夢中文庫

秘密パーティーの誘惑ドール

  • 作家宇佐川ゆかり
  • イラスト炎かりよ
  • 販売日2015/8/18
  • 販売価格300円

怪我をした友人の代理でセレブの集まるパーティーにアルバイトとして参加した石崎琴美。地味な自分ができるのかと不安になりながら参加すると、聞いていたのと話が違う。豪華客船でお酒を運ぶだけだと聞いていたのに、なんだか周囲は乱れた雰囲気。アルバイトの女性達の仕事は、お酒を運ぶことだけではなかった!招待客の話し相手に、その先まで……!最初は驚いていた琴美だったけれど、つられるように八島颯斗とデッキへ出てしまう。いつ人が来てもおかしくない場所でスカートを捲られ、下着の中に手を差し込まれて――。未知の快感に琴美の心も変化していく。

 自分が信じられない状況に置かれていることに、琴(こと)美(み)は気づいていた。唇から零れるのは甘ったるい声だけ。乱れた息は、明らかに欲情していることを相手に告げている。
「やぁっ……ん……」
 首を振ると、ぞわぞわとする感覚が背骨を這い上がってくる。いつ、人が来てもおかしくない場所だというのに、彼は手を止めるつもりはないようだった。
「あっ……は、あぁっ」
 身に着けている豪華なドレスも、彼の手の前では何の意味もなさない。肩紐が肩から滑り落とされて、下着を着けていない乳房が露わになる。
「もう、こんなに感じていたんだ? おとなしそうな顔をしているのに、けっこう――」
 その跡に続く言葉を彼は呑み込んでしまったけれど、簡単に想像することができた。間違いなくあとに続くのは、『淫乱』という言葉のはず。
 だが、その言葉を否定することなんてできなかった。ここは船上――いつ、誰が来てもおかしくないデッキの上で、こんな風に裸の胸を晒しているのだからなんて言われても否定できない。
 硬く尖った胸の頂は、早く摘めとでもいうように存在感を主張している。視線を落とした琴美が見ているのをわかっているかのように、彼はゆっくりと手を伸ばした。
 くいっと頂を捻(ひね)られれば、摘まれた乳首から送り込まれた感覚が、下腹部へと快感を送り込んでくる。
「はっ……あ、あぁんっ」
 また、高い声を上げてしまった。誰かにこんな淫らな声を聴かれてはいなかっただろうか――あわてて口を閉じるも、一度快感を認識してしまったら声をこらえることなんてできなかった。
 琴美の胸は、かなり大きい。そんな乳房を彼の手はすっぽりと覆ってしまっていた。全体を揺らすようにやわやわと揉まれたら、じんわりとした快感がこみ上げてくる。
「く、んぅ……ん、んぁ……!」
 大きな手のひらの中で、乳首が押しつぶされる。早くも敏感になっている場所を刺激されて、妖しげな声を上げてしまいそうになる。もう一度頂を捻られ、反射的に彼の手を胸から引き剥がそうとしてしまった。
「――この手が、邪魔だな」
 くすりと笑った彼は、ハンカチを取り出すと琴美の手に巻きつけた。そのまま、手すりへと縛り付ける。これで片方の手は、完全に動かすことができなくなってしまった。
「やっ……あぁっ……ん、あ、あぁっ」
 どうして、逆らわないのだろう。そんな疑問が頭をかすめるけれど、口にすることはできなかった。彼の愛撫にあっさりと意識を持っていかれてしまったから。
 片手を手すりに縛り付けられた不自由な姿勢のまま、ただ身体をくねらせる。指先でぴんと立った乳首を弾かれ、呼応するように腰が跳ねた。
 しばらくの間、誰も受け入れていない身体の中心部が熱を帯びてくるのが自分でもわかる。早く――そう言いそうになって、あわてて首を振った。
 こんなことをする人を軽蔑していたはずなのに、どうしてこんなことになっているのだろう。考えてもわからない。
 いや、考える余地なんて与えてもらえない。琴美にできるのは、ただ目の前の彼が与える快感に、自分の身体を震わせることだけ。
「だめっ……あ、あぁ……ん、あぁっ」
 どうして、こんなことになっているのだろう――もう一度考えようとするけれど、琴美の意識はあっという間に快感の波にさらわれていった。
 ◇◇◇
(なんてところに来てしまったのかしら)
 石崎(いしざき)琴美は、シャンパングラスの載ったトレイを左手に持ちながらため息をついた。そもそも琴美はこんなところには縁がない。交通事故に遭ってしまい、アルバイトができなくなった友人のピンチヒッターだ。
 琴美をこの場に送り込んできた友人――児玉(こだま)綾(あや)――の必死の願いを断り切れなかったのは琴美自身の責任だけれど、最初に聞かされていた話とまるで違う。
