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爽やか男子と誰にも言えない秘密の性癖生活

  • 作家榎木ユウ
  • イラスト墨咲てん
  • 販売日2019/9/20
  • 販売価格300円

スポーツジムのトレーナーだという英に勧誘され、つい入会してしまった美空。英の笑顔があまりに爽やかで、また肉体美が素敵で、ついうっとりしてしまったが、実は彼がマンションのお隣さんだったことにビックリ! 英は美空のことを知って声をかけたらしい。そして運命の人的告白まで。グイグイ押してくる英に、自分の何が彼をこれほど惹きつけるのかわからない。だが英はここから「部屋に来てから付き合うかどうか決めてほしい」と不可解なことを言う。キスまでしておきながら。どういうこと? そしていざ部屋に入ると英は驚くべき行動に出る。驚愕して言葉を失う美空に向け、自らの秘密の性癖を語るのだが――その性癖あなたはOKですか?

プロローグという名のプロテイン
「だーかーら、いないっ!」
『そうなの? あなた、もう二十五過ぎたのに』
 電話の向こうの心配そうな母親の声に、結城(ゆうき)美空(みそら)は深いため息を吐いた。
「二十五なんてまだまだジャン。今は四十過ぎて初婚もあたり前なんだから、いちいち恋人の有無とか聞かないでよ!」
 思わず声が大きくなってしまったので、慌てて穏やかな口調に変えようと努めるが、それも難しい。
「この前だって、それでお見合いもってきたけど、駄目になったじゃん!」
 母の付き合いの手前、渋々承諾して受け入れたお見合いは、散々なものだった。
 相手は美空より五つ年上の三十歳の男性だったのだが、服装がとんでもなくアレだったのだ。
 体型や顔立ちに文句を言うつもりはない。好みはそれなりにあるが、それは相手も同じだろう。
 しかしながらわざわざスーツを新調して出向いたお見合いの場で、相手の男性がしてきた格好は、穴あきジーンズにジャラジャラチェーンつきの財布をぶら下げ、黒Tシャツに今時どこから探してきたのかわからない網のようななにかを被った格好だったのだ。
 本人曰く。
『パンク好きなんスよ』
 何がパンクだ、と美空は思った。仮にもお見合いと言われる席で、どうしてそんな格好で来たのかと暗に問えば、
『普段の自分を理解してくれる女性と付き合いたい』
 という答えが返ってきたので、だったらお見合いなんぞせずに交流の場で探せと強く胸の中で思ったのだ。
『確かにあの人はまさかそんな人だと思わなかったからお母さんも悪いと思うけど……』
 電話の向こうの母も、美空の話を聞いた後は『そんな常識外れの人』と激しく怒ったのだが、それに懲りることはなかったのだろう。
 こうして秋にさしかかる頃合いを見計らって、『誰かいい人いないの?』と電話をしてくるぐらいなのだから。
「お見合いだってしてあげたんだから、もうしばらくは放っておいてよ!」
『……だって隣の家の若葉(わかば)ちゃん、今度結婚するのよ』
 隣家の同級生の名前を出され、美空はもう電話を切りたい気持ちでいっぱいになった。
「隣の家の子が結婚したからって、私には関係ないし」
『それはそうだけど……』
 母としても年頃の娘に浮いた話の一つもないことが心配なのだろう。だが、次の瞬間、母から言われた言葉はいただけない。
『だってあなた、そんなこと言って今まで彼氏なんてできたことないじゃない』
「お、お母さんが知らないだけで、い、いるわよ!」
 思わず声がうわずってしまったが、それも仕方がない。
『可愛く素直に産んだつもりなのに、どうして彼氏ができないのかしらね……』
 いると詐称したのに、母にはまるっとお見通しだったことが悔しい。
 そう、美空は生まれてからこの方、彼氏というものができたことがないのだ。
 好きな人はできる。きちんと異性の男子だ。
 初恋だって経験した。
 それなのに、彼氏ができないのだ。

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