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妄想ヲトメの恋愛事情 キャリアウーマンは乙女小説がお好き?

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  • 作家ゆみみゆ
  • イラスト桐矢
  • 販売日2016/08/05
  • 販売価格300円

バリバリのキャリアウーマン二階堂茜は新プロジェクトのチーフに指名され、奮闘する毎日。一見クールで仕事熱心な茜だが、実は恋に恋するうぶな乙女。大好きな乙女小説を読んでは、主人公に自分を重ね「妄想」繰り広げるという妙な癖が。今日もオフィスには白馬に乗った姫や王子が乗り込んでくる! そんな妄想いっぱいの日々を過ごす茜に、ようやく恋の予感? 小型犬みたいに茜にまとわり付き、いつも全力投球の年下男子・椎名諒から猛アタックされ付き合うことに。恋愛経験ゼロの茜は、年上の余裕を見せなければと背伸びする。でも、いつも自然体の諒と付き合う中で少しずつ変化が……? ちょっとでこぼこな二人の爽やかラブストーリー!


『恋するBody! 触れて、トロける★』
「私、思ったんだけど“トロ”だと刺身みたいじゃないかな。ここはカタカナじゃなくて平仮名のほうがいい」
「あ、はいっ」
 廊下を歩きながら、二階堂茜(にかいどうあかね)は渡された資料をチェックした。ぽんぽんと飛ぶ彼女の指示を、後に続く男性社員が熱心にメモする。
「“触れる”も平仮名にしようか。“ふ”って字、よくよく見ると女の子がちょこんと座ってるみたいでしょ。デザインによってはかなり可愛くできると思う」
「なるほどっ……」
 角を曲がり、エレベーターホールの前に出る。茜は見ていた資料を閉じると、男性社員に返した。
「じゃあ会議は午後二時から。よろしくね」
「はいっ、あ、二階堂チーフ、資料作り、本当に手伝わなくていいですか?」
「うん平気。それは椎名(しいな)君に頼むから。ね」
 茜は振り返り、二人の後をよたよたとついてくるもう一人の男性社員に声をかけた。彼の手には山積みの資料が抱えられている。
「あっ、大丈夫ですっ、二階堂先輩の資料作り、俺が手伝いますから!」
「おいおい~……本当に平気かよ椎名。お前、この前もコピー機に紙詰まらせて大騒ぎしたじゃないかよ」
「大丈夫ですっ頑張りますっ」
 コピーを頑張られても、と苦笑しつつ、男性社員が立ち去る。残された茜と椎名諒(りよう)は、エレベーターの表示ライトがここ二十五階のフロアまで昇ってくるのを並んで見上げていた。
 ケージが到着する。中は無人だった。乗り込み、茜が目的の二十三階を押そうとした時だ。
「さすがだな、二階堂先輩」
 椎名諒が弾んだ声で言った。ボタンを押しかけた指を止め、茜は彼を見た。
「え?」
「先輩たちにキビキビ指示して……“ふ”の文字のこととか、俺、スゲーって思っちゃいました。二階堂先輩はやっぱりかっこいいなあ」
 ストレートな褒め言葉。つい、茜は彼から顔をそむけてしまう。
 ダメダメ。赤くなっちゃダメ。嬉しそうな顔もダメ。こんなの当然って顔しなくちゃ。
 私は、できる年上の女なんだから!
 すると、いつまでも動かないエレベーターに気付いた諒が言った。
「先輩。ボタン、ボタン。早く押してください。この資料結構重いんっすよ、俺、さっきから腕プルップルしてますもん」
「何言ってんの、若い男の子が」
「あっこれ見て見て、先輩」
「え?」
 彼を見上げた。そしたら。
 ちゅ。
 唇に、温かい感触が触れた。
 諒が屈み込み、茜にキスをしたのだ。
「っ!」
 のけぞりかけた。顔が一気に赤くなる。それを隠そうと、茜は二十三階のボタンを強く押した。
「なっ、会社ではダメって言ったでしょっ」
「え、でも扉閉まってるし」
「そっそういう問題じゃないですっ」

ご意見・ご感想

編集部

キャリアウーマンの隠れた趣味は乙女チックな妄想!?

プロジェクトのリーダーに抜擢されて大忙しなのに
会議中、いきなり妄想の世界にトリップしてしまったり、
初めてのお家デートで細部まで完璧にこだわったり、
キャリアウーマンとは思えない茜ちゃんの乙女っぷりが
とっても可愛らしいです~~~><
ライバルの鈴花ちゃんの悪意にまったく気づかない
天然なところもまた魅力ですね♪

そして、そんな背伸びがばかばかしくなってしまうくらい
自然体な魅力満載な年下男子・諒君!
普段は茜ちゃんにまとわりつくように甘えているのに、
大事なところでさりげなく茜ちゃんをフォローできる
隠れ包容力がたまりません!!

茜ちゃんのプロジェクトは成功するのか?
ライバル鈴花ちゃんの切り札とは?

隠れ乙女なキャリアウーマンわんこ系年下男子
甘酸っぱいラブストーリーをお楽しみください★

2016年8月5日 2:09 PM

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