『王子が生まれると、魔女に連れ去られる』北の森にある村の人々は、古くから魔女と恐れられ、このおとぎ話を信じる王家とは不仲である。村最年少の見習い魔女ティナは、ある日、村に届いた緊急の要請により、因縁の王宮へ派遣されることに。自分を一人前と認めさせるべく向かった王宮で出会ったのは、中性的な美しさを持つ王女ヴィルヘルミナ。ティナに与えられた仕事は、秘薬づくりと王女をより〝女性らしく〟すること。だが、ヴィルもおとぎ話を信じているようで、ティナに対して攻撃的だった。それでもティナはへこたれず、二人は次第に心を通わせ始める。ところが、この仕事の裏には何百年という時を重ねた深い事情が隠されていて……?