夢中文庫

一途で計画的な彼と溺愛ルームシェア

  • 作家如月一花
  • イラストnira.
  • 販売日2017/12/05
  • 販売価格400円

田舎から出て来た海野愛。乗り換えを間違え困っていると、母親から幼馴染の金井宗也とのルームシェアを勧められる。半強制的にルームシェアが始るが、部屋はぐちゃぐちゃ。光熱費や家賃を払わない代わりに、片付けたり家事をして欲しいと言われる。しかし、そんな部屋に不釣り合いなアイランドキッチンや、お揃いのマグカップなど、宗也には過去に同棲の相手がいたのではと問うも否定される。更に会社を辞めて欲しいと言われ、愛は必死に仕事に向かうがそこはブラック企業。落ち込むと宗也に励まされて家事をすることに。しかも宗也から甘く責められる日々も始まる。そんな中、宗也はマンション近くで女性を連れて歩いているのを見てしまう。

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ああ迷ったかもしれない、そう思ったのは新幹線を降りて人混みに流されながら到着した地下鉄に揺られて、それでもさっぱり自分の目的地に着かず、電車は終点に向かおうとしていたからだ。
 どうなるんだろうと思う気持ちと、このまま乗っていればまた来た所を戻るのではないかという考え、更には、なんとかなるかもしれないという安易な思いも浮かぶのだが、学生時代に何度も足を運んでいて、そんな簡単なことじゃないとスマホをタップした。
(どうすれば乗り換え駅に到着出来るの?)
 人も少なくなってきた車内で、海野愛(うみのあい)はため息吐きながら黙々と検索をした。
 自分が育った地域は単線で、地下鉄なんてない。
 車はひとり一台という地域だったし、愛が都内に就職をしなければ親も軽自動車を買ってくれたろう。
 住むところだって、愛の住んでいた地域と都内じゃ相場も違う。
 やっと見つけたワンルームは、都心から外れた私鉄沿線にある。
 地下鉄を何度も乗り継ぎ、さらに私鉄に乗り換えないといけないのだが、肝心の乗り換え駅で間違ってしまったのだから、自分でも情けない。
 愛があたふたしながらスマホを弄っていると、なんとか行き方が分かりすぐに次の駅で反対のホームに乗り換えることになった。
 こんなことでは先が思いやられる、そう思っていた矢先だった。
 スマホが鳴った。
 誰だと見てみれば、親からだ。
(何だろう。何か忘れ物かな?)
 スマホをタップして耳に当てると、母親がどこか慌ただしい様子で話し始める。
「どうかした? こっちは今慣れなくて、電話どころじゃないの」
「そう思って、幼なじみの宗也(そうや)くんのお家に住まわせてもらうことにしてもらったわ」
「はあ?」
 愛の素っ頓狂な声が響いた。
 静かにスマホを弄るサラリーマンやOL、買い物の女性などが訝しい顔をして愛を見てくる。
 しかし、すぐに視線はスマホへと向かう。
 愛の素っ頓狂な声を聞いても、誰も素知らぬふりが東京の常識だ。
 だからといって、こんな声をあげて良いわけではないのだけれど。
「どういう意味? 私は一人暮らしをするって決めて家を出たのよっ!」
 小さな声で母親に向かって言う。
 意味が分からないし、そもそも、幼なじみだって中学卒業以来会っていない。
 今は何をしているかも分からないし、どんな風に成長しているのかも想像も出来ないのに、いきなり居候などと非常識ではないだろうか。
「宗也くんのお母さんに相談したのね。そうしたら、是非、宗也くんと一緒に住んでくれっていうから。今、流行りのIT関連の会社の副社長らしいんだけれど、生活が荒れているらしいの」
「ふ、副社長!?」
 また愛の素っ頓狂な声がホームに響いた。
 さすがに恥ずかしくなり、ホームの隅に逃げるように歩き始める。
 記憶の隅に眠る金井(かない)宗也を思い出そうとするのだが、いつも勉強ばかりしていた印象で中学時代にはもう口も利いていなかった。
 勿論、年の差もあるのだが、仲良くならなくなったひとつの理由に宗也の進学の為の勉強があった。
 地域の一番の進学校に親が入学させたいらしく、宗也も熱心に勉強していた為、口も利かない程に疎遠になったのだ。
 その頃の愛は都会への憧れが強く、ファッション雑誌を見ては真似ていて、口を利かないくらいはどうということもなく、むしろ自然に離れていったと思っていた。
 でも、その後の宗也がどういう生き方をしたかは知らなかった。
 地元の大学を卒業した愛と違い、都内の大学に入学して卒業した、そのくらいは知っていたが。
「どうして副社長なんかに? 確かに、頭は良かったけれど……」
 愛はベンチに腰を下ろし、スマホを握り締めた。
 田舎から送った荷物は、もう借りてあるワンルームアパートに届いているだろう。
 早く向かいたいところだが、どうにも話がおかしな方向に向かいそうだ。
(まさか、本気じゃないわよね)

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