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初恋は実らない……?

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  • 作家佐久良慶
  • イラスト炎かりよ
  • 販売日2016/09/14
  • 販売価格300円

「君みたいな素敵な人、忘れられるわけがない」──会社での頑張りを認められ昇進を果たしリーダーとなった常磐杏奈。しかしプレッシャーからかミスも増え、あげくの果てには恋人にも振られてしまう…。そんなある日、ふらりと入ったカフェで高校時代の同級生、藤崎匠と再会することに。かつての匠は誰からも好かれる人気者で、地味めで大人しい杏奈とは正反対の存在。あまり接点がなかったはずのに、杏奈を初恋の人だと主張する匠から猛烈なアタックをうける。からかわれているの? 本当に私のことが好きなの? 疑問に思いながらも、押せ押せな匠に杏奈もタジタジで…。不思議系爽やか男子に振り回される、ビタースイートラブコメ!

「はぁ……」
 なんで、こんなことになってしまったのだろう。
 少し前までは仕事も恋もうまくいっていた。……いや、私がそう思っていただけで、本当はどちらもうまくいっていなかったのかもしれない。
 私──常磐杏奈(ときわあんな)は新卒でこの会社に入り、社会人三年目を迎えた。企画職として様々なサービスに関わり、同期の中では異例の速さで昇進を果たしたのだけど……。
 いざチームのリーダーになると、上司として部下たちに対してどう振る舞えばいいのか分からなかった。元々、私は人に頼るのが苦手な人間なのだ。なんでも自分一人でやってしまう。頼るのは情けない。そう思っていたせいで、チームのメンバーたちを頼ることはせず、無茶な業務量を背負うことになっていた。
 日に日に仕事の悩みが増えて苦しんでいたそんな折、私は二年間付き合っていてそろそろプロポーズされてもおかしくないと思っていた彼氏に突然振られてしまったのだ。
「お前との将来を考えられなくなった。別れてくれ」
 同じ会社の一つ先輩だった彼──吉川健太郎(よしかわけんたろう)は、申し訳なさそうな表情でそう言った。
 電話の向こうで真剣な声色で、土曜日に会いたいと言われた時、もしかしたらプロポーズかもと思って少しワクワクしていた。彼の指定した場所が初めてデートしたレストランで、やっぱりプロポーズなんだと思った。でもそれならティータイムじゃなくて、ディナーの時間が良かったなぁ、なんて思っていた私。ああ……今思うと馬鹿らしい。滑稽な女にしか見えない。
 私の何が悪かったのか、何故将来を考えられなくなったのか、色々と聞きたいことはあった。しかし……自分のプライドがそれを許さず、食い下がることもなく別れを受け入れることになってしまった。
「……そうですか。分かりました」
「お前なら、一人でもやっていけるよ。仕事、頑張って」
「はい。……それでは」
 どうにか言葉を絞り出して、私は健太郎に一礼して早足でその場から離れた。
 同僚たちには付き合っていることを公表していなかったので、そういう意味での問題はない。今まで通り、同僚として接すればいいだけだ。
 私の、何がいけなかったのかなぁ。
 自分がいわゆるかわいげのある女ではないことは分かっていた。そして、彼はそんな自分を受け入れてくれていたのだと思っていた。
 なんでも許してくれると思って、甘えていたのかも……。来月にある高校の同窓会でこんな私にも彼氏が出来たと、報告したいなと思っていた能天気な自分にガッカリした。
 最後のデート代は彼持ちだった。他人行儀な言葉遣いで別れ、私はふらふらと歩いて居酒屋に入った。開店直後だからか、客は少ない。
 こうなったらやけ酒だ。酔いまくって、あんなやつ忘れられるくらい飲んでやる!
「カルーアミルクください!」
 オーダーを聞きに来た店員さんに、食い気味に言った。アルコールにものすごく弱い私としては、これが精一杯だった。

ご意見・ご感想

編集部

会社での頑張りを認められ昇進した杏奈ちゃん。
仕事に恋に順風満帆!かと思ったら……
恋人には振られ、仕事もうまくいかずにもうストレスMAX!
こうなったらヤケ酒だ!となる杏奈ちゃん。
う~ん、わかりますその気持ちヾ(・ω・`;)

そんな時、高校時代のクラスメイト匠くんと再会。
クラスの人気者で優しかった彼は今も変わらず優しくて…
しかし、彼には意外な一面があったのです…!

グイグイ押せ押せな爽やか男子、匠くんに翻弄される杏奈ちゃんが
微笑ましくもあり、大変そうでもあり…(ノω< *)
ズバッと直球な愛情表現に、杏奈ちゃんと一緒にドキドキしてください!

2016年9月14日 2:23 PM

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