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翡翠邸の甘い秘蜜~傲慢な御曹司に閉じ込められて~

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  • 作家吉田行
  • イラスト花岡美莉
  • 販売日2017/07/04
  • 販売価格600円

こんな一族の御曹司に弄ばれるなんて――
大学卒業を控えた正月、清原薫は地元に帰省した。
療養中の母を見舞うためだけではない。
高校生の頃半強制的に婚約させられた相手へ破棄を申し出るためだ。
しかし相手は名家『森家』の男。卑怯な手で薫に結婚を迫る。
窮地に陥った薫を救ったのは、森家の御曹司で次期当主の成貴だった。
しかし彼は、かわりに三日間命令に従えと交換条件を出す。
薫は断れず森家の別荘、翡翠邸へ。実は翡翠邸には淫猥な接待室が隠されていて……!
自由を奪われ身体を開かされる薫、暫くは成貴に抵抗していたが次第に快感に飲み込まれてゆく――。
高校生の頃少しだけ交流があった二人に芽生えるのは、主従関係かそれとも……?

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 M市の一月はいつも足元が悪い。道の隅に少し汚れた雪が積んである。
 市の中でも高台の高級住宅街の中、その中でも特に豪勢な日本家屋が森(もり)家の邸宅だった。
 新年の森邸には次々と黒塗りの車が門の前に停まり、後部座席から正装の男女が降りてくる。
 皆壮年から老人に近い人物で、男は黒いスーツか羽織袴、女性はほとんどが訪問着姿だった。
 一抱えほどもある門松が飾ってある大きな門をくぐると美しい冬囲いをほどこした松や躑躅(つつじ)が植わっている前庭だ。さまざまな形の飛び石を踏みながら正装の男たちが新年の挨拶をしながら玄関に近づいていく。
 大広間にはすでに朱塗りの膳が人数分そろえられていた。彼らは慣れた様子で席についていく。誰かに教えられなくても自分がどこへ座ればいいか理解しているようだ。
 その集団の中に不似合いな人間がいる。
 まず年齢が違った。中年から老人がほとんどの中で、その人間は若い女性だった。
 また服装も異質だった。女性は皆訪問着や美しい華やかなスーツを着ているのに、彼女は地味な黒いワンピースでアクセサリーも細い金のネックレスだけだ。
 それでも地味にならないのは、彼女が飛びぬけた美人だからだ。
 面長の顔は大人びて見えたが、艶のある頬は彼女がまだ二十代前半であることを示していた。大きな黒目がちの瞳はずっと伏せられていたが、たまに顔を上げるとその美しさに周囲の人間は一瞬引き寄せられる。
 彼女は皆が次々と腰を降ろす中、どこへいけばいいのか分からないらしく入り口で辺りを見渡していた。
「薫(かおる)さん、こっちへ来なさい」
 薫と呼ばれたその女性──清原(きよはら)薫──は声の主を見た。高級そうなスーツに身を包んだ三十代の男性が手招きをしている。彼はすでに膳の前に腰を降ろしていて、その隣に彼女を招いたのだ。背が高く穏やかな顔をしているが、彼を見た薫は顔を曇らせた。
「私がそんな上座へいっていいんですか? 啓二(けいじ)さん」
 啓二と呼ばれた男が座っている席は床の間に近い場所だ。だが彼はさらに手を振って彼女を呼ぶ。
「いいんだよ、今日は僕たちが主役じゃないか。早く座りなさい」
 啓二の声は穏やかだったが、どこか人に嫌を言わせぬ強引さがあった。薫は仕方なく遠回りをして啓二の横に正座する。紫色の座布団は膝が埋もれるほど分厚い。
「正座は大丈夫かい?」
 美しい薫が隣に来たことで啓二の目尻が下がる。それとは対照的に薫の表情は冴えなかった。
「三十分くらいなら座っていられます」
「それは凄いね、僕はどうも苦手だからこれを使っているんだ。君も必要なら言うといい」
 啓二は正座用の小さな椅子に尻を乗せていた。それを薫はぼんやりと見ている。
「おっと、来たらしい」
 皆がそろったところで上座近くのふすまがすっと開く。入ってきたのは折り目正しい紋付姿の老人と、スーツ姿の壮年の男、それに青年だった。

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