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等身大のキスをして~王子様は突然現れました~

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  • 作家水戸けい
  • イラストまろ
  • 販売日2016/05/18
  • 販売価格500円

小林優衣。29歳。強いふりをして、ひとりでも平気な自分を演出して、恋愛にも結婚にも興味がないような顔をしてきた。これでいいと生きてきたのに、いまさら「彼氏ほしい、結婚したい」なんて言ったら、いままでの自分を裏切るみたいだ。でも、本当は、愛されたいし、可愛いって言われたいし、女らしくしたいと思ってる。洋画のようなロマンスにあこがれながら、違う世界のことだと達観している三十路直前の女。最高にかっこわるくて女子力と無縁の私に、どうしてこんなに可愛くてイケメンな年下の彼が――?「等身大でいいんだよ」と教えてくれる生島くんの、強引だけど優しい態度に、強がりで意地っ張りな私が消えていく……


 まったく、どうかしているわ。
 人数合わせ。それも、引き立て役としての誘い。
 そうとわかっているくせに、私ってばどうして合コンの誘いを受けちゃったのかしら。
 小林優衣(こばやしゆい)。29歳。自慢なのは、サラサラのストレートヘアです。
 なんて、ばかばかしい自己紹介をして愛想笑いを浮かべて、挨拶がわりの質問に答えて。
 しばらくすれば私に声をかける人なんて、いなくなる。
 わかっていたけど、面白くない。
 スタイルがいいと言えば聞こえはいいけど、ただ細いだけ。出るとこもそんなに出ていないし。なんていうの? 枝とか爪楊枝とか、なんかそんな感じの貧相な体つき。
 肌がきれいと同僚は言ってくれるけど、化粧っ気がないだけ。
 面倒くさいから、紫外線対策も兼ねた伊達メガネで顔を隠してる。
 自慢の髪の毛だって、カラーもパーマもしていないから、そういうことをしてきた子よりも痛んでいないっていう、ただそれだけ。
 こんな女より、可愛げのあるファッションをしている子のほうが、ずっといいに決まってる。
 まあ、安く飲み食いできると思えばいいか。
 盛り上がっている面々をながめながら、居酒屋の座敷の入り口の隅でひとり、チューハイをあおる。
 はー。
 早く終わらないかな。
 そんなことを思いながら、ぼんやりと過ごした合コンの支払いは、男が8割、女が2割と決まった。
 財布から割り当てられた料金を取り出して、幹事に渡す。
 飲んだ量の半額以下。
 同僚たちといっしょに、ごちそうさまでしたと笑顔で挨拶。これはぜったいに欠かせない、大切な礼儀作法だ。
 二次会どうする? カラオケ行こうよ、という声が上がる。
 私の役目はここで終わり。ただの人数合わせだし、誰も私になんて興味を持っていないから、帰ってもなんとも思われない。いっぱい飲んだし疲れたから、家に帰ってゆっくり寝たい。
 さて。
 どう断わって帰ろうか。
 いくら人数合わせでも、へんな別れ方をすれば不快な思いをさせてしまう。
 さりげなく、不自然にならないように「先に帰るね」と言うためには、やはり「飲みすぎちゃったみたいだから」がいちばんだ。
 そのために、たっぷりとチューハイを飲んだんだし。
 ふと、ガードレールに腰かけていた人と目が合った。
 居酒屋の灯りに浮かび上がったその姿に、ふっと意識を奪われる。
 なんだろう。
 なにか、ひっかかる。
「やだ、かっこいい」
 ちいさな同僚のつぶやきに、ハッとした。
 たしかに、かっこいい。
 その人が立ち上がり、うれしそうな顔をして近づいてくる。誰かの知り合いだろうか。
 足、長い。
 丸顔というか、童顔というか。幼い感じの柔和な笑顔が、ちょっと可愛い。茶色のクセ毛はふわふわしていて、やわらかそうだ。触ったら、意外と固かったりして。
 そんなことを思いながら見ていると、その人は私の前で立ち止まった。
「えっ」
 間違いなく、私を見ている。
 背が高い。
 誰だっけ?
「僕を嫉妬させるために、合コンに参加したの?」
 は?
「えっ。なに……。この人、小林さんの知り合い?」
 背後から、そんな声をかけられた。
 違いますよ。
 振り返って言おうとしたら、強い力で腰を引き寄せられた。
 かと思うと、顎に指をかけられる。
「ひどいなぁ」
 甘い笑顔に吸い込まれる。
 見惚れていると、メガネを奪われた。
 顔が近づく。
「んっ」
 唇が優しくついばまれて、反射的に目を閉じてしまった。
 キスが繰り返される。
 ふわふわとして、気持ちいい。
 同僚たちの黄色い悲鳴が聞こえたかと思うと、口内にやわらかなものが侵入してきた。

ご意見・ご感想

編集部

おひとりさまに慣れすぎて、頑張るクセがついてしまって……
という、「おひとりさまこじらせ女子」の優衣さん。
わかるわかる~と思いながら読んでしまいますヨ
(●≧艸≦)゛

女子力が低いことがコンプレックス。
女子力が高めなパステルカラーな彼女たちが羨ましい。
私も可愛いって言ってほしい。
でも、自分がそうなったら笑われるかも……

ぐるぐると考えてしまう優衣さんに共感MAX!!
そんな彼女の前に颯爽と現れた翔くんはまさに、王子様
(●≧∪≦●)

社会に疲れた女子の味方!な作品ですっ♪
是非是非、癒されてください~~~

2016年5月18日 2:12 PM

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