「貴様との婚約を破棄すると言ったのだ!!」──突然、一方的な婚約破棄を突きつけてきたのは10年以上も婚約関係にあった第二王子、ダウンズ殿下。正直、普段から酷い言葉は投げかけられているし、私のことなんて欠片も好きじゃないんだろうと思ってはいた。でも婚約者としてできるかぎり寄り添ってきたつもりなのに、彼はその傍らに私の知らない女性を侍らせて、さらにはなぜか私が責められている。なんと理不尽なのでしょう!! あまりのショックに崩れ落ちる私を支えてくれたのは、国を守る将軍の一人、カイル・アディード様でした。彼は私の父に歩み寄り──「わたしがご息女へ結婚を申し込む許可をいただきたく」……え? 今、なんて?