旦那さまのすてきなところを一日に三つ、見つけること──それが、亡き母が私に授けてくれた、幸せになるための魔法。
『小鳥』と呼ばれ家族の慈しみを一身に受けて育ったティユールの姫・アルエットは、厳格で冷酷無比なことで知られるノルドグレンの大公・エリアスの婚約者となり、彼のもとでともに暮らすことになる。愛を知らずに育ったエリアスは冷淡だったが、アルエットは、いつか心を通わせることができると信じ、彼のすてきなところを三つしたためた手紙を送り続ける。はじめはそれを拒んだエリアスも、彼女の真心と涙に触れるうちに、次第にアルエットを求めるようになって……。
「私におまえの愛を教えてくれるか?」