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恋人ごっこ~強引副社長と思わせぶりな秘め事~

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  • 作家あゆざき悠
  • イラスト炎かりよ
  • 販売日2016/06/01
  • 販売価格400円

「彼女の振りをしてくれ」高校の時に恋人の振りを頼まれた杏奈。卒業と同時に終わったはずの関係が、六年を経て再び「恋人の振り」をすることに。密かに思いを寄せていた慧斗に対し、杏奈は複雑な想いを絡ませる。それだけでも充分悩みの種だというのに、親友朋子の様子がなんだかおかしい。朋子になんでも相談したいのにできない、そして何も相談してもらえない。どうしてこんなことになってしまうのだろうと悩むけれど答えは見つからず……。そんな折、慧斗が突然「もう遠慮はしない」と宣言。仕事中なのにキスの嵐。どうしよう、頭が急展開に追いつかない――熱っぽい彼の視線にドキドキさせられっぱなしの杏奈はついに――。

プロローグ
 高校の帰り道、歩道橋を駆け上がった彼女は目の前に男子の姿を見つけた。小学校からクラスだけはずっと同じ。だけど、ほとんど話したこともない男子。彼は他のクラスメイトとは少し違う雰囲気だった。
 何となく怖くて彼の顔を見ないように、彼女は彼の横をそっと通り過ぎようとした。
「話がある」
 バリトンの声が響き、ビクッと身体が震えてしまう。
(こ、怖いっ!)
 びくびくと震えながら、彼の前で俯(うつむ)いていた。怒られるのか、何か文句があるのか、どれも心当たりはないのに彼女の心臓はギュギュッと縮こまってしまった。
「俺と──付き合ってくれないか?」
 頭上に響いたその言葉に、彼女の頭の中は真っ白になった。何も言葉が思いつかない。嬉しいような──いや、困るような──感情が複雑に絡み合い、からかわれているような気がしなくもない。
 答えに困った彼女にとっては長い沈黙だった。
 その沈黙を破ったのは彼の声だ。ふっと息を含んだ笑みを漏らし、バリトンの声が再び響いた。
「お前──本気にしたのか? 彼女の振りをしてくれればいいんだ」
「ふぇっ? 彼女の振り?」
「あぁ──俺ら、高二だろ。俺、本気で勉強しなきゃならないんだ。他の女と遊んでいる暇が無い。彼女っていうのがいれば、あいつらも付き纏うこともないだろうし」
「──人を女よけに使おうってことなの?」
「まぁ、そういうことだ。お前なら家も通り道だし、朝と放課後一緒に帰るだけで、付き合っている振りは成立するだろ?」
 肩の力が一気に抜け、溜息を漏らした。
「冗談でしょう?」
「本気だぞ。彼女の振り、明日から頼むな。あぁ、朝は迎えに行く」
 彼はそれだけを言い捨て、さっさと歩道橋を渡ってしまった。
 その翌日、彼の恋人として彼女は有名になり、高校卒業まで渦中の人となった。
 高校を卒業すると同時に、恋人の振りという話は自然に消えた。進学先の大学はお互いに別々で、実家暮らしだった彼女は最寄りの駅でも彼と出会うことが無かった。
 パチッと大きな目を開き、何度か瞬きを繰り返した。ゆっくりと起き上った彼女は両膝に額を乗せる。
「何で──今更、あの時の夢なんか見たの?」
 あの日、本当は嬉しかったのだ。彼に密かに想いを寄せていた。しかし、彼が相手をしてくれるわけがない。彼は他の人たちとは違っていた。大人っぽいだけではなく、成績優秀、眉目秀麗、そしてスポーツも万能だった。しかし、彼は自慢にすることもなく、誰からも一目置かれる存在だったのだ。
 ゆっくりとベッドを出て、彼女は立ちあがる。グイッと伸びをしてカーテンを開けた。憂鬱な気分とは裏腹に、明るい朝陽が目に入る。
「一時間も早く目覚めちゃった」
 早起きをした彼女は、シャワーを浴びてゆっくりと朝食を摂った。
 せっかくのいい天気なのに、彼女は嫌な予感を胸に抱いていた──。
第一章:辞令
 入社二年目、グループ秘書として日々成長してきたつもりの宮本杏奈(みやもとあんな)は、いつも通り出社した。
 秘書課に入ると、いつもとは違う雰囲気に杏奈は戸惑いを覚えた。
「お、おはようございます」
 挨拶をしても、誰からの返事も無い。みんながホワイトボードに目を向けていた。
(何かあったの?)
 人垣の隙間から、杏奈はホワイトボードを覗きこむ。見慣れない言葉が目に入り、杏奈はその文面を目で追った。
(辞令? へぇぇぇ、秘書課でも辞令ってあるんだ? 宮本杏奈──? えぇぇっ? 私? 私が──何? えっと──うぅぅ、見えない)
 身体を動かしても肝心な言葉が見えない。
(ミスが多いからクビ? それとも秘書課以外に配属?)
 ドキドキしながら、杏奈は次の言葉を見ようとしていた。

ご意見・ご感想

編集部

杏奈ちゃんと慧斗さんに共通する秘密…!?
朋子っっあなた一体なにをコソコソ裏で動いているの…??

真面目でしっかり頑張っている杏奈ちゃんを応援したくなること間違いなし!
だ、だから、杏奈ちゃんを困らせないであげて―――(≧≦)

慧斗さん早く早く…杏奈ちゃんを助けてあげてo((=゚ェ^=))o
見た目はもちろん、言動も性格もイッケメンな慧斗さんに夢中☆

二人がどんなふうに絡まっていくのか、ドキドキワクワクでお楽しみ下さい♪

2016年6月1日 1:43 PM

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