夢中文庫

引越し屋さんに襲われた私 ―荷物の中の大人のオモチャを試されて―

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  • 作家深志美由紀
  • イラスト雨野森
  • 販売日2012/11/30
  • 販売価格200円

「ねえ、これで、何を挟むの?」「……ち、乳首よ……」―三年間一緒に過ごした涼と別れることになった芽衣が頼んだ引越し屋は、若く逞しい山本と鈴木だった。新居についたとき、積荷のダンボールの中身の確認を迫られる。それは、涼が彼女を愛するときに使った玩具の数々―無遠慮に責め具を使い出した彼らの行為に、抗うすべもなく妖しい感覚に身体は反応してしまい、快楽の雫が溢れ出す。ついに…作業服のファスナーが下ろされた!!

こんちはー。じゃあ、お荷物運ばせていただきまーす」

青い制服を着た引越し屋の男の子が、軽い調子でそう言いながらダンボールを持ち上げた。

長い髪を無造作にひとつに束ねた、彫りが深くて妙に顔が良い若い青年だ。引越し屋は彼を入れて二人。あまり多いとは言えなかった私の荷物は、逞しい彼らの手であっというまにトラックへと積まれてしまった。

「じゃあ、私行くからね。りょう

半分だけ家具のなくなった2LDKのベランダで、涼はタバコを吸っていた。これで最後だというのに悲しくもなさそうな、平気な顔をしている。

「ああ、気をつけて。バイバイ」

それどころかいっそすがすがしいような笑顔で涼は私に手を振った。ずきんと胸が痛むのを、私は無視してきびすを返す。

涼とは同じ歳で、二十六歳から約三年間一緒に住んだ。三十歳を目前にしての別れは私にとっては酷い痛手だが、彼にはそうでもないようだ。私が出て行ったらすぐに、会社の後輩とかいうあの若い女を部屋に連れ込むのだろう。

私は込み上げそうな涙を精一杯に飲み込んだ。

エレベータを降りて駐車場に出ると引越し屋さんのトラックが停まっていた。これから荷物を運んでもらって、私も新居へ向かわなくてはいけない。荷物と一緒に乗っていけたららくちんなのだが、そういうわけにも行かないだろう。

「あのー、私、電車で向かいますのでちょっと遅くなるかもしれません」

私は先ほどの長髪の男にそう声を掛けた。名札には山本やまもとと書かれている。

「あ~、電車なんですか。新居のご住所は駅から離れてますよね」

山本さん、はそう言ってちょっと顔をしかめた。ここから新居へは電車で三十分は掛かる。

「じゃあ、良かったら一緒に乗って行きませんか? 本当はダメな決まりなんですけど、向こうで待つのも時間のムダなんで」

「え、良いんですか?」

(ラッキー!)

私は渡りに船とばかりに三人掛けのトラックの助手席へと乗り込んだ。まさかそれがあんなことになるなんて、思いもしないで―。

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