ふだんと違う私を疑わないで。この指は私を触っている……? もうすぐオサムと結婚する絵里。仕事や身の回りの整理も順調に済ませ、式まであと数日という時に受け入れがたい悲劇が彼女を襲う。 皮膚の奥まで沁みてくるような愛を感じることも、そのぬくもりが本当に自分のためだったのか尋ねることも、もうできない。 淋しさを抱えレコード店の店長となった彼女に、不愛想で「顔だけはいい」佐鳥は冷たい。 なぜこんなにも絵里に厳しい態度をとるのか、絵里がずっと感じていた淋しさの理由と繋がっていて―― 佐鳥の本当の気持ちを聞かされた時、絵里は佐鳥に、佐鳥もまた絵里に抑えきれない愛しさを感じる。 共鳴する愛が向かう先には……?