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いじわる社長の甘美な極上レッスン

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  • 作家藍川せりか
  • イラスト雪乃つきみ
  • 販売日2016/05/31
  • 販売価格300円

「こっちを早くレッスンするべきだったな」え? レッスンってこういうこと?――父の会社の倒産で落ちぶれてしまった元お嬢様の沙織は借金返済の為、朝・昼・夜とアルバイトを掛け持ちする日々。ある日、清掃員のバイト中にその会社の社長とばったり鉢合わせしてしまう。なんとそれは高校の同級生だった城ノ内貴之で……。それからというもの、バイト先にいきなり現れる彼に翻弄されてしまう。困った沙織は「貧乏が移るから関わらない方がいい」と宣言。ところが、「じゃあセレブと結婚すれば貧乏を抜け出せるだろう」とセレブなパーティに参加することに!? 言われるがままに流される沙織だけど、なんだか貴之の態度がおかしくなって――?

プロローグ
──城ノ内貴之(じようのうちたかゆき)、二十六歳。
 男性向けの人気ファッション誌で、独身ビジネスマンをターゲットにした月刊誌がある。その中で“今一番勢いに乗っているオトコ”特集で彼が取り上げられ、有能な仕事ぶりや、ライフスタイルなどが掲載された。
 数年前にネットショッピングサイトを立ち上げ、若くして年商数億という収益を上げる有能ぶり。今ではそのショッピングサイトで買い物をするのが主流になるほどで、若者たちから絶大な支持を集めている。
 仕事で成功しているのも勿論だけれども、彼の注目すべき点は他にもある。
 きりっとした眉に、涼しげな目元。高い鼻梁(びりよう)に硬く引き締まった唇がバランスよく顔の中に並べられており、あまりの美男子ぶりからテレビなどの出演もすることがあるので、一般人ながら女性ファンがいるとの噂(うわさ)もある。
 その上、男らしい雰囲気であるにもかかわらず、育ちのよさが滲(にじ)み出たような上品さを兼ね備えていた。
 そんな城ノ内貴之の朝は、誰よりも早く会社に到着するところから始まる。
 誰もいないオフィスで朝のコーヒーを自分で淹れて、ゆっくりと自分の時間を満喫する。そして新聞に目を走らせ、一日の始まりを楽しむのだ。
 今日もいつものように、自社ビルの最上階に到着し、社長室に向かう。朝の新鮮な空気を感じながら、社長室に到着すると、誰かが物音をたてていた。
──誰だ、こんな朝早くに。
 自分よりも早くにこのビルにいることも気に入らないが、ましてや社長室に勝手に入っているなど論外だ。何か変なことをしている輩(やから)がいるのではないか、と警戒する。
「誰かいるのか?」
 ガタガタと音がする方へ、声をかけてみる。すると物音は静まった。
「あ、おはようございます。このビルの掃除を担当している者です。社長さまは早くに出勤なさるということだったので、一番に掃除に入ったのですが、まだ終わっていなくて申し訳ございません。すぐに退出いたします」
 貴之に気が付いた女性は、顔が見えないほど深々と頭を下げ、掃除用具が入った大きなワゴンを引いて足早に去ろうとした。
「ちょっと待ちなさい」
「はい……」
 貴之が呼び止めると、女性は足を止めて振り返った。
 その女性は貴之と同じぐらいの年齢で、茶色い髪を一つに束ねて、ピンクの作業着を着ている。地味な制服を着ているのに、顔立ちが華やかでとても愛らしい顔をしていた。
 どこかで見たことがある気がする。記憶を辿(たど)ってどうにか思い出そうと彼女の顔を凝視した。
「君……」
「……?」
 どうして社長に呼び止められたのか理解できない女性は、不思議そうな表情を浮かべて顔を少し傾けた。
「君、名前は」
「あ、はい……。穂坂沙織(ほさかさおり)と申します」
──穂坂沙織。名前を聞いて思い出した。
 貴之の中の点と点が繋がり、モヤモヤしていた胸がすっと晴れていく。
「穂坂、久しぶり。城ノ内だ」
「城ノ……内くん……?」
「高校卒業して以来だな。お前みたいな生粋のお嬢様がなぜそんな格好をしているんだ?」
 貴之から質問を投げかけられ、沙織は顔を曇らせて黙ってしまった。
 こんな風に再会するなんて、と貴之は口角を上げていじわるそうな微笑みを浮かべる。それに目の前の女性が、昔と全く違う状況になっていることになぜが無性にワクワクしていた。

ご意見・ご感想

編集部

元お嬢様×いじわる社長!!
どんなに落ちぶれてしまっても前向きに
アルバイトに励む沙織ちゃんが健気っヽ(。>д<)p 対して、いまや社長の貴之君の世間知らずっぷり(笑) 微笑ましくもあり迷惑でもあり…… そんな貴之君の行動にもひたすら優しい沙織ちゃん、 もう好感度MAXですっ(*´∀`*) そんな沙織ちゃんが貴之君に翻弄されつつも 素敵な大人の女性へと変わっていく様子に惚れ惚れ~ 貴之君がいじわるしたくなる気持ちがひしひしと。 貴之君の不器用っぷりにも注目ですっ♪

2016年5月31日 6:47 PM

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