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愛寵後宮物語~略奪王子と囚われの踊り子~

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  • 作家三木若菜
  • イラスト結日
  • 販売日2017/05/09
  • 販売価格500円

ファインデール王国の末姫・アデリーナは、不思議な力を持ち、『最果ての森』の神殿に巫女として仕えていた。ある日「もうすぐこの森に厄災が訪れる」と告げられた彼女たちは、カルタッラ王国の王子・アシードに襲われてしまう。女官たちの決死の抵抗でなんとか逃げきったように見えたアデリーナだったが、逃げ延びた先、踊り子の奴隷として売り物にされる。ショックからか記憶と声を失ってしまった彼女の前に、あの王子が現れて―!?凶暴だと言われる彼は「二度とお前を逃がさない」とアデリーナを後宮へ連れ込み、甘く激しく求めてきて…。砂漠の狂王子・アシードと運命に翻弄される踊り子・アデリーナのファンタジックヒストリカルロマンス!

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最果ての森にて
 決して温暖ではない気候のファインデール王国で、常に緑を湛えた不思議な一帯がある。
 立派な常緑樹が林立している森の奥に、その神殿はひっそりと建っている。
 白い石を隙間なく組み上げて建てられた四角い神殿は、『ファインデール建国記』によると、この王国ができるよりも昔からそこに建っていたらしい。
 誰がどうやって建築したのか全く分かっていないが、数百年以上の時を経てなお、崩れることなく建っている。
 この神殿、周囲の緑と相まって優美で神秘的な姿であるが、同時に威圧感も備えている不思議な神殿だ。王都に大神殿ができる数年前までは、ここで大小さまざまな王家の祭祀を執り行っていた。そのため、王や皇后、その子どもたちまでもが滞在することも多かった。その時に快適に滞在できるように増改築が重ねられ、今では贅をこらした内装になっている。
 神殿の裏に出て、道なき道を進んでいくと、そこには小さい泉が姿を現す。その傍らには、黒い小さな祠がある。
 一説によるとそこに青い髪の女神が住んでいるという。彼女こそが、ファインデール王国のはじまりになった女性であり、その女神に仕える巫女と女官たちが、この神殿に住んでいる。
 その巫女であるが、この国の王侯貴族の血を引いた女性が代々就任する。それも、未婚の娘たちの中から占いによって選ばれるしきたりで、その巫女に結婚の話が持ち上がるか二十歳を過ぎると、退位が許される。
 現在の巫女は、アデリーナという。
 今年の春に十六歳になったばかりの、国王の末娘だ。卵型の輪郭にはっきりした目鼻立ちの美貌の持ち主である。
 そして、珍しいことに彼女の髪の毛は銀色だ。そのため彼女は「銀の姫」とも呼ばれている。
 彼女は、幼い頃から不思議な力を秘めている姫君だった。王族として神殿に参拝するたびに、予言めいたことを口にし、それがことごとく的中してきた。
 例えば、長兄・ファーリャ王子の結婚相手出現を預言したのは、アデリーナが四歳の時だった。
 アデリーナの成長を神に報告し終えた一同が神殿から帰ろうとした瞬間、それまで無邪気に微笑んでいたアデリーナが突然、動きを止めた。
「アデリーナ? どうした?」
「父さま……みえました」
「何がだね?」
「にいさまのお嫁さまになるのは、金の髪の王女と黒い髪の王女の二人です」
 王は、末娘の前に片膝をついてその目を覗き込んだ。
「アデリーナ、その王女たちは、どこから来るのか見えるかな?」
「えっと……二人とも、とても遠くから来ます……。金の髪の王女は海の向こうから、黒い髪の王女は山を越えています」
 アデリーナ以外の人々は、思わず顔を見合わせた。
 近々、後宮で大規模な舞踏会を開くことが内定している。それはもちろん、ファーリャ王子の妃となる女性を探すためだ。だがまだ、招待状の一通も出してはいないし、幼いアデリーナにそのことを説明する者がいるはずもない。
「アデリーナ、その二人だけが、来るのかね?」
 違います、とアデリーナは首を横に振った。
「たくさんの、王女や姫君が、来ます。良い人も……あっ!」
「どうしたんだね?」
「……ファーリャにいさまを殺すように命じられて、海を渡ってくる姫君が……」
 アデリーナは真剣な顔で父の衣を握った。
「よく見てくれたね、アデリーナ。警備は厳重にしよう。また何か見えたら、教えてくれるかな?」
 はい、とアデリーナは頷いた。王と王妃はかわるがわる、娘を抱きしめた。
 そして、舞を神に奉納する『舞姫』を務めた七歳の時に、神の声を聞いたと言い出した。
 そんな彼女の言葉に従って戦を起こせば確実に勝て、彼女の悲鳴に従って兵を引けば損害は最小限に抑えられた。
 さすがに不気味がる大臣たちもいて一時は王都から遠ざけられていたものの、巫女として選ばれたのが、八歳だった。
 それ以来、この『最果ての森』で数人の女官と一緒に静かに暮らしている。
 敬虔(けいけん)な巫女である彼女は、キトンと呼ばれる昔からこの神殿に伝わる衣装を身に纏っている。歴代の巫女が、それなりに派手に暮らしたのとは対照的である。
 布を裁断していないのが特徴で、長方形の一枚布を折って体を挟み、肩の部分はピンやブローチで留める。腰のベルトや帯、腰ひもで丈を調整することができ、構造はシンプルなものだが余った布が優雅に見える。
 アデリーナはこれの上に、腰までの長さがある白いケープを愛用している。
 これといった装飾品は身に着けていないが、国王の末姫らしくキトンの素材は上質なもので、ブローチやペンダントにも高価な石が使われている。
「こんな高価なもの……わたくしには不釣り合いだわ」
「いいえ、我が国の姫君ですから、それなりの物を身に着けていただかねばなりません。他国の者に侮られます」
 そんなものかしらね、と、アデリーナはため息をそっとついた。

ご意見・ご感想

編集部

「逃げた……? 逃げたのか! 俺の手から、逃げやがった!」

巫女のアデリーナちゃんはある夜、砂漠の狂王子・アシード様の略奪にあい、
命からがら逃げ出すことになってしまいます…

乱暴な言葉と、自分を暴こうとした強引な手…
しかしどこからか伺えるアデリーナちゃんへの執着…

懸命な逃亡に成功したアデリーナちゃんでしたが、
心労の果に記憶喪失になってしまい……(;_;)
挙句の果てに奴隷として売り払われ!?
踏んだり蹴ったりのところにもう一難!
なんと、商品として見世物にされていた彼女の元へアシード王子が再び現れ…!

念願のアデリーナちゃんを手に入れた狂王子
でもその瞳には、以前のような残忍さは失せているようで…?
本来であれば決して交わることのない二人の心…
果たして彼らの行末は…!?

ぜひお楽しみ下さい(*^∀゚)☆

2017年5月9日 9:33 AM

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