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溺愛し過ぎる彼の気持ちに気づいたら

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  • 作家黒田美優
  • イラスト白峰早菜
  • 販売日2017/03/24
  • 販売価格300円

気分転換に俺と一緒に住んでみるのってどうかな?──失業してしまった安藤杏子が向かったのは、楽しい思い出が詰まった母校だった。
嫌なことがあった時、落ち込んでしまった時、癖のように足が向いてしまうその場所で、初恋の人とその親友吉永雅臣に再会する。
変わらない初恋の先輩の姿に胸を高鳴らせる杏子だったが「結婚して子供もいる」ことを告げられてしまう……。
ショックを受ける杏子を気遣い、声を掛けてくれた雅臣先輩。改めて飲み直しながら、優しく慰められ、本音をこぼす杏子。
そんな彼女に、雅臣は思いもよらぬ提案をしてきて……!?
甘やかされて尽くされる期間限定の同居生活──優しさの意味に気づくとき、恋が始まる。

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「杏子(きようこ)ちゃん」
 まどろみの中、誰かが私を呼ぶ。
「きょーこちゃん、起きないの?」
 楽し気に私の名前を呼ぶ。どこかで聞いた事がある声だと思う。誰だっけ。
「ねぇ……?」
 声の主が、私の頬に触れる。
 とっても眠くて、おまけに気分も悪くって、瞼(まぶた)は開けられそうにない。私の頬に触れていた手は髪に移り、頭を優しく撫(な)でている。なんだか気持ちいい。それにとっても安心する。
 だけど、その手もゆっくり私から離れていった。名残惜しいと思っていると、唇に柔らかい感触があった。
 もしかして、キス……? そう思って目を開ける。
 目の前に、雅臣(まさおみ)先輩の顔があった。けれど、私を覗き込んでいるだけだ。
「あ、起きた」
 どちらかというと可愛い顔をしている雅臣先輩が、嬉しそうにニコッと微笑んだ。
 キス……されたと思ったんだけどな。どうやら私の勘違いだったみたい。
「お、おはようございます」
 重い瞼を擦り、上体を起こすと頭がズキリと痛んだ。
 昨日の記憶が曖昧だ。こめかみを押さえていると、雅臣先輩が心配そうに大丈夫? と言ってベッドに腰かけて背中を擦ってくれた。
「す、すみません。私、多分、昨日飲みすぎちゃったんですよね? ごめんなさい。先輩に迷惑掛けませんでしたか? 昨日の事、全然覚えてなくって」
 もうすでに先輩の家に泊めて貰って、介抱されて、迷惑をかけまくっている気がするけれど、記憶のない間に、もっと酷い事をしていないか気になって仕方がなかった。
 先輩は相変わらずニコニコ笑いながら「そうなんだ? 全然大丈夫だよ。とりあえず、気分悪いならお水飲む?」と言ってくれた。でも、肝心なところは答えて貰えていなくて少し慌てた。お水を持ってこようと立ち上がった先輩の袖を掴む。
「ありがとうございます。お水、飲みます。それより、私、本当に迷惑かけてませんでした?」
「ちょっ……」
 あまりにも勢いよく引っ張ってしまったせいか、先輩が体勢を崩した。私の膝の上に先輩が仰向けに倒れ、私を見上げている。その顔はみるみる真っ赤になって、すぐに立ち上がった。
「と、突然引っ張ったら危ないでしょ!」
「す、すみません」
 振り返った先輩が口をムッとさせる。
「迷惑っていう迷惑は掛けられてないけど、昨日の事、覚えてないのは悲しいな」
 先輩はそう言って、寝室を後にしてしまった。
 先輩の少し悲しそうな表情に少し罪悪感を覚えた。それでも、昨晩の記憶を思い出せなくて、腕を組み、小首を傾げる。
「あー……全然思い出せない……」
 そう、確か昨日はむしゃくしゃして、母校へ戻ってきたのだ。それははっきり覚えていた。

ご意見・ご感想

編集部

今作のヒロイン・杏子ちゃんがむしゃくしゃした心を治めるためにやってきたのは、
人生で一番楽しかった場所……卒業した高校
懐かしい思い出に慰められるように校内を歩いていたら聞こえてきたボールの跳ねる音──

そこで遭遇したのは、なんと初恋の先輩
友達とバスケをする先輩の姿に昔と同じように胸をときめかせていたのに……
「実は俺さ、結婚したんだ。それに赤ちゃんも」
その事実にショックを受ける杏子ちゃん
仕事もうまくいかなくて、失恋もしちゃって……(泣)

しかし、傷ついた杏子ちゃんを助けてくれる存在がすぐ近くに!

それは初恋の先輩の友達・雅臣さん
彼から提案されたのは、気分転換を兼ねた同居生活……?!

掃除洗濯料理すべて難なくこなす雅臣さんは
包み込むような優しさで杏子ちゃんを甘やかしてくれるのです

仕事、人間関係……日常生活ですり減った心
そんな時に現れた癒しの存在と至れり尽くせりな状況に、羨ましさ満点です(*/▽\*)

2017年3月24日 11:29 AM

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