「ようこそ、私の聖女様」――家の廊下で転んだはずの桃子は、見知らぬ薄暗い部屋で胡散臭い笑顔を貼りつけた美青年に出迎えられた。異世界転移ものにそっくりな状況に目を丸くする桃子。これは夢だ、目を覚まそうとほっぺたをつねるも目の前の美青年は消えてくれない。あきれたように桃子の手を取る彼は、魔術師のソラージュ。魔力供給のために桃子を召喚したと平然と言ってくる。魔具を体に当てれば一瞬で魔力が溜まり、聖女としての役割はたったそれだけ。けれども、ソラージュ以外に聖女だとバレれば碌な目に遭わないと脅され……!? 世話係の魔術師が全然優しくない！ 子どものように泣いてしまった桃子にソラージュは意外に甘くて……
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