 琴美が綾に呼び出されたのは、今から十日前のことだった。普通のマンションに住んでいる琴美とは違い、綾が住んでいるのはセキュリティのしっかりした高級なマンションだ。
 日の射す明るいリビングで、綾はぺこりと頭を下げた。
「お願い、この腕じゃお酒を運ぶなんて無理でしょう……? 普通のバイトだったら事務所の子に代わってもらうんだけど……今回ばかりは、そういうわけにもいかなくて」
 交通事故で右手の骨を折ってしまったというのに、ぽってりとした綾の唇は鮮やかな色に塗られていた。少しもはみ出していない。
「綾の事情もわかるけど……そういう場所なら、事務所の子の方が慣れているんじゃないの? セレブの集まるパーティーでお酒を運ぶって、ちょっと気が重いな」
 綾は学生時代からの琴美の友人だ。ミス・キャンパスで最終選考まで残った彼女は、在学中からグラビアタレントとしての活動を始めた。細い首、Gカップはありそうな豊かな乳房、きゅっとしまった魅力的なウエストに、すらりと伸びていながらも太ももには適度に肉がついた長い脚。
 両親共に日本人なのだが、ハーフなのではないかと言われるほどに濃い目の顔立ちで、非常に化粧映えのする美人だ。彼女のグラビアが掲載された時は、雑誌の売れ行きが上昇するらしいが、今のところグラビアから脱却して綾が目指している次のステップ――女優業――には結びついていない。
「セレブが集まるから、なのよ。そこで有力な人と知り合いになったら、バックアップしてもらえるもの。碧山(みどりやま)ハルカって知ってる?」
 そこで綾が口にしたのは、綾と同じ頃にグラビアデビューしたタレントの名前だった。グラビア時代はパッとしなかったのが、今では人気女優となっている。来年はどこかの局で放映される連続ドラマの主演に選ばれたとまことしやかにささやかれていた。
「ハルカってばね、そこで強力にプッシュしてくれるスポンサーに出会ったらしいのよ! 後輩に追い抜かれるわけにはいかないでしょう? お願い、他に頼める人もいないし」
「私には荷が重いような気がするんだけど」
 琴美は首を横に振った。
 学生時代、綾にうっかり乗せられて一緒にミス・キャンパスコンテストに出場したことがある。
 ものすごい美人ではないが、それなりに化粧映えのする顔立ちだと琴美自身は思っている。スタイルもグラビアで水着を披露している綾とは比べものにならないけれど、そんなに悪くはない。
 実際、綾と一緒に最終決戦の四人にまで残ったのだ。だが、自分にはそういった華やかな場所は合わないと思って、出場したのはその一回だけだった。
 今は東京で働いているとはいえ、もともと田舎の出身だ。一家に一台ではなく、一人一台車を持っていなければ何もできないような場所で、曾祖母、祖父母、両親に弟妹という今時珍しい四世代同居だった。
 綾と一緒にスカウトもされたけれど、自分には向いていないだろうし、田舎にいる曾祖母が目を回すだろうと思って断った。そちらの世界に足を踏み入れなくて正解だと綾の話を聞いていて思うのだが、綾にはそれを告げたことはない。
 卒業後も地味に派遣社員として働いていて、綾のような華やかな世界とは縁のない生活を送っている。ついでに白状するならば、付き合っていた相手とは三か月前に別れていた。
「違うの。琴美だからいいのよ――セレブが集まる場所でしょう? だから、礼儀もとてもやかましいのよね。代理を立てるのは先方も了承してくれたんだけど、先方が気に入る人じゃないと会場に入ることさえできないんだもの」
 必死の形相で、綾は怪我をしていない方の左手を顔の前に立てて琴美を拝んだ。
「お願い、面接に行ってくれるだけでいいから――ここで、代理の一人も立てられなかったら、私次回以降呼ばれなくなっちゃう! 琴美なら、おばあちゃん達にしっかりとした躾(しつけ)を受けているし、問題ないと思うの」
 きっと芸能の世界というのは琴美には想像もつかないような世界なのだろう。綾は必死に手を合わせてくるし、無碍に断って綾との今後の付き合いに差し障りがあるのも困る。
「……そこまで言うのなら……」
 最終的にそう言って、綾の頼みを引き受けた。

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イラスト蘭蒼史

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