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先生、そんなこと言わせるの……? ―新人編集者のエッチなおしおき研修―

  • 作家桜井真琴
  • イラスト
  • 販売日2012/9/28
  • 販売価格200円

「すんごいシミ…。ぐちゅぐちゅして気持ち悪いでしょ」パンティサイドに指をかけられ、一気に引き抜かれる。裏返してクロッチ部分をじっくりと見つめられ、くんくんと嗅がれ――出版社に勤める春野彩は、自作のキャッチコピーが盗作だと売れっ子作家の神崎に咎められた。作品を書き続けてもらうためには、社命で神崎の言うことを受け入れなければならない。執筆の小部屋で、社内の編集会議で、ねっとりとしつこく淫靡な魔手が…

「ふうん。彩ちゃんって、意外と色っぽいブラジャーつけてるねぇ。黒なんて」
春野彩はブラウスの胸元を手で押さえ、神崎をにらんだ。コーヒーカップをテーブルに置いたとき前屈みになったから覗かれたのだろう。
神崎はヒヒッと薄気味悪く笑うと、彩の煎れたコーヒーをうまそうにすすった。
「でもさぁ、窮屈でしょ。そんなの付けて。僕の前ではノーブラでいいよ」
「……はい」
彩は冷ややかに返事をする。いっときだってこの不快な男と一緒の部屋に居たくなかった。足早に書斎から出て行こうとしたときだ。
「おっと。どこ行くの? ノーブラでいいっていったじゃない。早く外しなよ」
神崎はソファに腰掛けたままニヤリと笑い、股間のモノをさすっている。
(この変態!)
彩は胸奥で吐き捨てた。寝癖のついたぼさぼさ頭にメタボ気味の体型。厚底眼鏡に、煙草のヤニでついたのだろう、黄ばんだ前歯。
これでまだ三十歳。彩よりたった四つ上とはとても思えない。ひとまわりはゆうに離れていそうな雰囲気なのに、しゃべり方は甘ったるくて、気持ち悪さが倍増する。
(今日だけ……今日だけよ)
彩は細フレームの眼鏡を指で押し上げると、いっそう厳しい顔をして、ジャケットの前ボタンに指をかける。
細身のグレーのパンツスーツを着た彩の身体に、神崎のねっとりした視線が絡まってくる。彩は気にしないようにして、ジャケットを脱いで足元に落とした。
白いブラウスに浮き出たふたつのふくらみをじっくりと眺められる。高校を卒業してから急激に成長したバストは、彩にとってコンプレックスの塊だ。
仕事先でも会社のなかでも、男たちが大きくせり出したバストにいやらしい視線を投げかけてくることがある。真面目そうな雰囲気と巨乳のギャップがそそる、と酔った同僚にからかわれたこともあった。
そんなときにも彩は顔色ひとつ変えず、顔を赤らめることもせずに、ひたすら普段通りに接したから、いつの間にか「真面目すぎておもしろくない」というレッテルを貼られた。
そんな日々だから、いやらしい視線は慣れっこだった。ところが。こんなに無遠慮にジロジロと見つめられると、さすがの彩も頬を赤く染めてしまう。
(いやだ……こんなの……)
彩は下げた手でスカートの生地を握りしめて、耐えた。
「す、すごいな……何カップゥ?」
神崎の声が上ずっている。もしかして、この人、童貞なんじゃないだろうか。モテないから、きっと、こんなふうに女性を蔑むのだ。
「ねぇぇ、答えてくれないのぉ」
何度でも、ねちねち聞いてきそうだ。答えるしかなかった。
「え……Fカップ……です」
眼鏡の奥で、目頭が熱くなる。
「えふぅ? そんなにあるんだ、ほお」
神崎が感心したような顔をしたかと思うと、タオルで額の汗をぬぐいながら目を細めて舌なめずりをした。
早く脱げと、目が切実に訴えている。
(いいわ、脱ぐから……好きなようにすればいい)
覚悟は決めたのだ。
今日だけ、このメタボの玩具になると。
両指を白ブラウスの前ボタンにかける。ぷち……と小さな音がして、ボタンがはずれ、白い胸元が露わになっていく。
(なんで……なんでこんなことに……)

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