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強気な御曹司の盲愛~恋心は夢のあとで~

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  • 作家黒田美優
  • イラスト雪乃つきみ
  • 販売日2017/02/07
  • 販売価格300円

結婚に焦りを感じていた須田加奈子が参加したのは、仮面をつけたちょっと特殊なお見合いパーティ。顔もわからない、身分もわからない、そんな中加奈子が出会ったのは、ちょっと強引な男、水野陸。彼と話すうちにお酒も進み、酔った加奈子は、彼に手を引かれ介抱される──そして、いつの間にか眠ってしまった加奈子が目を覚ました場所は、ホテルの一室だった!
「俺がここまで手を焼いてあげたんだからさ。“お礼”してもらってもバチは当たらないよな?」
仮面を外した陸の自信に充ち溢れた瞳、有無を言わせない言動……年下なのに強気な彼に迫られ、激しいキスと甘美な言葉に翻弄された加奈子は……!?

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「はぁ……」
 バーのカウンターで誰にも聞こえないように溜息を漏らした。
 親友の美紀みきに誘われてお見合いパーティに参加したけれど、私はさっきから一人で飲んでいる。折角のパーティを全然楽しめていない。
 普段はどんなに誘われてもこういう所に行かないけれど、久しぶりに電話を掛けてきた美紀が必死に「今回のお見合いパーティは一味違うのよ! 絶対いい出会いがあるから!」と言うので耳を貸したのが間違いだった。
「どんな風に違うの?」
 私がそう聞き返すと美紀は「よくぞ聞いてくれた」と言わんばかりに声を弾ませた。
「仮面をつけて参加するお見合いパーティなの! 雰囲気たっぷりのバーを貸し切って、本当に気の合う人と好きなだけ語り合える! なにより仮面をつけてるからいつもよりも積極的になれそうじゃない?」
「仮面かぁ……。確かに面白そうかも」
「でしょ?」
 とんとん拍子に話が進み、美紀は私が何も言わなくても私の分まで手配をしてくれた。
 本当はそれほど仮面に興味を持ったわけではないけれど、ちょうどそういうことを考え始める時期だった。
 私は今年二十五歳になる。
 仕事は順風満帆。恋愛も、結婚も仕事がもう少し落ち着いてからでいいかなと、悠長なことを考えていた。だけど、今年に入り、友達の結婚式に呼ばれる頻度が増えてきてさすがに少し焦り始めた。
 冷静に考えてみれば、お付き合い出来る相手もいなければ、付き合えたとしてもすぐに結婚できるわけではない。子供が欲しいかは……今はまだ考えられないけれど、逆算して考えていくと(もしかして、のんびりしすぎた?)と急に焦りを感じ始めたのだ。
 焦りから参加したお見合いパーティは全然楽しくない。
 もともと内気な性格で人と比べると少しマイペースなところがある。
 一人で飲食店に入り食事することも苦痛ではないし、一人旅行にだって行けてしまう。仕事ではさすがに協調性を意識しているけれど、プライベートではそれが少し億劫おつくうだ。
 目元だけを隠すタイプの仮面にそっと触れる。美紀が〝積極的になれるかもしれない〟と言っていたが、〝暗い表情を隠す〟為のものに変わっていた。
(やっぱり来るべきじゃなかったなぁ。大体、初対面の人と何を話していいかわからないし……。美紀には悪いけど、もう一杯飲んだらこっそり抜けちゃおう)
 そう思って目の前に少し残ったカクテルを飲み干してマスターを呼ぶ。
「すみません。さっきオススメしてくださった〝楊貴妃〟をいただけますか?」
 マスターは物静かな人で「かしこまりました」と言って小さく会釈するとすぐに作りに行ってしまった。お酒がなくなると、また手持無沙汰になってしまう。少し酔いが回っているのか、ボーっと宙を見上げた。
「カクテル、好きなの?」
 不意に優しくて低い声に話しかけられた。
 私に話しかけられたのか半信半疑でチラリと顔だけ振り向いて見せると、私のすぐ後ろに背の高い男性が口元を緩めて立っていた。仮面から覗く瞳はまっすぐ私を見つめている。
