「俺と結婚していただけますか。……できれば、褒賞とか王命などということとは関係なしに、あなたと夫婦になれたらとそう思っています」──背中の傷が原因で嫁ぎ遅れた男爵令嬢のウルリカ。没落寸前の実家の事情で、とある美術商との望まぬ結婚を余儀なくされていた彼女のもとに、ある日国王からの親書が届く。告げられたのは『騎士との結婚』。騎士のアレスは平民出身ながら大きな武勲を挙げ、爵位と財産、そして妻を与えられることになったのだ。その相手に選ばれたのがウルリカだった。突然の話に戸惑いながらもアレスとの結婚を承諾するウルリカだったが、一方でアレスにとってウルリカはずっと気になっていた特別な相手だったようで……?