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俺様王子と失恋令嬢~婚約破棄から恋が始まる~

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  • 作家宇佐川ゆかり
  • イラスト湯浅あゆ
  • 販売日2016/10/19
  • 販売価格500円

「君との婚約の話は、なかったことにしてほしい」婚約者ジェイルからの突然の申し入れに、アデラは呆然とした。三カ月後に結婚式を控えていたのに、なぜ、今になってこんなことを言うのだろう。ジェイルの新しい恋人クレアは、アデラにはない魅力を持った可愛らしい女性。クレアと自分を比較して落ち込んだアデラに、救いの手を差し伸べてきたのは王太子のイアンだった――。地獄のような日々の中のほんのひと時の夢だと思う一方、イアンはアデラに急接近してくる。「王太子が私に本気になるはずがない」と、彼の好意を受け入れられないアデラだったけれど、彼はそんなアデラに辛抱強く接してきて――。婚約破棄から始まる新しい恋の物語。

「今、なんて言ったの?」
 目の前にいる彼の言葉が信じられなくて、アデラはもう一度問い直した。ジェイルは、申し訳なさそうに眉尻を下げた。
「君との婚約の話は、なかったことにしてほしいと言ったんだ」
「……そんな」
 聞き直してみたけれど、やはり彼の言葉は信じられなかった。
 ジェイルとアデラの婚約が成立してから半年が経過している。
 両家の両親の仲がよかったということもあり、ジェイルの家とは昔から親戚のように行き来していた。彼と共に過ごす時間は、アデラにとってとても幸せなものだった。
 今日は、アデラの家の庭にテーブルと椅子を持ち出して、そこでティータイムを一緒に楽しもうということになっていた。
 ジェイルの好きなケーキを料理人に焼いてもらって、たわいもないおしゃべりを楽しむつもりだったのに、なぜ、こんな話になっているのだろう。
「だって、三カ月後には結婚式だって決まっているのに」
 なおも往生際悪くアデラは繰り返す。
 婚約が決まってから今までの間、少しずつ準備を重ねてきた。彼の家にふさわしくあるように行儀作法を学び、彼の両親とも礼儀正しく、そして親愛の情を持って接してきた。
 幼なじみから婚約者、そして彼の妻へ。彼と同じ道を歩むことを望み、その希望に添うように接してきたというのにあんまりだ。
「ごめん──でも、運命の人に出会ってしまった。君のことは妹みたいに可愛いと思うけれど……それ以上には思えない」
 妹みたい、という言葉にアデラは打ちのめされたような気がした。
 アデラとジェイルの間にあるのは優しい感情。それでしかないということはわかっていたけれど、目の前に突きつけられて傷つかないかと言えば別問題だ。
「う、運命の人って……あなたは誰が好きなの?」
 だから、そう問いかけずにはいられなかった。自分はどんな女性に負けたというのだろう。
 アデラとの婚約を破棄するなんて言い出したら、ジェイルの両親が大反対するのはわかりきっている。それを押しきってまで他の女性を選ぶなんて。
「クレア……クレア・ウッドフォード。彼女に気持ちを打ち明けたら、俺のことを受け入れてくれると言ったんだ。君との仲をきちんと終わらせたらという条件はついたけれど」
 クレア・ウッドフォードの名を聞いて、アデラはうつむいてしまった。そうすると、平凡な茶の髪が目に飛び込んでくる。
(クレアは、奇麗な金髪だった……)
 アデラは彼女のことをよく知っているというわけではないけれど、彼女に夢中になってしまう男性が多いという噂話(うわさばなし)はしばしば耳に入ってくる。
 ほっそりとしたはかなげな美貌。抱きしめたくなるような華奢(きやしや)な肢体。遠目に見るだけでも、彼女の美貌は際立っていた。
(まさか、ジェイルまで彼女に思いを寄せてしまうなんて)
 ジェイルのことが好きだった。

ご意見・ご感想

編集部

アデラさんは呆然としています…
3カ月後に結婚を控え、幼なじみとして一緒に育ってきた彼に、
婚 約 破 棄 !!!を言い渡されてしまったのです(;_;)
自分に自信を無くしてしまったアデラさんは、引きこもりがちになってしまいます…

そんなアデラさんのピンチに現れるのは王太子イアン様!
強引に迫ってきたかと思えば、なかなか踏み出すことのできない彼女に
紳士的に合わせてくれて……( *´艸`)

アデラさんはもう一度、誰かを愛そうと思えるのか…
そんな2人の前に立ちはだかる意外な人物とは…

俺様王子のノンストップ溺愛ファンタジー♪
是非お楽しみください!

2016年10月19日 11:37 AM

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