夢中文庫

寵愛乙女は甘い恋に溺れて~陛下のおひざに失礼しますっ!?~

tukimoriaira04_s
  • 作家月森あいら
  • イラスト中田恵
  • 販売日2017/08/08
  • 販売価格500円

「あなたにちょっかいを出す者は、誰だって容赦はしない」突然異世界に飛ばされてしまったレナ。自分の身に何が起こっているのか把握する前に、近くから声が聞こえてきて…?「いいから、下りてくれないか」彼女はよりにもよってこの国の王・リュシアンの膝の上に落ちてしまったのだ! なんとか不審者ではないと説明するものの、実権を握る厳しい感じの「母上」に閉じ込められて!? 母上の目を盗んではレナに会いに来てくれるリュシアン。優しい彼にレナはどんどん心を開いていくが…。いつか家族に会いたい。元の世界に戻りたい。そんな気持ちが二人の距離を遠ざけて?お互いを想う心が切なくすれ違う異世界ラブストーリー!

YAHOO!JAPANブックストアで購入
BookLiveで購入

プロローグ
 ずき、ずき、と頭が痛む。
 反射的に玲奈(れいな)は、後頭部を押さえた。いったいなにが起こったのだろう。なぜこんなにも、頭が痛いのだろう。
 ゆっくりと目を開けると、視界は歪んでいたけれど、目の前を鮮やかな緑色が掠めた。玲奈は何度もまばたきをする。しかしその緑は消えることなく、玲奈の目の前にあった。
「な、に……?」
「誰だ、おまえは」
 続いて、男性の声がした。玲奈は大きく、目を見開く。
「どこから降ってきた。いったいどこの人間だ」
「わ、たし……?」
 玲奈は何度もまばたきする。徐々に霞んでいた目の前がクリアになって、視界に映っているのが男性の顔だということに気がついた。
「……は?」
「は、ではない」
 座っているのは、ごつごつとした感覚の上。玲奈は腰をもぞもぞさせて、すると目の前の男性の頬に、さっと朱が走った。
「な、んなの。あなたは、いったい……」
「それは、私の台詞だ」
 男性の声は、驚きに少し尖っているものの柔らかかった。優しい人なのだと思った──目に入っていた緑は彼の瞳で、アーモンド型のそれはきりりとつりあがってうつくしい。
 眉は濃く、髪と同じ琥珀色をしている。すっきりと高い鼻梁に、やや薄い唇。美貌の男性だと、ひと目でわかった。玲奈の胸が、どくりと鳴る。
「いいから、下りてくれないか」
「下りる?」
 男性は、困ったように眉根を寄せる。玲奈はきょろきょろとまわりを見まわし、驚いて目を見開いた。周囲がまったく見たことのない、まるで豪華な絵本から抜け出してきたような光景だったからだ。
 猫足の、金色のソファ。張ってある布には細かい薔薇の刺繍が施してある。本棚にはたくさんの分厚い、色とりどりの豪華なハードカバーの本が詰まっていた。背表紙に書いてある金色の文字はくねくねとしていて、まったく不可解だ。
「あの……」
 玲奈は、男性のほうを振り返った。そして彼と顔の距離が、とても近いことに気がつく。
「近い……」
「おまえがこんなところに乗っているからだ」
 男性は、手を伸ばしてきた。反射的にその上に自分の手を置き、すると座っているものがぐらりと動いた。
「きゃっ」
 そこで、気がついた。玲奈は男性の膝の上に座っていたのだ。
(道理で、顔が近いわけ……)
 え、と玲奈は気がついた。男性の膝の上に座っている。自分はいったい、なんということをしているのだ。
「きゃあああ、あ、ああ!」
「叫びたいのは、こっちだ……」
 呆れたように、男性が言った。

オススメ書籍

miyukimayu01_muchu

若女将は年下御曹司に魅了される

著者深雪まゆ
イラストにそぶた

「お前がピンチのときは絶対に助けてやる」――近くに出来た新しいホテルのせいで窮地に陥っていた実家の旅館を救うため、杏奈は保育士の夢をあきらめ若女将として働く決意をする。しかし経営はさらに厳しくなる一方。そんな中、長期の宿泊客として現れたのが、爽やかな印象の那雪だった。なぜか彼は杏奈やこの旅館の現状を知っていて、どうやらこの旅館へやって来たのには特別な理由があるようだった。那雪を目にする度に、ざわりと胸が騒ぐ。そんな彼に「俺のものになればこの旅館を救ってやる」と尊大な言葉で迫られ大ピンチ。強引な行為を拒みきれずに組み敷かれ……。幼い頃に交わしたあの言葉が、再び運命を結んだと知った杏奈は――。

この作品の詳細はこちら