夢中文庫

彼の指先をひとりじめ~いじわる王子の甘い誘いに引き寄せられて~

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  • 作家マイマイ
  • イラスト雪乃つきみ
  • 販売日2016/04/18
  • 販売価格400円

「今夜、梨乃さんの家に行っていい?ここじゃダメなんでしょ?」誕生日なのに何も予定がない週末の夜。疲れた気持ちで帰ってきた月丘梨乃の目に、一枚の広告に書かれた文字が飛び込んできた。『あなたの心と体を癒します』普段なら気にも留めない、でもちょっとくらい自分のために贅沢してみたい……。訪れた店のお洒落な雰囲気、ずらりと並べられた『キャスト』と呼ばれるイケメン達の写真。戸惑う梨乃の担当についたのは年下の『ユウ』だった。優しく丁寧な物腰と指遣いに少しずつ梨乃の心と体はほぐされていく。「家ではワガママなんて許さないよ。覚悟してね、梨乃さん」店での仕事を終えて部屋を訪ねてきたユウは態度を豹変させ――


 すらりとした長い指先が、薄桃色の乳首をそろりそろりと撫でていく。
 その甘美な刺激に、月丘梨乃(つきおかりの)は白い背中を大きく反らせた。
 ぷっくりと丸く膨らんだ乳頭が、わずかな刺激も逃さずに吸収して肉体の芯を震わせる。
 指の動きは、まるで壊れやすいガラス細工を扱うようだった。
 ゆっくりと、どこまでも丁寧な愛撫。
 平気なふりをしていたいのに、とてもじっとしていられない。
 じんじんするような熱い痺れが、胸の先から腰のあたりにまで流れ込んでくる。
 前をはだけられていたシルクのガウンが、するりと肩から滑り落ちた。
 まだ触れられてもいない両脚の間は、すでに温かな蜜液でたっぷりと潤っている。
 だめ。
 やっぱり、恥ずかしい……。
 頬を赤く染めてうつむく梨乃に、彼が優しく語りかけてくる。
「今日もお仕事だったんですよね? 僕もなかなかお休みが取れなくて……」
「先週よりもお肌の調子が良いようですね。梨乃さん、何か楽しいことでもありましたか?」
 穏やかな世間話。
 笑いを含んだ甘い声が耳を素通りしていく。
 話の内容が少しも頭に入ってこない。
 指先が小さな円を描きながら、乳房の周囲をなぞっていく。
 その動きにすべての神経が集中する。
 じれったい。
 もっと強引に触れられたい。
 だけど……。
「どうかなさいましたか? お顔が真っ赤ですね……少し休憩してお水でもお持ちいたしましょうか」
 吐息が耳元にかかった。
 どきん、どきん、と胸が高鳴る。
 本当にこの子は嘘つきで意地悪だ。
 顔が赤い理由なんて、聞かなくてもわかっているくせに。
 可愛らしい羊の皮を被った獰猛(どうもう)な狼。
 心配そうな表情をしてみせる彼の裏の顔を、梨乃は嫌というほど知っている。
 緊張と興奮を押し殺して、梨乃は目も合わせないまま呟(つぶや)いた。
「な、なんでもない……黙って続けて、ユウ」
「かしこまりました。何かございましたら、いつでもおっしゃってくださいね」
 無愛想な梨乃の言葉に気を悪くした様子もなく、ユウと呼ばれた青年は愛嬌のある笑顔で応じた。
 ある女性向け風俗店の一室。
 室内はワンルームマンションを模した造りで、白を基調とした小奇麗な家具が揃えられている。
 清潔感のある部屋の奥には、高級感漂う大きなベッド。
 店にやってきた女性客たちは、まず『キャスト』と呼ばれる男性店員たちの中から好みの相手を選ぶ。
 そしてこの部屋で疲れを癒すためのマッサージを受け、気分が乗れば彼らと二時間の疑似恋愛を愉しむ。
 マッサージと会話だけで終わる場合もあれば、合意の上で体の関係に発展する場合もある。
 すべては店員と客との自由意思であり、仮にそこで男女の行為があったとしても店側は関知しないという建前だ。
 ユウはこの店のキャストのひとりで本名を仁科裕(にしなゆう)という。
 店では『ユウ』という呼び名で通している。
 そして梨乃は、少し前に偶然この店を訪れた客のひとりだった。
……こんな店、二度と来ないと思っていたのに。
 梨乃は静かに顔を上げ、ベッドサイドに置かれた巨大な鏡に目をやった。
 そこには、いまにも泣き出しそうな顔をした自分の姿が映っている。

ご意見・ご感想

編集部

年上梨乃さんの“平凡な日々”へのうんざり感…同感!
誕生日くらい自分のために贅沢してもいいよね…激同!

ドギマギしながら年下ユウに導かれてゆく様子にこっちがドキドキ(*゚O゚*)

優しいユウにも、素を見せて梨乃さんを虐める「裕」にもどっぷり
ハマり込んで、いつの間にかあなたがイジめられているような気持ちに…(喜々)
それがマイマイ様マジックです!!!
じっくりガッツリご堪能下さいませ(。-ω-。)ノ☆・゚:*:゚

2016年4月18日 4:26 PM

マイマイ

編集部様 素敵なコメントありがとうございます。
相変わらずTLとアダルトの間をうろうろしておりますマイマイです~。

とにかく「心も体も癒されたい!!」そんな思いで書かせていただきました。
大人の恋は体から始まるものだと常々思っていますが。
今回は恋どころか出会いも体から始まっています。
お店の中では優しく癒され、お店の外では激しく愛される。
可愛らしい面もありながら実はドSなユウくんとの甘くエッチな時間を、
お楽しみいただけましたら幸いです。

今回も襲われたり縛られたり××したり、そっち方面の描写もがっつりありますので、
そういうのが大好きな大人女子の皆様、ぜひぜひ。

2016年4月18日 8:11 PM

編集部

マイマイ様!!!
コメントまでも流れるようで、それでいて思わず立ち止まってじっくり読みたくなるような…
ステキ過ぎる文章を有難うございますヽ(゚▽゚*)

>××したり

はいっっ!!
××の内容をぜひ皆様の目で確かめて頂きたい♪です!!

2016年4月18日 8:25 PM

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