夢中文庫

初恋スキャンダル!

  • 作家宇佐川ゆかり
  • イラスト中田恵
  • 販売日2016/03/01
  • 販売価格300円

「俺が、そんな男かどうか――君自身で確認してみるっていうのはどうかな?」――憧れの先輩・大輔を追いかけて入社した悠里は配属先で偶然本人と再会する。まさかの事態に舞い上がる悠里だが、職場の先輩から大輔に関する良くない噂を聞かされる。「会社の女の子にしょっちゅう手を出してるって噂だもの」学生時代の彼はあんなに真面目だったのに? ショックを受けるも自分の中の印象とのギャップに半信半疑の悠里。そんな中開かれた歓迎会で悠里は大輔と急接近! 噂が気になりつつも、いつもさりげなく助けてくれる大輔の優しさに惹かれていくことを止められない。それでもいい、先輩と一緒にいられるなら……悠里の初恋の行方は?

西原悠里(にしはらゆうり)は、会社のエントランスで右手をぐっと握りしめた。
(今日から新しい部署に配属だから、気合いを入れていかないと)
 株式会社リファナ──輸入雑貨を主に扱っている商社──は、悠里がどうしても入りたくて入りたくてしかたのなかった会社だ。
 もともとは雑貨を輸入して全国の販路に展開しているだけだったのだが、数年前からは自社製品を扱うための直営店も展開している。
 収入の少ない学生でも気軽に買えるくらいのお手頃価格、可愛くて、使い勝手のいい雑貨は、悠里だけではなく、若い女性達の間で大人気だ。
 雑誌ではリファナの製品を使って、部屋のインテリアをワンランク上に見せる方法が特集されていたりする。
 けれど、この会社に悠里が入りたかったのは、それだけが理由ではなかった。
(……お付き合いできるとか、そんな風に思ってるわけじゃないけど、先輩と同じ会社で働けたらいいな)
 そんな不純な動機込みでも内定を勝ち取ることができたのは、きっと悠里の熱意が伝わったからだ。
 今年の三月に大学を卒業し、そのまま四月に入社した。三カ月の研修をへて、今日はいよいよ新しい部署に配属なのである。
(営業課だもんね、すっごく大変になりそう)
 今日から悠里が配属になるのは、リファナの中でも花形部署──営業部三課だ。
 近頃では、全国の百貨店やショッピングモールから直営店を開かないかという誘いが引きも切らないらしい。直営店ではなくても期間限定ショップの開店を打診されていたり、既存の店舗でリファナの商品を取り扱いたいという依頼が増えたりしているのだそうだ。
 それぞれの店舗にあったラインナップを提案していくのが、三課の仕事だ。今、一番期待されている課でもある。
 そんなところに配属になったのだから、悠里の気合いが高まるのも当然だ。
(よし!)
 エントランスの前で、いつまで立っていても、仕事ができるようになるわけではない。もう一度自分を鼓舞するように手を握りしめてから、悠里は中に入っていった。

ご意見・ご感想

編集部

憧れの先輩との初恋物語。悠里さんの先輩を追いかけて入社、会えるだけで幸せ!という初々しさや大輔さんの立場を考え健気に振舞う姿に応援したくなること間違いなしです◎

2016年3月1日 7:54 PM

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