夢中文庫

契約恋人だったはずですが

  • 作家雨宮れん
  • イラストneco
  • 販売日2018/09/14
  • 販売価格300円

社内で女性で大人気の尾上に呼び出された月乃。何事かと思えばアルバイトを頼まれる。週末に行われる祖父の誕生会に「恋人のふり」をして出席してほしいと。このままでは強引にお見合いさせられそうなので、恋人を紹介してけん制したいのだという。提示された金額に驚く月乃だが、金額よりも困り果てている尾上のために引き受けることを決める。無事に計画は成功。契約解消と思いきや、尾上からこのまま交際してほしいとまさかの告白! そもそも、尾上との関係は偽装のための契約恋人だったはず。心は尾上へ傾くものの、月乃はある理由から自らに恋愛禁止令を課していて……。月乃と尾上のプラトニックな恋物語。

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第一章 思いがけない申し出
 終業後、会社近くのカフェに呼び出された中川(なかがわ)月乃(つきの)は困惑していた。
(尾上(おがみ)さんが、私に何の用事なんだろうな)
 月乃を呼び出した尾上恵也(けいや)は、佐田(さだ)空調サービスというビルや店舗の空調設備の販売や設置、メンテナンス等を行う会社で働いている。同じ会社ではあるが、月乃は総務部所属、尾上は設計部所属なので日頃親しく口をきくような間柄ではない。
(今日はつる屋のバイトもないから、遅くなってもいいと言えばいいんだけど……呼び出しておいて遅いんじゃない?)
 月乃が週三回、終業後にアルバイトをしているのは社内でも知っている人は知っている。上司に家庭の事情を話して許可はもらっているし、副業禁止規定はないので今のところ問題はない。
 店に入った時にミルクティーを注文し、読みかけの文庫本を開いたのだが、待っている間に読み終えてしまった。
 しかたなく今度はスマートフォンを取り出し、電子書籍のアプリを開く。まだ読んでいない本のタイトルを眺めていたら、上から声が降ってきた。
「……ごめん、遅くなった。呼び出したのは俺の方なのに」
「いえ、大丈夫ですよ」
 けっこう待たされたのは事実だが、気にするほどのことでもないのでにっこりとしておく。従業員を呼び、月乃はミルクティーのおかわり、尾上はコーヒーを頼んだところで、ようやく彼は月乃に向き直った。
(……尾上さん狙いの女子、多い理由もわかるな)
 月乃は目の前にいる尾上を改めて観察した。
 尾上は設計部の中でも、常に最高の成果を上げると社内での評価も高く、仕事ができる人間として知られている。
 顧客との打ち合わせも多いからか、清潔感を意識して短めに整えられた髪。切れ長の目、鼻は高く、きつく結ばれた唇は薄くて形がよい。すらりとした長身に、仕立てのよいスーツを嫌味なく着こなしている。
(あんまり意識したことなかったけど、ちょっとくらっときたかも)
 月乃は自分に恋愛禁止令を出しているので、尾上を恋愛対象として意識したことはなかったのだが、それでも、彼が女性を引き付けるであろうことはよくわかった。
 だが、彼はなかなか口を開こうとはしない。待ちきれず、先に話の口火を切ったのは月乃の方だった。
「──それで、私にお話ってなんでしょう?」
「中川さんに、アルバイトを頼みたい──一日十万円で」
「──十万?」

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