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愛玩 ~契約からはじまるラブロマンス~

  • 作家立花実咲
  • イラストnira.
  • 販売日2012/11/30
  • 販売価格200円

ホステスとして働いていた美香は、上客である弁護士の翔一に「君が欲しい。いくらならいい?」と聞かれショックを受けていた。彼だけは身体を求めたりしないと信じていたからだ。密かに彼を客以上の気持ちで想っていた美香は、他のホステスにとられるぐらいなら、と勢いでOKした。それから翔一と男女の仲となるのだが……所詮セレブの遊びごとなのかとショックを受けながらも惹かれていく想いは止められなくて……。そんな中、思いがけず彼の真意に触れた美香は驚いて……。ハートフル&スイートなラブロマンス

「――君が欲しい。いくらならいい?」
同伴デートの帰り、クラブ『Misty』に入る直前のこと。足元では木枯らしが銀杏の葉をやさしく撫でていく。もうすぐ東京にも雪が降るかもしれないという日だった。
ここのホステスである譲原美香は、親しんでいた上客からまさかそんな言葉が飛び出してくるとは思わず、彼、桐谷の瞳を見つめ返した。彼は弁護士で、来店の際には必ず美香扮する『エリ』を指名してくれる上客中の上客だ。美香はショックでしばし言葉にならなかった。彼にだけは身体を求められることなどないと信じていたのだから。

夕陽が落ちていき雑踏に紛れる声はライバル店への勧誘で溢れていく。美香は黙りこんでしまったが、翔一も引くことをしない。彼の聡明な瞳が、夕陽に反射して琥珀色に染まっていく。いつも好んで飲んでいるウィスキーの色に似ている。その瞳の奥は少しも冗談などなく、真剣だった。
美香は彼から言われたことを反芻しながら、彼の真意を探る。
「もし、五百万円って言ったら、本当に支払ってくれるの?」
カマをかけたつもりが、「いいよ」と翔一が淡々と答えるものだから困ってしまう。
まさか、と美香が慌てるが、翔一は押しの姿勢を崩さない。
「五百万なんて、随分と安いもんだよ。君なら……もう少しあげてもいいくらいだ」
翔一はそう言って、美香の頬にすっと手を伸ばした。彼の長い指先がトンと触れる。ビクリと反応する美香に対して、翔一は柔和な微笑みを浮かべた。
「ただし、満足させてもらえなかったら、差し引かせてもらう。もちろん、それじゃ君に不利だろう。僕も約束するよ。君を満足させてあげられなかったら、その分の利息をあげる」
そう言い、彼は小脇に抱えていたセカンドバックから一枚の用紙を取り出した。

そこには――『愛玩契約』という文字が綴られていた。
美香は驚いて、彼を見上げる。

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