フォートリエを治める若き領主・アルベールとの結婚が決まった、ルグラン領主の娘・リゼット。顔合わせの日、リゼットは彼が一年前に収穫祭で出会った男性であると気づき再会を喜ぶが、あの時とは印象の異なるアルベールに冷たくあしらわれてしまう。「君と私は正真正銘、今日が初対面だ」──疑問を残したままリゼットはアルベールの妻となり共に過ごすうち、淡々として感情が見えづらい彼の優しさを知って惹かれていく。しかし、とあることがきっかけで二人の婚姻はリゼットの父にかけられた疑惑を明らかにするためにアルベールが企てたものだとわかり──。わたし、アルベール様を守りたい──リゼットは家族の闇を自ら暴くことを決意して……