夢中文庫

身勝手な誘惑

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  • 作家乃村寧音
  • イラストまろ
  • 販売日2016/07/05
  • 販売価格400円

彼氏いない歴の長い保育士・恵(めぐみ)は友人にお願いした合コンに参加するも、華やかな女子達の中で場違いな自分にもう帰りたい気持ちでいっぱい。そんなとき、目の前の席に座ったのは黒髪眼鏡のイケメン理系男子の谷本(たにもと)。「今は彼女はいらない」という谷本に、恵は自分から望んで一夜を共にしてしまう。その日限りと思っていたのに、忘れ物をきっかけに結局また会ってしまう恵。身勝手な誘惑をしたのは自分だけど、ちゃんした彼氏が欲しかったのに……。このままじゃセフレにされちゃう! 戸惑う恵の気持ちをよそに、彼は体調を崩した恵のお見舞いに来てくれたりと優しくて……。一夜の過ちは永遠の愛に生まれ変わりますか?

男といえば六歳まで。愛の告白も、プロポーズも、六歳までの男子にならば何度もされたことがある。
『せんせえ、ぼくがおとなになったらけっこんしてください』『ぼくいがいのひととぜったいにけっこんしないでね。ぼくがむかえにくるまでまっててね』
 可愛かったあの子たちは今頃小学生。もうわたしのことなんか忘れているだろう。もちろん、それでいいんだけど。
(だって、保育士なんだもん。これでも職場じゃけっこう、モテてるんだけどね……。園児が相手ならってことだけど)
 わたしは、今日、合コンに来ている。
 こういうの、めちゃくちゃ久しぶりだ。一体何年振りなのかもわからないくらい。短大時代に一、二度くらい、あったかなぁ。
 今年二十五歳になる。彼氏……は、ここ四年ほどいない。要するに就職してから、ほぼずっといない。
 場所は丸(まる)の内(うち)のビル街の中の、お洒落(しやれ)なイタリアンレストランだ。目の前にはスパークリングワインが鎮座している。しゅわしゅわとした泡がきれいで、他に見るものもないのでついそんなものをボケっと見てしまう。
 少しでも可愛く見せたいと思って、この日のために用意した新しい服なども着てきてみたが、そんなことはあまり、というかほとんど関係無かったようだ。一緒に来た他の女の子たちの服装のほうがよほど華やかで、かつ大人っぽく、色っぽい。今どきのきれいなお姉さんたち、って感じだ。メイクも垢抜(あかぬ)けている。どうやったらあんな風になるんだろう。陶器のようなお肌にパッチリおめめ。髪の毛も、こんな梅雨時期なのに広がりもせずきれいなカールを維持している。
(完全に、ビリだな……。この中じゃとりあえず、ダントツのビリ。わたし、地味過ぎ……)
 大人になった男子たちには、丸顔のわたしの魅力は通じないらしい。いないものにされているようなこの感じ……。『せんせえ、せんせえ』と甘えてくる園児たちが恋しかった。
(まぁでも、仕方ないよね)
 さっきトイレに立ったときに冷静に自分を眺めてみたが、普段は裸で過ごしている犬が慣れない服を着て化粧までしている、という感じしかしなかった。
 この場に来ている他の四人の女子は丸の内勤めで、おそらく毎日のようにあれくらいのレベルのお洒落具合で出勤しているのだと思う。要するに、板についているのだ。服装やメイクの上手い下手だけが原因じゃない。最初から立っている位置というものが違うのだ。
 五対五の合コン。わたしなんかが混ざってしまい申し訳ないという気持ちしかなくなり、とりあえず小さくなっていた。時計の進むのが遅いこと……。地獄の釜で煮られている気分だ。
 それにしても同世代の男子たち、それもけっこう学歴だの年収だののレベルが高い男子を一度に五人も目の前にするのは初めてに近い。これまた華やかなメンツという感じ。
 何やらビシッとした高そうなスーツを着こなし、会話も洗練されている。というかニューヨークの話題には、わたしはついていけないんですけど……。

ご意見・ご感想

編集部

毒にも薬にもならない――
なーんて、自嘲気味に一人心の突っ込みを入れている恵ちゃん……

でも実は、自然と毒を吐き合いながら(笑)本音トークを繰り広げる谷本さんとの
ぴったりフィーリング感満載な雰囲気、読んでいるこちらの顔が思わず緩んじゃいます(〃^∇^)

↑↑すっごくナイステンポなお二人サマですので、ぜひお読み頂きたいっっ☆

強引なようで丁寧で、
ウマ過ぎるのにどこか切なくて、
そんなつもりじゃなかったのに

身体が先につながっちゃった妙な関係と割り切れない気持ちを抱えた二人……

絡まった糸がほどけていくような素敵なラスト、
ハッピーオーラを皆様も浴びまくって下さいませーーー♪♪♪

2016年7月5日 8:01 PM

乃村寧音

編集様……素敵なコメントありがとうございます!

今回の作品は、何というかですね……最初に想像したよりも、長くなったと言いますか、
二人が勝手に(?)いろいろと動いてくれて、エロきゅんパートも自然に!盛り上がってしまい^^
最後も、ほんとにほんとにハッピーになってくれて、書いたわたしも
「お幸せに!」
と嬉し涙で見送りたくなるくらいの……作品になったなぁと思います。

ぜひ、読んでください!

2016年7月7日 6:29 PM

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