカッパ。黒縁の細いフレームの眼鏡をしている。コンタクトレンズへの挑戦履歴はあるけれど、乾いて惨敗。レーシック手術をしようとも考えたがそんな勇気はない。手術中の出来事が見えるなんて、恐ろしすぎる!
 奥二重で、肌の色は白く、地味という言葉が一番お似合いの容姿だ。お洒落をしたいけれど、正直どうしたらいいかわからない。アラサーの私が間違ったファッションをすれば、若作りしていると思われてしまうし、着飾りすぎると嫌味っぽくなる気がする。
 なかなか美人になるのは難しい。
 家を出て職場へと向う。大の苦手の満員電車でぎゅぎゅ詰めの中、なんとか耐えて通勤をしている。
 職場は病院。というと、え? ナース? なんて言われることが多いが、医療事務をしているフツーのOLだ。仕事は一生懸命頑張っているし、誇りを持っているから、人に何を言われても気にはしていない。
 職場に到着して更衣室に向かうと、急いで制服に着替える。朝の更衣室は大混雑だ。
「おはよう、由花子」
 声をかけてくれたのは、同期の愛美(あいみ)。私とは真逆の洗練された美女だ。同期だからという理由で仲良くしている。
「おはよう、愛美」
 ふたりともダスティピンクのチェックのベストとタイトスカートの制服に身を包んだ。地味な制服は、地味な私にはまあまあ似合っていると思っていたが、愛美が着ると別の制服に見える。着る人によって服は変わるのだ。あぁ、まるでモデルさんみたい。
「今日も頑張ろう」
 ニッコリ微笑む愛美に私は圧倒されて頷(うなず)いた。
「う、うん!」
 職場である病院の受付に行く途中、誕生日の夜の作戦を考えると、私は胃がキリキリと痛んだ。大丈夫かな……。やっぱり、今までどおりの関係のほうがいいのかもしれない。どうしよう……。

ご意見・ご感想

編集部

意中の人に好きになってもらうには、さり気なく方法を本人に確認することが一番!?
『好きな人に直接リサーチ!』そんな方法を取る方は意外と多いのではないでしょうか??

そしてもし、「体で落とすしかないんじゃない?」という答えがかえってきた時……
あなたならどうしますか?

由花子ちゃんは昔から年下幼馴染の諒太くんに絶賛片思い中!
ずっと諒太くん一筋だったために恋愛偏差値は低く、しかも彼は自分の家族とも仲がいい!

もし告白して失敗でもしたら……
幼馴染ですらいられなくなってしまうの……?

そう思うと、イヤでも慎重になってしまいますよね……(`艸´;)))

それでも好きの気持は止められない!
勇気をもって前に進もうとする由花子ちゃんと、
諒太くんの年下ながらも真摯に由花子ちゃんに向き合うお姿は必見☆

身体の関係が先なのに、思わず「あわわっ」となってしまうピュアな頑張り恋物語!
諒太くんのリードにトキメキつつも、由花子ちゃんと一緒に「あわわっ」と翻弄されてくださいっ(*^^*)

2016年11月30日 11:49 AM

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