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初恋ですが・・・?~運命のスキを感じたばかりなのに、サプライズ婚っ!?~

  • 作家あゆざき悠
  • イラスト弓槻みあ
  • 販売日2017/12/22
  • 販売価格500円

君ってさ、一目惚れして撃沈したタイプだろ?――親友の愛梨が遂に結婚!相手の葎のこともよく知っているから自分のことより嬉しい……そんなふうに愛梨の結婚式で感動していた羽田理香。でも次の瞬間、嬉しい気持ちが吹き飛ぶくらい失礼な男に遭遇。なんて人なのと怒っていたら実は新郎葎の親友で!?最悪な出会いの理香と園田健人だが、愛梨&葎夫婦も交えて会ううちに、お互いのことを気にし始めるように。理香は健人の誠実さに心を動かされ恋心に火を点けられた。急速に展開していく二人の関係。真面目な理香は戸惑っていたが健人の真っすぐな気持ちが伝わってきて、勢いに押されがちだった気持ちがついに変わる――!運命の恋、信じますか?

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第一章:理想の結婚式
 六月の日曜日、その日は大安で彼女は朝から美容室にいた。肩までの黒いストレートヘアは一度も染めたことがなく、彼女の性格通り真っすぐだ。彼女の名前は羽田(はねだ)理香(りか)、この日は親友の館山(たてやま)愛梨(あいり)の結婚式だ。
 愛梨とは高校一年生の時に知り合い、その彼とも同時に知り合った。二人は理香にとって理想のカップルで、お互いを唯一無二の存在として愛し合っている。誰が見ても二人の間に入り込む余地もなく、理香の理想の恋愛像だった。
(愛梨、綺麗だろうなぁ)
 愛梨の夫になる日高(ひだか)葎(りつ)がウエディングドレス姿の彼女を誰にも見せたくないと言って、結婚式が中止にならないことを願うばかりだ。
(葎くんならやりかねないんだよねぇ。本当に愛梨しか見ていないんだもの)
 理香は知らずに笑みを漏らしていたらしく、長年担当してくれている美容師のお兄さんも驚いていた。
「理香ちゃんがこんなに楽しそうなのは初めて見たかも?」
 美容師のお兄さんと言っても三十代後半の男性が、目を丸くしながら理香を鏡越しに見つめる。
「自分の結婚式よりも幸せな気分ですよ」
 理香がそう言い、美容師は笑っていた。
「自分の結婚式はもっと幸せだと思うよ」
 理香は想像もできないと言いながら、髪の毛が仕上がるのを待っていた。メイクも頼んでいて、いつもと違う自分が出来上がる。鏡を何度も覗き込み、唸ってしまう。
「理香ちゃんは素材がいいから、何をしても美人さんになるよ。どう? 気に入った?」
「──私じゃないみたい」
「職場での出会いは期待できないんだろ? 結婚式って出会いの場でもあるから気合を入れないと」
 美容師にそう言われ、理香は苦笑を浮かべる。
(好きな人の見つけ方がわからないんだもの)
 親友の愛梨と葎は中学生の時に一目惚れをして、運命だと感じたらしい。三年間、お互いに想いを秘めて卒業の時に葎が告白、二人は付き合うことになった。
 理香が二人に出会ったのは、まだ付き合い始めて間もない初々しいカップルの頃だ。
(付き合うって決めて親に承諾を得るなんて、すごいことだよねぇ?)
 難しいことだとわかっているが、理香もビビッと運命を感じて両親にも紹介できる人と付き合いたいと願っている。残念ながら、今までそんな運命を感じたことが一度もなかった。
 二人のような恋愛がしたい、年々理香はその想いが強くなっていた。二人と一緒にいることが多く、理香の恋愛に対する理想はハードルが上がっていくばかりだ。そのせいもあり、モテ要素はあるのに、彼女はいまだに彼氏という存在を作ったことがない。
「えっと、十五時からチャペルで挙式。チャペルは──」
 場所を確認して理香は親友の結婚式に向かった。
 チャペルでの挙式は、新郎の葎と新婦の愛梨、新郎新婦の親族と理香、そして新郎の親友らしい男性が一人いるだけだ。
(うわぁ、本当に綺麗。愛梨、お姫様みたい。それにしても葎くんがよく許してくれたよねぇ。こんなに綺麗な愛梨を誰にも見せたくないって言いそうなのに)
 理香はそんなことを思いながら、厳かな結婚式を見つめていた。
「それでは新郎新婦、誓いのキスを」
 親友のキスシーンはもっと恥ずかしくて照れてしまうかと思っていた理香だが、映画のワンシーンのような二人のキスは美しく感激して勝手に涙が溢れた。
(おめでとう、愛梨。これからもお幸せに──)
 素直にそう思ったのだが、感極まって言葉にならない。
「マジで綺麗だなぁ、愛梨ちゃん」
 理香のすぐ後ろで低い声が響き、彼女は振り返った。思わずキッと睨み付けたが、涙目の理香では迫力不足だ。
「あんた、葎くんの親友でしょう? まさか、愛梨狙いなの?」
 冗談じゃないと理香はケンカ腰でつっかかった。
「本当に綺麗じゃないか、愛梨ちゃん」
「まぁ、愛梨は綺麗だけど──でも好きだって雰囲気っていうか、目が彼女のことを狙っているじゃない」
「隙あらばとは思っていた時期もあったよ。だって愛梨ちゃんは初恋の人だから。でも、これでやっと吹っ切れたって感じかな。あの二人、危なっかしくて──お互いの想いが強いからこそ、絆もあるけど純粋すぎて脆さもあったからさ。でも、あんな幸せそうな笑顔、俺にはさせてやれないだろうしね。ってか、俺のことはどうでもいいだろ? あんた、誰?」
「私は愛梨の親友で──羽田理香。あんたこそ、名乗りなさいよ」
 感激した涙はどこにいったのか、理香は胡散臭そうに男を睨んでいた。
「羽田──理香? ふうん、聞いたことがある名前だな。俺は葎の親友、園田(そのだ)健人(けんと)。君、葎に一目惚れして撃沈したタイプだろ?」
 理香はギロッと健人を睨み付けた。

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