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溺愛副社長と秘密のオフィスラブ

  • 作家花音莉亜
  • イラスト繭果あこ
  • 販売日2017/12/19
  • 販売価格500円

大手自動車メーカーに勤める千佳は、彼氏に二股された挙句フラれてしまう。失恋の辛い経験を忘れるため仕事に没頭していたが、思いがけずイケメン修真と出会う。千佳の疲れた様子を気遣った修真に、千佳はぽろりと失恋の話をする。真剣に話を聞いてくれた修真に、千佳は好印象を持った。もう一度会えたらいいなと思っていたとき、実は修真が自社の副社長だったと知る。彼は業績改善のためにニューヨークから帰国してきた有能副社長だった。修真の素顔に戸惑う千佳。彼とは住む世界が違うからと一線を引こうと考えていたのに、修真の方は千佳をずっと気にしていて……エリート副社長とまさか甘いオフィスラブが始まっちゃうの!?

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エリート副社長との出会いです。
《もしもし?》
 崇(たかし)のスマホに電話をしたら、なぜか知らない女性が応答した。それが私の彼氏、崇の浮気を初めて知ったときだった。
「だから、もう千佳(ちか)とは付き合えねえって」
 浮気発覚から三日後の夜、ファミレスで浮気相手も交えて話をしているけれど、まるでラチがあかない。
「待ってよ、崇。突然、付き合えないってどういうこと?」
 一緒にいる女性は、理子(りこ)さんというらしく、外見は派手だ。色が抜けた明るい茶髪に、まつげはエクステをつけているようで、不自然に長い。
 露出が高めの服を着て、けだるそうに私を見ている。
「分かんない奴だな。お前は遊びだったってこと。一年付き合ってて、分からなかった?」
「え……? 遊び……?」
 彼の言葉に呆然としていると、理子さんがクスッと笑った。まるで、人を小馬鹿にしたような笑い方だ。
「千佳さん、あなたの方が浮気相手だったんですよー? 気づきませんでした?」
「私が浮気相手……」
 その言葉を理解するまでには時間がかかり、あ然としている私を置いて、ふたりはさっさと帰ってしまった。彼らが帰ってから十数分後、混乱したまま店を後にする。
 ファミレスから自宅までの帰り道、歯を食いしばって歩いてみても、溢れるのは涙ばかり。
 こんな状態で電車には乗りたくなくて、ひたすら線路沿いの通りを歩く。車の往来はあるけど、歩いている人はほとんどいない。
 それが今の私にはありがたくて、徒歩だと三十分以上はかかる自宅までの道をひたすら歩いていた。
「なんで、あんな人を好きになったんだろう……」
 崇とは、頭数合わせで行ったコンパで知り合った。ハーフにも間違われるほどの彫の深い顔立ちで、すぐに目を引いた。
 さらに、身長一八〇センチの長身で、学生の頃にサッカー部で鍛えた体は、肩幅が広くガッチリしている。
 性格は社交的で、どうして私に告白してくれたんだろうと思っていたけど……。まさか、自分が浮気相手だったなんて、疑いもしなかった。
 私に、『好きだよ』とか、『いつかは結婚しよう』と言っていた言葉は、全部ウソだったってことか。溢れる涙を止められず、指で拭っても拭っても、私の視界は滲むだけだった──。
「千佳、まだ仕事するの?」
 ここは大手自動車メーカー、シュネール社の本社。オフィス街の中心地にある十三階建ての自社ビルで、総務や人事、広報部などがあり、私は企画部に所属している。
 十二階にある私の部署は、社員が四十五名ほどいるけど、二十二時になった今、オフィスには私と同期の美由(みゆ)しかいなかった。
 その彼女が、未だにパソコンに向き合う私に、心配そうな顔を向けた。
 私たちは入社三年目の二十五歳。まだまだ大きな仕事は任せてもらえないから、地道に新商品に向けてのプレゼン資料を作っている。
 それに、他社の商品を調査して報告するのも大事な仕事だ。
「うん、もうちょっとね。あと少しで、海外メーカーの商品のまとめ資料が完成しそうだから」
とパソコンに向き合ったまま言うと、美由は私の側へやって来て、遠慮がちに声をかけてきた。
「崇くんのことで、そんなに仕事に没頭してるの? ねえ、私で良ければいつでも相談に乗るから」
 美由には、崇にフラれたことを話したから、心配をさせているみたいだ。手を止めた私は、笑みを浮かべて彼女を見上げた。
「ありがとう、美由。私は大丈夫だから。もちろん、ショックは大きいけど、これで仕事に打ち込める。今思えば、私の都合を二の次にして会いたいと言ってくる崇に、おかしいと思うべきだったのよ」
「それならいいんだけど。でも、本当に無理しないでね」
 美由はそれだけ言うと、オフィスを出ていった。彼女は知的でスラッとした美人。周りへの気遣いも抜群で、後輩からも頼りにされている。
 そんな美由が、私を心配してさりげなく残業をしていたことを、声をかけられて初めて気づいた。
 もし、私の仕事が早く終わりそうなら、話を聞こうと思ってくれていたのかもしれない。こうやって鈍いから、崇の二股にも気づかなかったのかな……。都合良く扱われていただけだと、どうして分からなかったのだろう。

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