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冴えない上司に恋する理由~この男、実はキケンな肉食獣!?~

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  • 作家黒羽緋翠
  • イラスト中田恵
  • 販売日2016/03/07
  • 販売価格300円

「俺が好きなら好きって、素直に言えよ」会社帰りにナンパ男たちと口論になり、絶体絶命のピンチを美形男に助けられた沙帆。まったく覚えがないのに「おまえと逢ったのははじめてじゃない。俺の正体を教えてほしかったらついて来い」と挑発され、ホテルに。結局正体が分からないばかりか、翻弄された挙句にお酒に弱いという弱みまで握られてしまう。翌日、不機嫌なまま出勤した沙帆だったが、実は男の正体が同じ部署の冴えない係長の二宮であることに気づく。悔しくて気づかぬフリをする沙帆だが、「俺の正体にとっくに気づいてるんだろう?」と言い放たれ――。翻弄されてばかりなのに、恋する気持ちが止められない! 強気女子の恋の行方は?


「沙帆(さほ)、開発部との飲み会をせっかく取り付けてきたのに、またパスなの?」
「うん、お酒を飲む気分じゃないし、それに二宮(にのみや)との残業を代わるから許して?」
 勤務時間中だというのに、機嫌が悪そうに頬を膨らませた菊池綾乃(きくちあやの)の機嫌を取りながら、内心でため息をつく。
 同じ部書の同期だけに綾乃の機嫌を損ねるわけにはいかないと思いつつも、実に面倒くさい。
 そんなことを思うのは自分だけだろうかと倉橋(くらはし)沙帆は内心で考える。
「まぁ、残業を代わってくれるならいいけど、沙帆は男受けがいいのにもったいない」
「私じゃなくてもかわいい子はいっぱいいるでしょ? そういう子を連れて行きなよ」
「沙帆は彼氏が欲しいとか思わないの? かわいいのに残念」
(と言うか、会社で彼氏を作りたいとか思うほうが残念だから!)
 心の中でつっこみながらも、それを表に出さないように微笑む。
 そうでもしないと、この同僚はしつこく誘ってきそうなので、なるべく波風を立てないようにやんわり断る。
「二宮との残業を代わってくれるなら、うまくごまかしておくよ」
「ありがとう。綾乃」
「それにしても二宮との残業を代わってまで行きたくないなんて、変わってるよね」
 綾乃は黒縁眼鏡をかけた、上司をちらりと見てため息をつく。
 二宮玲人(れいじ)。総務課の係長だが、いかにも冴えない風貌で女性社員からは嫌われている。
 ただ、二宮の存在はどうしても飲み会に行きたくない沙帆にはありがたいものだった。
 倉橋沙帆、二十四歳。彼氏いない歴四年。
 大学生の頃にサークルの先輩と付き合った経験があり、身体を重ねた。
 彼が強引に飲み会に誘ってきたことで、口論となりケンカ別れをした。
 それ以来、彼氏を作ることさえも面倒くさくて恋愛とは無縁な生活を送っている。
 何よりもお酒が苦手で、社会人として出席しなければいけない場所でも口をつけたフリをするほどだった。
 アルコールの味ももちろん苦手だが、ほんの少量のお酒を口にしただけでも酔ってしまう。しかも、酔うだけならいいのだが、やっかいなことに性格まで変わってしまうので、お酒の席はできるだけ避けている。
 強気で意地っ張りな性格の自分が、酔うと素直でかわいくなるなんて絶対に知られたくない。
 そのことを唯一知る親友だって、いまだに酔った時のことをからかってくる。
 だからこそ絶対に人前でお酒を飲むのは嫌なのだ。
(それに、みんなが嫌うほど、私は二宮が嫌いじゃないんだよね)
 自分でもどうしてなのかわからないけれど、沙帆はそれほど二宮が嫌いではなかった。
 もちろん恋愛感情とかではないのだけれど。

ご意見・ご感想

編集部

黒羽緋翠先生待望の新作は、素直になれない強気女子×肉食系仮面上司です。
お酒が入ってしまってふにゃふにゃになってしまう沙帆さんがとっても可愛らしい! 二宮さんに振り回されてしまう自分に悩んでしまうけれど、本当に翻弄しているのはどっち!? 二宮さんの仮面の理由にも注目です☆

2016年3月7日 6:39 PM

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