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自信ありすぎなアイツとの恋愛攻防

  • 作家朝陽ゆりね
  • イラストnira.
  • 販売日2018/12/20
  • 販売価格400円

美人で仕事もできる女、中嶋亜希。ただし父と兄たち〝女の敵トリオ〟の影響による強烈な男性不信により、結婚、そして恋愛からも自分を遠ざけていた。一方、英国勤務から戻ったばかりのイケメンエリート・小田切慎は同期からアンタッチャブルな女・亜希の存在を知らされる。「落とせない女はいない」と亜希に興味を持ち近づき始める小田切。そうやって言い寄ってくる男にはウンザリ気味の亜希は彼に関わらないよう立ち回っていた。しかしある思惑から小田切の誘いに乗ることにするのだが──結婚・恋愛まったく興味なしなアンタッチャブルな女と、「俺が落としてやる」自信過剰な男、ふたりの負けられないバトル勃発!

プロローグ
「俺はマッカランで」
「かしこまりました」
 スタッフが返事をすると、すかさず同期の一人が「かっこいいねぇ」とからかった。
「本場にいたから口がスコッチになってるだけだ」
「確かに確かに」
「お前は俺たち同期の中で最有力株だからさ、期待してるよ」
「早く上のほうまで昇格して、アホな上司を一掃してほしいよなぁ~」
 星野(ほしの)、石川(いしかわ)、田中(たなか)がそれぞれツッコミを入れる。東京本店に勤務する同期たちだ。
「言ってろ。こっちは自分のことで精いっぱいだ」
 英国投資銀行であるサンクイーン・オブ・カンパニーの日本法人に入社後、たった二年の勤務で本国スコットランド支店に異動となった小田切(おだぎり)慎(まこと)は、五年の英国勤務を終えてこのたび東京本店に戻ってきた。
 明日から出勤の小田切のために、東京にいる同期で集まって内輪での歓迎会兼同期会を行っていた。ここは二軒目で、東京の夜景が一望できるホテルのバーラウンジだ。
「小田切のいい男っぷりには拍車がかかっているようだが、これだけは言っておく。ウチの部署にはアンタッチャブルな女がいる。美人だからって手を出したら不愉快な思いをするからやめておけよ」
「アンタッチャブル? 死語だろ」
「死んでねーよ。フツーに英語だろうが」
 同期の星野が片側の口端を歪めて文句を言う。
「それ、中嶋(なかじま)さんのことか?」
 と、隣に座っている石川が口を挟むと、
「ああ」
「中嶋?」
 星野の同意と小田切の質問の声が重なった。
「星野(こいつ)の部署、ってか、小田切(おまえ)が配属になった法人営業部にはさ、どんないい男にも絶対靡かない美人がいるんだ。我こそはって思う連中がアプローチしたが、みんな撃沈されている」
「へぇ」
「ヘンな女でさ。仕事も真面目でデキるし、責任感もあってしっかりしてるし、愛想もよくて周囲の評判もいいのに、自分をまったく生かそうとしない変人なんだ」
「なに言ってるのかさっぱりわかんねぇけど」
 小田切はスタッフがテーブルに置いたグラスの、自分のそれを手に取って一口、口にした。
「服装がさ、ダセェの」
「そうそう。職場(ここ)、お前の部屋かよって感じの服装でさ。しかも付き合いも悪い。歓送迎会、忘年会新年会くらいしかお誘いには応じない」
「美人なのに、もったいないよなぁ。もうちょっとマシなら絶対食いにいくのに」
「ドアホ。アンタッチャブルって言ってるだろうが。田中(おまえ)如き、相手にされねぇよ」
「違いない」
 はははっと笑いが起こるが、小田切がそれを制した。
「お前ら、もうちょっとわかるように説明しろよ」
 そうツッコミを入れると、同期三人の笑い声はさらに高まった。
「どういうファッションセンスしてるかは俺たちが説明するより明日見たほうが早い。けど、今も言ったように、美人なのに残念なアンタッチャブルな女だからさ、口説いて相手にされなかったら転勤早々恥ずかしいだろ。だから忠告してやってんの」
「そーだなぁ~。イギリス帰りのかっこよさ背負ってさ、それで簡単に撃沈されたらみっともねぇよなぁ。まぁ、幸いウチの部署にはいい女はいっぱいいるし、小田切を見てときめかない独身女はきっと中嶋さんくらいだろうから、無視したらいいんだよ」
 小田切はわずかに首を傾げた。
 この三人はサンクイーン・オブ・カンパニーの日本法人の中でも仕事がデキるしセンスもよくモテる男代名詞ド真ん中だ。黙っていても一流の女が寄ってくるというのに、ここまで相手にされないことを笑って言うほどのその中嶋という女、いったいどんな人物なのだろうか。
(逆に興味持つだろ。でも別に女は間に合ってるし、俺は面食いでもないし。自立した女がタイプなんで外見はどうでもいいけどさ)
 高級スコッチを飲みながら、そんなことを考える小田切だった。

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