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本日恋日和~小悪魔を虜にさせたい~

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  • 作家あゆざき悠
  • イラストヤミ香
  • 販売日2017/02/03
  • 販売価格400円

OLのあかねは突然、欠員が出たからと親友の瑞希と一緒に慣れない合コンへ参加することになってしまう。場違いなノリについていけない二人に声をかけてくれたのが佑。彼の軽い雰囲気にその場は楽しく過ごせたけど、あかねは時折見せる彼の影や、本音に惹かれていく。軽いノリで連絡先を交換し、彼から頻繁に連絡が来るけれど―。ナンパな彼はたくさんの子と仲良くて?みんなのモノと言われる存在??そして瑞希も佑が…。瑞希を応援したいけど、あかねも佑への気持ちが止められない。そんな折、真冬のバーベキューであかねは佑に掴まってしまう。軽くて複数の女性とその場限りの付き合いを繰り返してきた佑。彼を巡ってライバルが次々と現れて―

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第一章:運命の出会い?
 十二月に入ってすぐの金曜日、崎島(さきしま)あかねはいつもの時間より一本早い電車に乗り込んだ。二駅目から乗り込んできたのは、同期で同じ部署の田岡(たおか)瑞希(みずき)だ。
「おはよう、あかね。寒いねぇ」
「瑞希、おはよう。今日は一段と寒いね」
 二人は特に待ち合わせているわけではないが、毎朝同じ電車で会うようになっていた。金曜の朝はいつも三十分早い出勤だ。
「ね、あかねは何だった?」
「あ、占い? 今日は運命の人に出会えるって」
「えぇっ? あかねも?」
「え? 瑞希も同じ?」
 二人は同じ血液型でもなく、同じ星座でもない。性格も正反対と言っていい。
「うーん、同じではないけど、似ているわよ。素敵な人に出会えるって」
「すごいけど」
 あかねはクスッと笑って言った。つられたように瑞希もニッと笑う。
「金曜の夜に予定、何もないんだけどねっ」
 瑞希の言葉に笑うだけだ。
 電車を降り、人混みのホームと改札を抜ける。二人は人にぶつかりそうになりながら、ようやく駅を抜けた。
「ね、あかね」
「どうしたの?」
「夜、ご飯に行こうよ。軽く呑(の)みにっていうか」
「そうだね。いいよ、行こう」
「そこで出会いがあるかもだもんねぇ」
 瑞希らしいと思いながらあかねは笑うだけだった。
 更衣室で着替えを済ませ、二人は総務のフロアに向かう。あかねは主に入力業務、瑞希は受発注の管理をしている。広告代理店で働くあかねと瑞希は部署に入ると、それぞれ別々の仕事をしていた。
 昼休憩になると、二人は一緒に食堂で弁当を食べる。あかねは実家暮らし、瑞希は彼女の姉と一緒に住んでいるらしい。
「瑞希って自分でお弁当作っているんだよね?」
「ん? あ、でも簡単なものだよ」
「夕食も自炊?」
「うん、一応当番制。でも姉は看護師だし、不規則だからね」
「でも偉いなぁ」
 あかねがそう言うと、瑞希が笑う。
「でもあかねみたいに私は、お菓子作れないからね」
「あ、今日はね」
 あかねはお菓子作りが好きだった。毎日のように食後のデザートとして、手作りお菓子を作ってくる。
「うん、今日は何? いっつも楽しみなんだよね」
 瑞希が笑いながら、あかねの手提げ袋を覗(のぞ)き込む。
「うん、アップルパイ。ね、瑞希はハーブティー、平気かな?」
「んんっ? 紅茶も持ってきたの?」
「うん、どう?」
 二人の昼休みはいつもこんな感じだった。
「じゃ、定時で終わらせようね。瑞希」
「あかねこそ、ちゃんと終わらせてよ」
 二人は昼休憩を終わらせ、仕事に戻る。
 退社時間まで黙々と入力業務をこなすあかねは、ミスのない仕事をすることで信頼されていた。
「崎島さん、これもお願い。火曜日まで」
「かしこまりました」
 あかねに仕事が集まるのは、早くて丁寧だからだ。普段はおっとりしていてのんびり屋のあかねだが、仕事に対しては迅速で要領もいいのだ。
「田岡さん、あれ、届いてる? 今日到着だったよね?」
 瑞希は記憶力もよく、仕分け作業が早い。受発注において彼女の仕事は完璧だと言えるだろう。
 そんな二人は入社して二年目、後輩にも頼られるようになっていた。
 退社時刻になってすぐ、あかねは立ち上がった。書類をすべて課長のデスクに置き、頭を下げる。
「お先に失礼します」
 挨拶を済ませると、あかねはすぐに更衣室に向かった。一足先に瑞希が更衣室にむかっているはずだ。
 更衣室のドアを開けようとしたあかねは、いつもよりも更衣室が騒がしいと思った。
「ね、お願い。田岡さん」
 瑞希が誰かに何かを頼まれているようだ。あかねが自分のロッカー前に行くと、瑞希の前で手を合わせている二人の女性がいる。
 この二人とも同期で彼女たちは企画部に配属されている。
「あかね、あのね──」
 瑞希が困ったような顔であかねに訴えてきた。
「崎島さん、助けて!」
「え? えっ? 助けて?」
「今日、合コンなの。なかなかブッキングできない相手なのに、二人も欠勤しちゃって」
「う、うんっ?」
 あかねは二人の勢いに押されて何が何だかわからなかった。

ご意見・ご感想

編集部

友情と恋……あなたなら、どちらを取りますか?

あかねちゃんはどちらかというとおっとりしていて、
自分よりも人を優先してしまう穏やかな性格……
そんな彼女が恋をした!
そして親友も同じ人に!!?

あきらめることはできない。
でも親友を出し抜くみたいに、積極的になることもできない!
友情と恋愛、どちらを取ることもできずにいた彼女のもとに届いた冬のBBQ!?

ナンパな雰囲気でどこか掴みどころのない佑さんはまさに小悪魔!
でもふとした瞬間に見せる、堅実な素顔やほの暗い影にドキドキしながら、
翻弄されていくあかねちゃんを、是非応援してあげてください(゚∀゚ノ)ノ

三角関係どころか、多角形関係!?
そんな多難な恋の道の行末……お見逃しなく……!

2017年2月3日 12:04 PM

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