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豹変副社長はけなげな乙女に恋を教える

  • 作家黒羽緋翠
  • イラスト繭果あこ
  • 販売日2017/03/10
  • 販売価格400円

「おまえはいつでも俺に狙われているんだ。そのぐらいはわかっているんだろう?」幼い頃から副社長である弓弦に恋をしている萌子。十歳も年上の弓弦にとっては妹のような存在でしかなかった。そんなある日、弓弦と秘書の噂を聞いてしまい「好きな人ができたから、恋愛を教えて欲しくて……」と捨て身で引き止めようとする。しかしその言葉を聞いた弓弦が豹変し、強引なキスをされてしまう。彼の豹変ぶりが怖くてたまらない萌子。だが、事情を聞かれて精一杯の思いを打ち明ける。それを聞いた弓弦に「萌子は俺だけを信じていればいい」と言い放たれ、大人の恋愛を教えてもらうことになる。しかし、噂は消えず、萌子は不安になってしまい…。

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「萌子(もえこ)、早く総務課に帰らないと課長に叱られるよ」
 資料室の整理を終えて総務課に戻る途中、木下(きのした)萌子は同期で親友の星川(ほしかわ)千絵(ちえ)からそんな声をかけられ、我に返る。
 自分では意識していなかったつもりなのに、どうやら目が勝手にあの人を探していたらしく、うつむくことしかできない。
「副社長を探していたのかな?」
「ちっ、ちがっ……」
「真っ赤な顔をしちゃって……。本当に萌子はかわいいんだから」
「ちっ……千絵ちゃんっ!」
 からかうような千絵の言葉に顔を上げた瞬間、眉目秀麗の美しい男性がこちらに歩いてくるのがわかり、萌子は息を飲む。
 物心がついた頃から好きでたまらなかった人は、いつ見てもかっこいい。
「噂をすれば副社長の登場だね」
「ち、千絵ちゃん、声が大きいよ」
 あっけらかんと言い放つ千絵に動揺して、聞こえていないか心配になりながらも、歩いてくる彼に視線が釘付けになる。
 一ノ瀬(いちのせ)弓弦(ゆづる)三十二歳。
 父親の会社である『一ノ瀬産業』の副社長であり、萌子の家と弓弦の実家が隣同士の幼なじみだった。
 そこで萌子に気づいたらしい弓弦が、萌子たちに近づいて来る。
「こんなところでなにをしてるんだ? 萌子」
「ふっ、副社長!?」
 突然、弓弦から声をかけられた萌子は、千絵との会話を聞かれていないか不安になる。
 いくら幼なじみであるとはいえ、十歳も離れた弓弦に自分の思いを打ち明ける勇気はない。
「課長から頼まれた資料室の整理をして、いま部署に戻ろうとしていたところです」
「おまえも大変だな。なんなら俺の秘書にしてやろうか?」
「秘書の資格なんて持っていないし、それに副社長室勤務なんて荷が重すぎます」
 この春、短大を卒業して会社に入社したばかりの萌子が、副社長の秘書に抜擢されるなどありえないと思いながらも丁重に断る。
「残念だな。おまえさえ頷けば、秘書にしてかわいがってやるのに」
「そんなことを言っていると、また杉田(すぎた)さんの機嫌が悪くなっちゃいますよ?」
「別にあいつの機嫌なんかどうでもいいだろう」
 萌子の口からあゆみの話をされたのが気に入らないのか、弓弦は小さく舌打ちをする。
 どうして彼女の話題になると、あからさまに不機嫌になるのかわからず、萌子は首をかしげた。
「それよりも透(とおる)にコキを使われたら俺に言えよ。すぐに秘書にしてやるから」
 そう言いながら頭を撫でられ、自分は妹でしかないと思い知って悲しくなる。
 十歳も年が離れているうえに、小さい頃から当たり前のようにそばにいたのだから、それもしかたがないことだった。
「じゃあな、萌子。仕事、がんばれよ」
 耳元で甘くささやかれただけで、心臓がうるさいほど高鳴ってしまう。
 妹でしかないと思い知らされたあとでそんな行動をされてしまえば、どうしていいのかわからずに立ち尽くすしかない。

ご意見・ご感想

編集部


幼い頃からずっと好きだったあの人…
この人以外を愛するなんて考えられない!

想うだけなら簡単
難しいのは、報われない気持ちを想い続けることが出来るのか…
大好きなのに、女と見てもらえない
こんなに近くにいるのに、彼には女性の噂がある

どんどん大きくなる気持ちを必死に押さえつけるけれど……?

まさに萌子ちゃんは健気の化身です…!
昔から弓弦くん一筋で、年の差をコンプレックスに思いながらも、
少しでも一緒にいたくて、なんでも頑張れてしまう女の子です!
その恋心は弓弦くんの全ての幸せを受け入れようとするのですが…

豹変する弓弦くんはもちろん見どころです!
何もかも完璧に見える男の意外な一面を垣間見ることができ、
キュンキュン間違いなしでございます!

愛する人の「信じて」を、あなたは無条件に信じることができますか?
萌子ちゃんの答えは、是非本編でお楽しみ下さい!
大人の女性に憧れるヒロインの、初恋ラブストーリー♪
ぜひお見逃しなく(*^^*)

2017年3月10日 9:32 AM

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