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私がイケメン弁護士となんて、あり得ません!

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  • 作家神埼たわ
  • イラストリツキ
  • 販売日2017/09/29
  • 販売価格300円

詩織は長年想い続けた相手との交際が突然終わってしまい、傷心を癒すためにハワイに来ていた。そこで偶然出会ったイケメンと話が弾み、盛り上がった末に彼の泊まっている部屋へ……!? ところがバージンだと知った途端、詩織はベッドに置き去りにされてしまう。バスルームへ消えていく彼の背を見ながら呆然となる詩織。悔しさと悲しさで逃げ出し、ハワイ旅行は苦い傷を彼女の心に重ねたこととなった。帰国後出社すると、社内ではイケメン顧問弁護士の存在に女性スタッフたちが沸き立っている。同僚から柏木慶介と教えられたその人こそ、ハワイで出会った男!? 慌てる詩織に対し、柏木は執務室に来るよう上司を通じて命令してきて――?

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「あ……い、や……っ」
 私は今、大きなベッドの上で、自分らしくないことをしていた。
 二十五歳、南国へのひとり旅。今夜出会ったばかりの、名前も知らない男性とベッドの上、生まれたままの姿で重なり合っている。
「感じる?」
「え、あ」
「ここは?」
「……は、はい」
 彼のことが好きなのかと言われれば、わからない。
 品のある整った顔立ちに、スマートな会話。そしてどこか大人の魅力を感じるその仕草に、惹かれたのは事実だけど。今考えると、なにかの勘違いだったのかもしれないとも思えてくる。
 それでも……。
 敏感な場所に艶めかしい唇を当てられ、優しく攻められると、呼吸が次第に速くなった。
「ん、や……」
 私は淫らな声を上げていた。
***
 強引に課長に頼み込み、なんとかもらった有休で、私はハワイ行きを決行した。大学の卒業旅行以来、二度目の海外だ。
 急に南国へ行ってみたくなったのは、学生時代から六年間思い続け、ようやく付き合えた先輩に振られたから。
 卒業してから三年、先輩は突然私に付き合おうと言ってきた。もう、嬉しくて嬉しくて。夢を見ているのではないかと、何度も頬をつねってしまったほどだ。
 大好きな人と交わしたファーストキスはどこまでも甘くて。こんなに幸せでいいのだろうかと思っていた。
 しかし、悲劇はすぐにやってくる。
 偶然街で再会した高校のときの同級生に、彼を紹介したのがいけなかった。間もなく別れを告げられてしまう。
 天国から地獄へと、引き摺り下ろされた気分。これまでの人生で、一番悲しかった出来事かもしれない。
 私はしばらく立ち直ることができなかった。初めて会社を仮病で休んでしまったほど。
 キスから先へと進みたがる先輩を、拒んだのが悪かったのだろうか。素直に応じていれば、未だに幸福な時間は続いていた?
 絵に描いたように真面目で不器用、古い貞操観念に縛られた自身に、後悔だけが襲いかかった。
 だから私はそんな自分とは正反対の、開放的な南国に行きたかったのかもしれない。
──だけど。
 旅行シーズンではない十月、四泊六日の格安ツアーに女ひとりで参加しているのは私だけ。周囲は新婚旅行で来ているカップルばかり。
 それでもホノルル空港からツアー客を乗せたバスは、陽気なガイドの案内で観光ポイントや免税店を巡っていく。
 翌日からの自由行動にホッとした。ひとりでショッピングモールに行ったり、食べ歩きをしたり、プールで泳いだり。失恋気分はかなり晴れたものの、やがて私は時間を持て余してしまう。
 そんなとき、パラパラと捲ったガイドブックで、映画の一場面を切り取ったような素敵なバーラウンジ『シー・オブ・サマー』を見つける。
 超一流ホテルの最上階にある、別世界のようなそこへ、私はどうしても行ってみたくなった。
***
 唯一スーツケースに押し込んできた花柄のノースリーブのフレアワンピースに、ハワイで買ったばかりのピンヒール。
 うん、なかなかイケてるかも……。
 ストレートの長い髪を何度も梳かし、少しの背伸びに成功した私は、洗練された『シー・オブ・サマー』バーカウンターにひとりで座る。
「ハロー」
 目の前でお酒を作る金髪のバーテンダーが、英語で話しかけてきた。
「ハイ」
 と、気軽に返したものの、そのあとが続かない。速い英語で話されると、まったくといっていいほど聞き取れなかった。
 はあ……。
 英文科を卒業したが、仕事ではほとんど英語は使わない。いつしか忘れてしまったようだ。
 こんなことなら、勉強してくればよかった……。
 と、反省しながら、ブルーやピンクに色付いた強めのカクテルを、私が体内に流し込でいると──。

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