夢中文庫

私たち、一線越えちゃいました!

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  • 作家橘柚葉
  • イラスト中田恵
  • 販売日2016/06/20
  • 販売価格400円

今春めでたく入社したばかりの小泉桃、二十二歳。配属された課には初恋の人、篠崎主任がいてドキドキが止まらない。再燃した恋だったけど諦めなくちゃ。だって彼には見目麗しい婚約者がいるのだから。しかし、私は見てしまったのです。主任の浮気現場を! 浮気はダメと忠告した私に感謝し「実家で作ったいい物をやる」と主任は言っていたけど……。主任の実家は有名和菓子店だから、おまんじゅう、羊羹……そんな甘いお菓子を想像していたのに、「桃。もっとキスさせろよ。足りない」甘い言葉に酔って頂いてしまったのは主任の身体。普段はクールで硬派。それなのに浮気男、そんな主任を愛してしまった私の受難の日々が始まる!

「ほら、桃(もも)。舌を出して」
「あ……っふんん!」
 絡み合う舌と舌。そして深く口づけをされて、口内で再び絡み合う。
 クチュクチュというお互いの唾液の音が部屋に響き、それがなんとも言えぬ羞恥を煽る。
 キスってこんなに気持ちのいいものだったなんて……
 今まで付き合ってきた男性は一人だけ。それも短期間に寂しく儚く散ってしまった。
 キスをして、セックスをして。とりあえず一通りは済ませてきた。
 ただ、回数にしたら数えるほど。そんな短い付き合いだった。
 私の気持ちが足りなかったのか。彼の気持ちが足りなかったのか。
 今となってはわからないけど、恋と呼ぶにはいささか何かが足りない関係だったことは間違いないのだろう。
「ほら、もっと。桃のすべてを見せてみろよ」
 耳元で囁く声は、甘くて蕩けてしまいそうだ。
 今、与えられる刺激と甘さは以前体験したものとは全く別物だった。
(私……溺れちゃうかも)
 私をギュッと抱きしめる彼は、初恋の人。中学生の頃の私はこんな夜が来ることを想像していただろうか。
「桃。もっとキスさせろよ。足りない」
 求められるまま熱に浮かされたように、私は彼に抱きついた。
「そう、良い子だ」
「ああっ!! ……ふぅんんっ!」
 言葉で蕩け、指で身体を開かされる。そして私はシーツに身体を投げ出した。
 * * * *
 カーテンのすき間から朝の光が零れ落ち、そのまぶしさで目を覚ました。
 最初は自分のベッドだと疑わず「今日は休み! ゆっくり寝ちゃうぞ~」なんて二度寝を決め込もうとしたのだ。
 しかし、すぐにいつもと様子が違うことに気が付いた。
 ベッドのスプリングが違う。布団だって違う。
 何より異変を感じたことといえば、自分が裸だということ。
 いつもなら間違いなくパジャマを着る。裸で眠るなんてことは今までに一度だってない。
 まさか……、そんな思いを抱きながら周りを見回す。
 そして、とんでもないことをしでかしたことを知ってしまった。
(昨夜の私に誰か「正気に戻れ! バカ桃!」そう言って罵倒してよぉぉぉ!)
 隣にはキレイな寝顔を惜しげもなく披露している男が一人。
 その人物は誰なのか。嫌と言うほどわかっている。
 どうして彼が私の隣で眠っているのか。わかっているが、わかりたくない。
 どうせなら何も覚えていたくなかった。酒の力で記憶を吹き飛ばしてほしかった。
 しかし、現実はシビアなもので酒の力を借りても忘れることはできなかった。そういうことだ。
 昨夜の情事を、私は鮮明に覚えている。まさか、こんなことになるなんて……
「覚えている……覚えているんだけど」
 私は頭を抱え、低く唸った。
 ゴールデンウィーク明けに商品リサーチ課に配属になり、バタバタとせわしく月日が流れた。

ご意見・ご感想

編集部

昔憧れていたあの人に再会できちゃった!
嬉しくってふわふわなシチュの筈なのに一筋縄じゃいかないのが本作品の魅力☆☆彡

桃ちゃんは真面目で一直線な性格、素直でキュート…でも…思い込みが激しくって(笑)
一方的な思い込みさえなければもうすこーしすんなり
コトが運んだかもしれないのに(*゚▽゚)

それも含めて篠崎主任は桃のことをまるまるっと愛してくれてます。
…ちょ、ちょっと…? 愛してるなら優しくしてあげてーーー!!
勘違いで突っ走る桃ちゃんをそのまま走らせるって(笑)
ナチュラルボーンSイケメンな主任に翻弄される桃ちゃんの、
右往左往な様子がたまらなく可愛かったりするのです♪

さぁ、弱みを握られたのはどっちだ!?
キュートな二人を取り囲む人々もまた、個性的で元気イッパイ(o≧▽゚)o

スパイシーでスウィートな二人をお楽しみ下さいませ♪

2016年6月20日 1:31 PM

橘 柚葉

いつもお付き合いいただきましてありがとうございます。
橘 柚葉です。

このたび、夢中文庫さまより二作目の電子書籍を発刊していただく運びとなりました!
これも読んでくださる読者さまのおかげでございます。
本当にありがとうございます。

今作品はラブコメということで、私自身かなり楽しんで書きました。
少しでも楽しい気持ちが伝わったらいいなぁと思っております。

今後もどうぞ、よろしくお願いいたします。

2016年6月20日 5:49 PM

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