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初恋は甘い棘~ツンデレ魔術師と結婚することになりました~

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  • 作家猫屋ちゃき
  • イラスト不破希海
  • 販売日2017/03/17
  • 販売価格600円

修道院にいた伯爵令嬢ミリアムは、幼馴染であり次期子爵家当主のレナートゥスから突然求婚され、実家に戻ることに。美しく成長し、美容にまつわる魔術でひと財産築いたレナートゥスは、ミリアムの服装や振る舞いに容赦なくダメ出しをする。それでも時折見せる可愛らしい様子にミリアムはほだされていき、彼と夫婦として寄り添っていく決意をする。だが、あるとき二人の結婚に反対している兄が、ミリアムを説得しに来る。「お前は、あの男に都合よく利用されているだけだ」――そう言って、兄はレナートゥスに対するある疑惑を口にする。それの疑惑とは……。自信のない令嬢と素直になれない魔術貴公子の、こじれた初恋は成就するのか!?

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第一話 棘の痛みを思い出す
 毛並みの美しい馬が引く二頭立ての馬車の中で、ひとりの娘が背を丸めて考えごとをしていた。
 伯爵家の紋章が入った車体は立派で広々としており、そんなふうに体を小さくする必要はないのだけれど。それはもう、この娘──ミリアムの癖になってしまっているのだ。
「一体、どうなっているのかしら……」
 父からの手紙に目を落とし、ミリアムは呟く。
 何度読み返したところで、内容が変わることはない。それでも、書いてあることが信じられなくて、ミリアムは馬車の中で繰り返し読んでいた。
『ファステーンバーグ家のご子息から結婚の申し込みがあった。だから、すぐに帰ってきなさい』
 父からの手紙の内容を要約すると、こうだ。
 結婚のことなんて毛ほども考えていなかったミリアムにとって、父からのこの手紙はまさに青天の霹靂(へきれき)だった。
 何せミリアムは十六歳のときに自分の意思で修道院に入り、そこで一生過ごすと決めていたのだから。
「結婚なんて、私には無関係だと思っていたのだけれど」
 便箋をじっとりとした目で眺め、ミリアムは溜息をついた。読み返しても悩んでも、まったく納得できない。
 ミリアムはイェーリング伯爵家の娘だけれど、六歳上の兄がいる。だから、ミリアムが無理やりどこかに嫁いだり、婿養子をもらう必要はない。
 それなのに、結婚の申し込みがあったからと呼び戻されたのには納得いかなかった。
 しかも相手は、ミリアムの思い違いでなければ、ミリアムのことを好きでも何でもない人だ。
(彼が私を好きだなんて、間違ってもありえないわ。だとすると、持参金目当て……? そういう、卑しい考えは持たない人だったと思うけれど)
 ついに声に出すのもやめて、ミリアムはぐるぐると考え始めてしまった。
 ファステーンバーグ家は子爵位を持つ家柄で、よりどりみどりというわけではないにしろ、相手には困らない家だ。わざわざ、修道院からミリアムのような冴えない年増を連れ戻してまで妻に迎えなければならないということはないはずである。
(ということは、ほかに理由があるのかしら……)
 考えたところで何かが変わるわけではなく、無情にも馬車はイェーリング家の町屋敷に到着してしまった。
「おお! 美しくなったな、ミリアム」
「ミリアム、おかえりなさい」
 従僕に案内されたのは応接室。そこで父と母が笑顔と抱擁でもって迎えてくれた。
 久しぶりに両親に会って嬉しいと思うものの、温度差を感じてミリアムは戸惑ってしまう。
 そんな戸惑いになどまるで気づかない様子で、父はミリアムを見つめた。
「見ない間に、また大きくなったんじゃないのか?」
「…………っ」
 大きくなったのは、背か胸部か──ミリアムはさっと頬を赤らめて猫背をさらに丸めた。

ご意見・ご感想

編集部

全国のツンデレ&ギャップ萌えの皆様ーーーーっ!朗報ですっ!
身長170cmのミリアムさんと、172cmのレナートゥスさん!
2人が織りなすツンデレ&ギャップ萌えの嵐を、思う存分堪能してください!!!

外見についておちょくられ続け、すっかり自分に自信のなくなってしまったミリアムさん。
せっかくの高身長なのに背中を丸め込み、地味な服に身を包む…
なんだか身近なお話ですね。
わたしなんて…と目線が下に向い、ほんのり猫背になって、
この色の服は私に似合わないからとわざと地味な色を選ぶ。
心当たりのある、そんなあなたにも是非読んで頂きたい!

ミリアムさんに「自信をもってもらいたい」と振る舞う
レナートゥスさんの厳しくも優しい導きにトキメキつつ、
時折垣間見える素の彼に心臓を鷲掴まれてしまいますっ☆

お互いに心を通わせながら明るい未来へ成長していく、
ハートフル・ラブストーリーヾ(o´▽`)ノ
ごゆっくりお楽しみください~♪

2017年3月17日 9:24 AM

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