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カッコつけたい彼と拗らせ彼女の遠回りな恋愛関係

  • 作家本郷アキ
  • イラスト黒百合姫
  • 販売日2019/11/29
  • 販売価格500円

奏子は入社以来六年、同期の健斗に片思い中。ある日、健斗から意味深な誘いを受けそのままホテルへ。やっと結ばれた――歓喜の奏子は好きだと本心を告げるが、健斗の様子がおかしい。奏子の告白にも無反応で、さらに「悪い。こんなはずじゃなかった……」と。それはどういうこと? 私はセフレ対象だったの? 恋愛対象ではない? それから一年、体の関係はあるものの特に発展はなし。いや、体の関係しかない。やっぱりセフレなのかな? そう思い悩んでいた時、同僚に二人の関係をからかわれた健斗が不機嫌に「やめろよ。あり得ないだろ」と冷たく言い放つ。あり得ない? 私たちの関係はあり得ないの? 奏子の不安は頂点に達し――

プレリュード
 社会人となって六年目の夏。
 会社帰り、いつもの同期メンバーでの食事会は、槇原(まきはら)奏子(かなこ)にとって、楽しくもあり、緊張する時間でもあった。
 会社から近い大衆居酒屋でテーブルを囲む四人は、女性が二人、男性が二人。男女が向かい合わせになる形で座っている。
「ねぇ~まだ飲むのっ?」
「いつものことだろ。もう帰ろうぜ、佐知子(さちこ)。酒豪二人に付きあってられねぇ。奏子の面倒は責任持って健斗(けんと)が見ろよ!」
 奏子の同期である、高口(たかぐち)佐知子と岡野(おかの)悟(さとる)が続けざまにそう言った。
 仕事終わりに店に来てから、かれこれ三時間ほどは経っていた。酒に弱い二人は、もう十分と言いたげな顔をしている。
「わかってるって! つーか、俺らが酒に呑まれるとかないし。奏子は俺より強いだろ」
 な、と同意を求められて、ついぼんやり健斗の顔ばかり見ていた奏子は、慌てて返事をする。
「健斗の方が強いよ」
「どっちでもいいよ。じゃあ、俺ら帰るな」
 奏子の言葉に、悟は心底どうでもよさそうに片手を顔の前で振った。
「じゃあ、また明日ね」
 奏子が手を振ると、佐知子たちも手を振り返してくる。
 テーブルに置かれた二人分の料金をとりあえず皿の下に隠して、店を出る二人を見送った。
 斜め向かいに座る健斗は、奏子と二人になってもまったく気にする様子も見せずに、ジョッキを煽っている。
 同期二人が先に帰ってしまうことは、そう珍しいことではない。
 けれど奏子はどうしたって、健斗と二人になると緊張してしまう。話すことがないとか、気詰まりを感じるわけではない。
 ただ、二人きりになると、途端に、自分の恋心がバレやしないかと挙動不審になってしまうのだ。
 奏子は酒のせいで赤く潤んだ目で、同期で片想いの相手、周藤(すどう)健斗をそっと見つめた。
 恋愛フィルター抜きでも美形なのは確かだが、彼はモデルばりの長身で、スタイルもいい。腰の位置が高いため、立っているだけで絵になる男だ。
 奏子だって、女性にしては一六〇センチとそう低い身長ではないが、ヒールを履いても健斗より頭の位置がだいぶ下だった。
(ずっと見てても飽きないくらい、綺麗な顔してるのよね……)
 染めていない髪は前髪を片方に流していてスッキリとした印象だ。
 化粧をしているわけでもないのに、綺麗な弧を描く形のいい眉、くっきり二重と長いまつ毛。パーツ一つ一つが整っていて完璧な組み合わせで顔に配置されているのだから、男性からも妬まれそうなものだが、彼は誰にでも好かれる存在だった。
 軽薄そうな印象なのに、不真面目なわけではなく、かといって真面目すぎるわけでもない。ほどよい手の抜き方を知っていて、スマートになんでもこなすから、彼の周りにはいつも人が集まる。
 おそらく、彼は学校でもクラスの中心的存在だっただろう。人懐っこく、そつなく誰とでも仲良くなるタイプだ。

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