 目元は隠れているが、それを除いてもアッシュゴールドな髪を後ろに流す仕草や、すっと伸びた鼻筋や、少し薄めの唇、綺麗きれいな体のパーツからどことなく素敵な男性の雰囲気を漂わせている。
「失礼ですが、私に話しかけてますか?」
「あなた以外にカウンターに誰か座っているように見える?」
 男性は皮肉混じりにそう言って笑って見せると「隣、座りますね」と言って、私の返答も聞かずに椅子に腰を掛けた。
 体勢を変えれば肘と肘が触れてしまいそうなほど席が近く、私は妙な居心地の悪さを感じた。
 タイミングよくカクテルが届き、ホッと胸を撫なで下ろす。
 スカイブルー色のカクテルに真っ赤なサクランボが映える見た目も楽しいカクテルに私はうっとりする。
「普段、お酒はちょっと飲むくらいです。特別酒豪ってわけではないですね」
 苦笑しながらカクテルを口に運ぶ。
 ライチの香りが鼻を抜けていく。甘くて飲みやすいお酒だ。
「ん~、美味しい」
「そんなにお酒が強くないなら、ソレ、飲みすぎない方がいいですよ。須田加奈子すだかなこさん」
 男性は顎でカクテルを指しながらそう言った。
「どうして私の名前……」
「プレートに書いてる」
「あ……」
 そういえばお店に入った時に仮面と一緒に配られたプレートに名前を書いたんだった。
 だけど目の前の男性はプレートをつけていない。
「陸りくっていいます。呼び捨てでいいよ。それより、俺の話聞いてた? そのお酒、あんまり飲みすぎない方がいいって。加奈子さん、さっきから飲みすぎ……」
「え。あ、ごめんなさい。あと、私も呼び捨てでいいですよ」
 少し不機嫌そうな彼に私が笑いながら謝ると苦笑された。
 多分、陸は話し方からして年下だろう。ところどころ敬語が抜けて、若さを感じる。
「そのカクテルは甘いけど、度数が高いから一緒に水を飲んだ方がいい。そんな飲み方してると泥酔して、変な男に持って帰られますよ。──マスター、チェイサーを一つ」
 そういうと陸はマスターからお水を受け取って、私が飲むように目の前に置いてくれた。
「あはは。心配してくれてありがとう御座います。でも、大丈夫ですよ。仮面つけててわからないかもしれないですが、私、結構いい歳の大人なので」
 見るからに年下に気を使われて苦笑する。
 そんなに頼りない大人に見えるんだろうかと気を落としながらも、陸に対して女性に紳士的な男性なんだなと好感が持てた。
(モテるんだろうな……。婚活なんかしなくてもよさそうなのに)
 彼から受け取った水を一口飲んで、ボーっと彼を見つめた。私が思っているよりも長い時間見つめていたのだろうか、彼に怪訝けげんな表情をされた。
「年齢とか関係ないとないと思うけど。って、もう顔が真っ赤……。大丈夫ですか?」
「え? あ、そうかな? あはは、大丈夫大丈夫」
 彼が心配して頬に触れようとした手を体勢をずらしてよける。自分でも首元を触ってみるが確かに熱く、結構酔っているみたいだ。まだ氷が残っているグラスを首筋に当てる。

ご意見・ご感想

編集部

まわりの友人が次々と結婚していく──そんな年齢25歳。
自分だけが取り残されるような気がして、気持ちだけが焦っていく…
今作のヒロイン・加奈子さんもそんな気持ちを抱えながら、
友人に誘われた、仮面お見合いパーティーに参加するのです。

しかし、仮面をつけても積極的にはなれず、早くもパーティに参加したことを
後悔していた加奈子さんの元にある男性が近づいてきます!

最初は紳士的だったその男性の語気は次第に強まり
ついには少々強引にパーティ会場から連れ出され、そのまま彼と一夜を共にしてしまうのです!

一夜だけの甘美な関係、
あれは夢だったのかもしれない……
思い出すたびに蘇る官能……熱い指先……

恋に臆病になった加奈子さんは強気な御曹司の手ほどきで、愛される歓びを知っていく……?

肉食系男子が見せる、母性本能をくすぐるようなギャップもお見逃しなく☆(>ω・)

2017年2月7日 11:10 AM

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