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初恋同士。~オタク女子とツンデレ幼馴染の恋愛事情~

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  • 作家夕季麗野
  • イラストにそぶた
  • 販売日2016/10/19
  • 販売価格300円

百瀬さなは、同じ職場で同期の、樹宏太郎と交際を始めたばかり。宏太郎は、ルックスが良くて仕事もできる、さなにとっては理想の恋人。しかしある日、宏太郎から「さなのアパートに行こう」と言い出されて大ピンチに。実は、一見今どきのOLに見えるさなは、重度の「オタク女子」だったのだ。さなの趣味を知った宏太郎は、「気持ち悪い」と一刀両断した挙句、デートをドタキャン。ショックを受けたさなは、同じアパートに住む幼馴染み、蒼井睦月に電話をかける。だが、さなの恋愛話を聞いた睦月は不機嫌になり、さなを強引に抱き寄せて、キスをしてきた。突然のくちづけに翻弄されるさなだが、この日を境に、睦月を強く意識し始めて――。

プロローグ
 このご時勢──。
 誰でも人に言えない秘密のひとつやふたつ持っていたって、おかしくないと思う。
 胸の奥にしまいこんだ大切な宝物の在り処は、絶対に誰にも見せてはいけないの。
 たとえそれが、初めてできた恋人だったとしても……。
第一章 オタク女子はフラれ女子

「はぁ~……」
(今夜は、宏太郎(こうたろう)とご飯の約束してたのになぁ……)
 今週に入ってから、既に残業は四回。
 百瀬(ももせ)さなは、デスクに山のように積まれた書類ファイルを前に、本日何回目になるかわからない盛大な溜息(ためいき)を吐いた。
 入社面談時は、「残業はほぼありません」と説明されたのだが、さなの配属された部署は総務部で、とにかく業務が多かった。
 他部署の書類チェックから、ちょっとした電話応対まで全て押し付けられる……いわば、会社全体の雑用係のようなものなのだ。
「百瀬君、ちょっと来て! この書類も頼むよ」
「はい……」
──極めつけに、直属の上司は小太りのバーコード頭。
 PC作業で疲弊した目の保養にもならない。
(宏太郎と、同じ部署が良かったなぁ……)
 上司から書類を受け取り席に戻ると、さなの机の上のスマホが、チカチカと光った。
 同期で彼氏の、樹(いつき)宏太郎からのラインメッセージだ。
『残業終わるまで、駅前のカフェで待ってる』
 画面に映った恋人のメッセージが、書類ノイローゼになりそうだったさなの心を、ふわりと軽くしてくれる。
(頑張ろう……)
 営業企画部の「期待のホープ」とまで称される宏太郎は、見目は華やかで人好きするタイプだった。
 付き合い始めて一ヶ月経ったばかりだが、さなにとって宏太郎の存在が、この会社で働く意味になりつつあった。それくらい、自慢の彼氏だったのだ。
***
 時刻が午後十時を回った頃。
 さなは、漸くデスクワークから解放された。
 定時は七時なので、三時間ぶっ通しで業務に追われていたことになる。
 駅のトイレで手早くメイクを直したさなは、宏太郎との待ち合わせ場所のカフェへ直行した。
「ごめんね、待たせちゃって……」
「いいって、仕事だもんな」
 宏太郎は、カフェ奥のボックス席に座って、分厚い本を読んでいた。駆け寄ってきたさなに気づくと、かけていた黒縁の眼鏡を外して、笑顔で微笑む。
 その表情を見るだけで、さなの疲労はどこかへ吹き飛んでしまった。
「それより、この後どうする?」
「あ、そうよね。この時間だと、お店だって──」
 今日は金曜日。
 本来なら定時で仕事を終えて、二人でディナーデートをする予定だった。
 しかし、夜十時を過ぎれば、ゆっくり出来る場所は居酒屋かファーストフード店くらいに限られてしまうだろう。
「とりあえず、外に出ようか」
 宏太郎は、さなの手をぎゅっと握りしめて立ち上がった。骨ばった男性らしい掌の感触に、さなの鼓動は逸る。
 だが、この時のさなは、まだ知る由もなかった。
 自分が抱え込んできた最大の秘密が、宏太郎との関係に、大きな亀裂を生んでしまうと言うことを──。

ご意見・ご感想

編集部

ありのままで生きるには誰が必要ですか?
ありのままで生きるには何が必要ですか?

人生初の彼氏が自宅へ来ることになって大慌てのさなちゃん!
実は「オタク女子」であるさなちゃんにとってその部屋は
パンドラの箱であり隠しておきたい秘密…(°m°;)
案の定、部屋を見た彼の反応は冷たいものでした…

ショックを受けるさなちゃんを厳しく諭しながらも、
不器用な優しさで慰める年下幼馴染の睦月くん。
そんな睦月くんに突然キスされて、さなちゃんは大混乱!
どうして?と悩みながらも考えるのは睦月くんのことばかり…

「幼馴染み」という存在の大きさに戸惑い、悩みながら、
本当の気持ちに気づくための甘く切ない恋物語をぜひご覧ください!

2016年10月19日 1:11 PM

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