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偽りラヴァーズ~憧れの彼と恋人契約~

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  • 作家宇佐川ゆかり
  • イラスト中田恵
  • 販売日2016/04/04
  • 販売価格300円

友人に貸したお金が返ってこなくて、窮地に陥った古賀絵梨。そんな絵梨に、大学時代の先輩である五十嵐啓太は、彼に迫って来る女性を諦めさせるまでの間、恋人のふりをする契約をもちかけてくる。どんな形でもいいから彼の側にいたい。こうして、二人の恋人契約が始まった。本物の恋人でなくても繋いだ手はあたたかくて、触れ合うキスは優しくて。期間限定、偽りの恋とわかっていても絵梨の想いは募るばかり。そんな中、彼に誘われて南の島にある高級リゾートで夏休みを過ごすことになる。日常を離れた場所で夢のような時間が流れていく中、絵梨は決意する。一夜だけでもいい。身も心も彼のものになりたい。絵梨の恋の行く末は?

 古賀絵梨(こがえり)は、スマホの画面をにらみつけた。
(嘘でしょ……! なんで通じないわけ?)
 電話をかけてみれば、『現在使われていない』というメッセージが返ってくる。メールをしてみても、宛先不明。絵梨の知っている彼女のSNSアカウントは全部退会していて、相手とまったく連絡が取れない状況なのだ。
(実家に置いてある大学の名簿になら、あの子の実家がどこかも載ってるだろうけど……)
 絵梨が連絡を取ろうとしていたのは、大学時代の友人だった。
 先日、久しぶりに会った時に借金を申し込まれたのである。ちょっとまずいところから借りてしまって、返済しなければどうなるのかわからないと泣きながら頼まれたらむげに断ることもできなかった。
「もうすぐ、引っ越しをするつもりで貯金してるの。引っ越しに間に合うように返してくれるなら貸してあげる」
 そう絵梨が言ったら彼女は涙を流して喜んだし、返済の目処についても説明してくれた。それを信じた絵梨の見込みは、ちょっと──いや、だいぶ甘かったかもしれない。
(どうしよう、もうすぐ出ていかないといけないのに)
 絵梨が住んでいるのは、オーナーが海外に行っている間だけ借りているマンションだった。オーナーの帰国に合わせて出て行くことはマンションの契約時から決められていて、その時に合わせてこつこつ貯金してきた。
 最悪の場合は親に言って返してくれると言うから、信用したけれど、親の住所を確認しなかったのは失敗だった。
「……はあ」
 社会人三年目。もちろんそれなりに貯金はある。ただ、定期を崩さなければならないだけで。
(お金を貸す時には、返って来ない前提で貸せって言うけど……失敗したな)
 絵梨は室内を見回した。駅近で窓は大きく、室内は明るくて、ゆったりとした1DK。絵梨の稼ぎでは少々贅沢なこの部屋は、期間限定という理由から、相場より安い家賃で借りていたのである。
 明日は大学の名簿を探して、一応先方の実家に連絡を取ってみよう。それから、友達に連絡をして、新しい連絡先を知ってる人がいないか探してみよう──望み薄だけれど。
(見つからなかったら……定期預金、崩すしかないかな)
 絵梨が深々とため息をついた時、スマホが軽く振動した。メッセージを送ってきた相手の名を見て、絵梨の頬が緩む。
『今日、暇なら出てこない? イカの踊り食いが食べられる店を見つけた』
『行く!』
 メッセージを送ってきたのは、五十嵐啓太(いがらしけいた)。絵梨の大学時代の先輩だ。
 大学時代から彼はよき先輩だった。気の合う飲み仲間として、こうして大学を卒業してからもしばしば誘ってくれる。
(啓太先輩と会うのは久しぶり)
 絵梨の気持ちは、ただの気の合う先輩後輩からその先を望むものへとずいぶん前に変わっていたけれど、気持ちを打ち明けるつもりはない。今のままの関係を壊すくらいなら、先に進む必要はないと思っている。
(……ちょっと、愚痴っちゃおうかな)
 なんて考えたのは絵梨の甘え。啓太に話を聞いてもらえると、安心する。

ご意見・ご感想

編集部

大学時代の先輩と恋人契約!?
大学時代の先輩の啓太くんのことが大好きなのに、『飲み友達』から抜け出せない絵梨ちゃん。
今の関係が壊れるのが怖くて一歩踏み出せない気持ちに「あるある!」と頷いてしまう方も多いのでは?
そんな中での恋人契約、さらには南国リゾートに旅行なんて、ドッキドキです★

日常から離れ、大胆になってしまう絵梨ちゃんを応援してあげてください~~

2016年4月4日 5:53 PM

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