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ドSな軍人王との囚われ溺愛生活

  • 作家仙崎ひとみ
  • イラスト緋月アイナ
  • 販売日2018/02/02
  • 販売価格500円

隣国のランブルグ王国第二王子に嫁ぐ日を指折り数えているアステリア公国公女のローレッタ。だが、挙式の当日、その王子が落馬によって薨御してしまう。絶望するローレッタをランブルグに連れて行ったのは現王のクライヴだった。そして突然結婚を迫られ? 愛しい人を失ったばかりのローレッタは怖いばかりのクライヴを拒否するが、そんなローレッタをクライヴはなんと最上階の部屋に監禁してしまった。半ば強引に開かせられた身体。いやだと言っても聞き入れられない。だが愛撫されるほどに心は傾いていく。いやなはずなのに気持ちいい……クライヴに与えられる監禁と溺愛の日々にローレッタは身も心も落ちていって……?

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──あなたの檻は甘くてほろ苦いわ。まるでショコラでできた高級菓子みたい。
  大陸の中央に座するアステリア公国は、周囲を大国に挟まれている。
 領土も小さければ国民数も少ない。だが豊潤な土壌に恵まれ国は十分に潤っていた。
 ともすれば属国になりがちな立地だが、隣国である巨大軍事国家ランブルグと交友関係が結ばれているおかげで、長い間どこからも侵略を受けていない。
 美しい自然と優しい民。それがアステリア公国の自慢だ。
 そのアステリア公国には公女がいた。
 名はローレッタ。十八歳の誕生日を迎えたばかり。
 ローレッタには婚約者がいた。相手はランブルグ王国の王弟エドガーだ。
 政略結婚だがローレッタに憂いはない。
 エドガーは女性が求める理想の男性像そのものと言えた。
 軽いウェーブのかかった輝けるプラチナブロンド。エメラルドのような目。高い鼻梁に形のいい唇。
 背は高く痩身で、物腰も柔らかく優雅。いつでも洒落た服装をしており、彼の好みがそのままランブルグ王国の社交界で流行になるという。
 ローレッタは、あれほどまでに美しい男性を見たことがない。
「エドガー様が婚約者……。わたくしは幸せ者だわ」
 ローレッタは間もなく、エドガーのもとへと輿入れする。
 五年前、ランブルグ王国に行儀見習いとして半年ほど滞在した。
 そのときからエドガーに憧れているローレッタにとって、それはとても嬉しいこと。
「一日も早くエドガー様の妻になりたいわ」
 そう呟くと、宝箱の形を模した陶器の入れ物に入ったボンボンショコラを、指先でそっと摘まむ。
 エドガーは定期的にローレッタに贈り物をしてくれる。
 それはランブルグ王国で人気の菓子だったり、流行のシルクショールだったりした。
 多種多様な品が贈られてくるが彼らしくセンスがよくて、いつもうっとりとしてしまう。
 どの贈り物にも愛が満ちあふれていた。
 ローレッタはランブルグ王国で幸せになる。そんなことを夢見て、胸を高鳴らせていた。
 コンコンと扉からノック音がする。
「どうぞ」
 答えてからローレッタは大事なことに気がついた。
「もうそんな時間ね。採寸の時間だわ」
 扉を開けて乳母のマーサが現れた。
「おやおや。ローレッタ公女様。お菓子を半分以上も食べてしまわれたのですか?」
 マーサが困った口調でそう言った。
「だって甘くてちょっぴり苦くて、とても美味しいの。エドガー様は趣味がいいのよ。このボンボンショコラ、とてもいい味だわ」
 マーサは陶器の容器をじっと見たあと、横に置かれた包み紙に視線を移す。
「エドガー様のサインは、どこにも入っていませんけどねえ」
 ローストしたアーモンドとヘーゼルナッツを、カカオ成分多めのクヴェルチュールで包み込んでいる手の込んだボンボンショコラ。
 包み紙にはランブルグ王国の銘が入っており、綺麗にリボンがかけられていた。
「エドガー様よ。昔からわたくしのことを気にかけてくださったもの。早くお会いしたいわ。結婚式まで待てない」
 ボンボンショコラはランブルグ王国の使者が結婚の祝いとして、大量の支度金と一緒に持ってきたもののひとつ。贈り主はエドガーに間違いない。
 マーサは困ったように笑うと、クローゼットからローレッタの目と同じ色をしたショールを取り出し、華奢な肩にふわりとかけた。
「そんなに甘いものばかり食べていいのですか? 仮縫いのお時間をお知らせに来たのですよ」
「本当ね! 太っちゃったらエドガー様に不釣り合いだわ」
 マーサは目を見開いて、慌てて首を振る。
「何をおっしゃるのです。私が心配しているのは虫歯と夕食を残すんじゃないかということですよ」
「やだ、マーサったら。そんなに子供っぽい真似はしないわ」
 ローレッタはエドガーより十歳年下であることを気にしていた。
 彼に子供っぽいと思われたくなくて、日々レディとして自分を磨いているつもりなのに。

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